第45話『その名はサガ!の巻』のつっこみと感想

ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。

双子座の聖闘士が教皇の振りをしていた理由が,明らかになる回です。

あらすじ

教皇の間にたどり着いた一輝ですが,一輝も双子座の聖闘士の強大な力に倒されてしまいます。

一方,教皇の正体について,生き残った黄金聖闘士たちが会話をしています。その会話を聞いていたのか,ついに教皇は双子座のサガがなりすましであったことを自らさらけ出します。

13年前,前教皇に次期教皇に指名されなかったことから教皇を殺害し,自らの野望のためになりすましていたのでした。

サガを倒しに行こうとするアイオリアですが,これは天が女神に与えた試練であると,ムウが引き止めます。

女神を助けるために星矢が立ち上がり,一輝は身を挺してサガの攻撃を受けて星矢を守ります。

本編つっこみと感想

教皇の間にたどり着いた一輝。ここから一輝と双子座の聖闘士との戦いが始まります。

双子座サガ
守護星座と同じく双子の弟がおり,善と悪の心を持つ二重人格の設定がなされたり,悪の人格に負けて教皇を殺して成り代わっていたり。そんな背景があるからかいろいろといじりがいがあり,その上に実力もありイケメンなものだから,いろいろな意味で...

一輝vs. 双子座の聖闘士

一輝はのっけから必殺技の鳳翼天翔です。

飛ばされた双子座の聖闘士は,石柱にぶつかって石柱がぶっ壊れたりしていますが,双子座の聖闘士は平気の平左衛門です。何という打たれ強さでしょう。

石柱が壊れても,天井が落ちてこないのは,このようなことを想定して相当数の柱が建てられているからなのか…。

石柱より硬い体なのか,それとも黄金聖衣に守られているがゆえに平気なのか…。

双子座の聖闘士に対して鳳翼天翔は全く効かなかったのにも関わらず,一輝は確認のために再度鳳翼天翔を打ちます。

鳳翼天翔が吹き荒れる中,まるでそよ風のごとくゆったりと歩く双子座の聖闘士。

鳳翼天翔がそよ風扱いだなんて,シャカも同様でしたね。

一輝の鳳翼天翔は,黄金聖闘士にとってはそよ風にすぎないのでしょう。

その鳳翼天翔を,手のひらをかざすだけでそのまま跳ね返しているのですが,鳳翼天翔の風が通り過ぎたあとに手を出しているようにみえるのは,気のせいでしょうか?

跳ね返されて鳳翼天翔を自ら食らって,石柱にぶつかって床に落ちる一輝。

先ほどとは違い石柱は折れていないので,直接食らうより跳ね返された技というものは,威力が落ちているよいうことでしょう。

倒れた一輝は,そのまま足蹴にされます。

黄金聖闘士による足蹴なので,石畳の床が壊れていきます。なんという破壊力。

精神破壊技対決

一輝の鳳凰幻魔拳に対し,双子座の聖闘士は幻朧魔皇拳という精神攻撃技を使用します。

どちらも似たような技ですね。

幻朧魔皇拳の方は,目の前で人が死なない限り解けないという点が違っているところでしょうか。

結果は…

一輝の勝ち!

教皇の正体

一方その頃,黄金聖闘士生き残り組は,テレパシーを使って教皇の正体について会話を始めます。

十二宮は広いです。

普通に喋っているように見えますが,どう見ても声が届く範囲に黄金聖闘士たちが集まっているとは思えませんので,テレパス会話以外にないでしょう。

黄金聖闘士は全員,普通にテレパスが使えるのですね。なんて便利!

ムウ,君は知っているのか!?

今,星矢たちが必死に闘っている教皇の正体だ…。(中略)ここまで闘い抜いた青銅聖闘士たちを,君や老師は陰ながら援助してきた。それは教皇の正体を見抜いていたからではないのか…どうなのだムウよ

文庫版『聖闘士星矢(7)』P190

一輝との戦いで生じたシャカの迷いの言葉なのでしょうか?

迷うことによってはじめて,この闘いの意味を考え始めたのでしょうか?(遅くね?)

今の教皇は真の教皇ではない!いつの間にか別の人間が入れ替わってしまったのだ!!

文庫版『聖闘士星矢(7)』P191

どうしてムウは,教皇が別の人間と入れ替わってしまったことに気づくことが出来たのか,その答えが分かるのはずっとあとのハーデス編に入ってから。

十三年前,アイオロスが反逆者の汚名をきて死ぬ少し前に,突如としてこの聖域から姿を消した黄金聖闘士のことを,みんなも知っていよう…

文庫版『聖闘士星矢(7)』P192

13年前,この黄金聖闘士たちは,こんな幼くして聖闘士の最高位たる黄金聖闘士になっていたとは,聖闘士の階級は年齢ではなく,小宇宙で決まると考えてよいのでしょう。

だが彼は消えたのではなく,依然として十三年もの間,この聖域にいたのだ。しかも教皇に姿を変えてな!!

文庫版『聖闘士星矢(7)』P193

という結論に達した時,驚く黄金聖闘士たち。

原作ではムウ様が教皇の正体についての考察を語っていますが,アニメではこれがバッサリカットされて,老師が解説していました。

ここでの黄金聖闘士たちのやり取りが好きだった私は,アニメでこのシーンがなかったことに,ものすごくがっかりした記憶があります。

それにしても,行方不明になった黄金聖闘士がいることを誰も不思議に思わなかったのか,捜索に向かわなかったのか不思議でなりません。黄金聖闘士は雑兵とは違うのだから…。

双子座のサガ

黄金聖闘士が青銅聖闘士の精神攻撃技に負けてしまったことに,動揺しまくりのサガ。

もし最初の命令が俺自身の腕を撃ち抜くものでなく,星矢の首を落とせと言われたのなら…俺は間違いなく星矢の首を叩き落としてたあろう…

文庫版『聖闘士星矢(7)』P194

自分の腕を撃ち抜くことによって,目が覚めてしまったんですね。

アイオリアは星矢に殴られても目が覚めなかったことを考えると,他人の手ではなく,自分で自分を傷つけることもきっかけになるのかもしれません。

そう考えると,幻朧魔皇拳は鳳凰幻魔拳よりも,弱いのかもしれません。

サガから,精神攻撃は一輝とサガは同格と言われてしまいました。

どう考えても鳳凰幻魔拳のほうが上でしょう。

ここからお互い必殺技の打ち合いになります。

聖闘士に同じ技は2度通用しないはずですが,一輝は三度目の鳳凰幻魔拳を放ちます。当たり前ですが,3度目ともなるとあっさりと返されます。

そして次はサガの攻撃。両腕をクロスさせて,双子座最大の拳,ギャラクシアンエクスプロージョン!

教皇の選び方

黄金聖闘士たちにとってはわかりきったことですが,教皇がどのように選ばれるのか,読者のためにムウ様が解説をしてくださります。

教皇は女神を補佐するとはいえ,事実上,聖闘士を統括する権限を持つ。(中略)教皇になるべきものは心・技・体ともに優れたものでなければならない。だから,教皇は代々十二人の黄金聖闘士の中から前教皇自らの指名によって決まるのだ。

天秤座の老師は(中略)いわば前時代の聖闘士の生き残り。そして他の黄金聖闘士は天才的な力で黄金聖闘士になったとはいえ,まだ幼いものが多く,教皇に選ばれるほどのものはいなかった。

(中略)サガは力はもちろんのこと,神の化身ではないかといわれるほどの心の清らかな男だったのだ。

文庫版『聖闘士星矢(7)』P200-204

教皇が前教皇の指名によって選ばれることに,驚きはしませんでした。

しかし,今の黄金聖闘士たちがこんなにも幼くして黄金聖闘士になっていたことに驚きました。

ムウ様やアイオリアやシャカ,ミロ,カミュ,アルデバランは7歳のときすでに黄金聖闘士になっていたということですよ。

そして黄金聖闘士になったばかりの子ども黄金聖闘士たちが,可愛いです。

それよりも

このちびっこ黄金聖闘士たちが育つまで,教皇の指名を待つことは出来なかったのか?このちび黄金聖闘士たちが育ってから,次期教皇を指名しても遅くはなかったのではないだろうか?教皇指名を,なぜそんなに急ぐ必要があったのか?

と,当時は思わずにはいられませんでした。

今は,「おそらく自分の死期を察して教皇指名を急いだのだろうが,それが返って仇となった」に過ぎない。

そして真の教皇はというと,

殺したのよ,このサガが!!

文庫版『聖闘士星矢(7)』P203

黄金聖闘士たちのことひそひそテレパス会話を,しっかり聞き耳立てて聞いていたんか!!

それに対して,全聖域に響き渡るように,巨大な小宇宙で返答するとは…。

テレパスを使えない雑兵にまで聞こえるような声で返事をするとは…。

すごいですね。

そうだ,俺は神だ!!これより後この聖域はおろか地上すべてを支配する大地の神となるのだ!!このサガがな!!

文庫版『聖闘士星矢(7)』P206

倒れた一輝の首根っこ掴んで,差し上げながら宣言しています。

28歳の大人がやることなのか?

というか,完全に頭のおかしい人。近くにいたら,絶対避けたくなるタイプ。

十三年間隠し通したその正体を,満天下にさらけ出したなサガよ…。女神の死はもう確実と思い,勝ち誇るつもりか。だがそうはいかんぞ…サガ…

女神の命の炎は,まだ燃え尽きてはいない…!!

文庫版『聖闘士星矢(7)』P207

冥王ハーデス編になってから分かることなんですけど,ムウは真の教皇の弟子なんですよね。

師の仇を前にして,なぜにそんなに冷静でいられるのだ?

でもムウ様が希望を失わずに,「女神の命の炎は,まだ燃え尽きてはいない」と言っているところは,好きなシーンです。

希望は失ってはいないけど,冷や汗は流れています。ムウ様だけではなく,他の黄金聖闘士たちも冷や汗を流しています。

女神復活は,ムウ様にとっては仇討にもなっているんですよね。

教皇になりたい

サガの声にしてはまるで別人のような…

文庫版『聖闘士星矢(7)』P208

サガは一輝を掴んでいた手を離します。

一輝は完全に白目をむいています。

あとわずかで火時計の炎が消える!そして女神も死する!!これも,このサガを教皇に選ばなかった真の教皇の罪だ!!

文庫版『聖闘士星矢(7)』P209

教皇に選ばれなかったぐらいで,教皇を殺したり,守るべき女神を殺そうとしたり……。

なんとまぁ,器の小さな男

十三年前

教皇に呼ばれた射手座のアイオロスと双子座のサガ。

数百年ぶりに女神が降臨されたことを知らされます。

それは同時に,この世に邪悪がはびころうとする前兆でもあります。邪悪がはびこる前に,女神が地上に降臨されるということです。

全聖戦の生き残りが,教皇と天秤座の老師だけ。

邪悪を閉じ込めた女神の封印の効力は二百五十年足らず。まもなく封印が解け,邪悪がこの地上に再び蘇るだろう

文庫版『聖闘士星矢(7)』P211

聖戦は,250年ごとに行われているということであり,邪悪を監視する老師も教皇も,250歳以上生き続けなければ,次世代に聖戦の秘密を伝えられないということなのでしょうか。

老師は後に女神から術を施されていることが判明しますが,教皇の場合は自力で生きているのですよね。化け物です。

私はそろそろ教皇の座をふたりのどちらかに譲ろうと考えた。全員への触れは後日いたすが…仁・智・勇を兼ね備えた射手座のアイオロス。これよりはおまえに教皇の座を任せることにする。

文庫版『聖闘士星矢(7)』P212

この時アイオロス14歳。サガ15歳。

アイオロスにしろ,サガにしろ,こんな中学生に地上の命運を預けちゃって良いものかと,小1時間問い詰めたい。

中学生にもなると,確かに世界のことや環境のことや,いろいろと外のことに興味を持つ年代ではあります。

ただその頃の思考は偏りがちですし,いろいろな物事が政治的に進められているなんて言うことには,まだ理解がおよびません。

本当に中学生に地上の平和を任せてしまって良いのかと?

もう少し,この2人だけでなく,他の黄金聖闘士たちが成長するのを待つことは出来なかったのかと。

古代や中世には,10代前半で王位に就くということはありましたけど…。やはり引退は早すぎです。

スターヒル

動かざるべき北極星が僅かに傾いている…(中略)230年前の聖戦んお前触れにも,北極星が動いたと前教皇が言っておられた…

北極星と地上の北極との角度が0度になった時,女神の封印が解け,邪悪がふたたびこの世に産卵するその時が,聖戦のときなのだ

文庫版『聖闘士星矢(7)』P214

地軸の方向とぴったり一致する北極星なんてそもそもないですし,北極星の距離にある星が250年ごとに見て分かるほどに移動するなんてことが実際に起ったら,天文学的一大事です。

代々北極星が動いたときが聖戦のときと言うことですが,地球の歳差運動により,神話の時代の北極星と今の北極星は違う星になってしまっている可能性が高いです。

教皇しか登れないはずのスターヒル。

ということはスターヒルの頂上に建っている建物は,教皇一人で建築したものでしょうか?

資材を運ぶだけなら造作も無いことのように見えますが,建築技術まで持ち合わせていただなんて,さすがは歴代教皇様です。

教皇しか立ち入ることが許されないスターヒルに,サガが現れます。

ここで登場するサガの脚が細すぎます。腕は太いのに…。

教皇に,なぜ自分が次期教皇に選ばれなかったのかと問うサガ。

問いただすサガはなぜか一人で苦しんでいます。悪サガが表に出ないように,善サガがなんとか封じ込めていると言ったところでしょうか。

おまえの心の奥底に,何変えたいのしれない不気味なものを感じるのだ。(中略)おまえの魂にはとてつもない悪魔が住んでいるような気がしてならんのだ。

文庫版『聖闘士星矢(7)』P217

教皇に本心を見抜かれて,髪の色が変わっていくサガ。

このスターヒルに登ってきたサガは,髪の色が金髪の善サガ。

なぜ自分が教皇に慣れないのかを聞いているサガも,髪の色が金髪の善サガ。

ということは,神のように慕われている善サガは,完全なる善ではなく悪心ありまくりなのではないかと思います。

そして髪の色が変わったサガは,教皇の胸を撃ち抜き,殺害してしまいます。

星矢の拳にはびくともしなかった教皇の法衣が,いとも簡単に撃ち抜かれています。青銅聖闘士とは違い,さすがは黄金聖闘士の拳です。

そして教皇の法衣とマスクを引っ剥がしてその身にまといます。

法衣には血糊がべったりとついていそうです。スターヒルを降りるまで血糊がついた法衣を来ていたのかと思うと…,ちょっと気持ち悪い。

それにしてもこの高笑い…,中二病全開な感じ。

女神の試練

サガがその正体をさらけ出したことにより,13年間の様々な思いを口にする黄金聖闘士たち。

13年間も騙され続けてきたことの苛立ちか。

ここで怒り心頭なのは,獅子座のアイオリア。なんと言っても兄のアイオロスが逆賊の汚名を着せられて,アイオリア自身,反逆者の弟だということで辛酸を嘗めてきたのだから。

そしてそれを引き止めるのはムウ。

動けるのものなら老師や私もはじめからそうしている。ただこれは,天が女神に与えた試練なのだ。サガごときひとりの邪悪に倒されるような女神であれば,それはどうあってもニセモノ

(中略)

彼女が真の女神であれば決して死なぬ…。星矢たちが真の聖闘士であれば,たとえ自らは死しても必ずや女神の命を救うはず。今は耐えるのだ。

文庫版『聖闘士星矢(7)P223

女神がこの世に降臨なされるたびに,このような試練が毎回与えられるなんて,効率が悪すぎます。しかも今回,重要な女神軍の戦力たる黄金聖闘士の半数が失われてしまっています。

黄金聖闘士の半数を失って,これからどうやってポセイドンやハーデスと戦えと?

立て!

まもなく火時計の火が消えようとしています。

誰もが固唾をのみ込んで見守る中,星矢が立ち上がります。

無意識の中,アテナ神殿へ向かっていこうとしています。

星矢を阻止しようとするサガの前に立ちふさがるのは一輝。

一輝が盾となってサガのギャラクシアンエクスプロージョンを至近距離で受け,消し飛びます。

一輝は消えても,星矢は消え去っていなかったことに驚くサガ。

お…思えば今まで何人の友が,兄弟が倒れていったろう…。俺をここまでたどりつかせるために…女神の命を救うために…

文庫版『聖闘士星矢(7)』P235

全身ズタボロで,たとえ生きていたとしても,後遺症が残っていてもおかしくないレベル。

倒れていったのは味方ばかりではなく,敵も同じように倒れていっています。

でも,ここまでのストーリーで倒れていった敵の多くは,サガに騙されていただけで,決して邪悪だったから倒されたわけではないんですよね。

しかも,本来は味方のはずの敵だったんですよね。

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