ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみご覧ください。漫画の話と分かっていても,科学的に突っ込みたくなることって,ありますよね。
本編
リムジンに揺られて,翔子は戸隠連峰へと向かいます。聖闘少女になるべく修業をするためです。
さすがはグラード財団です。城戸沙織のご友人という扱いなのでしょうけど,送迎が黒塗りのリムジンです。沙織が乗っていなくてもリムジンです。
父が空手道場を営む父子家庭でそれほど裕福には見えないのですが,翔子は私立流星学園に通学できているので,翔子もある意味お嬢様なのかもしれません。がさつに見えるかもしれませんが,翔子も実はお嬢様育ちです。
あるいは,響子がグラード財団によってアカデミーへと行くことになった見返りに,グラード財団から何らかの援助があったのかもしれません。翔子も特待生扱いで流星学園に入れたのかもしれません。
聖闘少女になるために
リムジンの中で,聖闘士や聖闘少女のことを聞かされます。
聖闘士の修行ができる場所は世界中にあります。世界中にありますが,教皇派と女神派が争っている時代です。女神である沙織が聖闘士になるべく修行に送り込める場所は女神派か中立派に限られると思います。間違っても教皇派には送り込めないと思います。
誰が教皇派なのかそうでないのか,リストが存在しているとしか思えません。
聖闘少女は聖闘士とは違って女神の身の回りのお世話をする侍女であるので,戦闘能力だけでなく,礼儀作法といったものを身につける必要があると,美衣に言われます。
空手に必要な礼儀作法は知っていても,女性らしい礼儀作法を知らない翔子です。翔子の最も苦手つするものです。
時が迫っているので,礼儀作法は目をつむって,戦闘技術だけに特化して特別に聖闘少女の修行を積むことを許された翔子です。
修行に臨む覚悟
姉の響子とエリスのことを思い出し,聖闘少女になる気持ちを高めて戸隠連峰に行く翔子です。
アニメでは辰巳が運転手をしており,思わせぶりな辰巳の発言もありました。アニメの続編が出れば,意味のある伏線となりそうな発言です。
山の麓で,子馬座の聖衣箱を背負って修行地に行く翔子を,美衣が見送りします。聖闘士になるためには厳しい修行が待っており,相当の覚悟が必要であることを確認しているようでもあります。美衣の目は真剣です。
邪神エリスが完全に目覚めるまで残された時間はあと僅か…。それまでに聖闘士と認められる力を習得できなければあなたにはこの戦いから手を引いていただくことになります
なかなか厳しい言葉です。
聖闘士の修行は常に死と隣合わせであることから,相当の覚悟が必要です。厳しい修行を耐え抜いて,聖闘少女になった美衣であるからこそ,翔子のことを思って行っているのでしょう。
そして,沙織からの伝言も伝えます。
みごと成し遂げて,必ず無事に戻ってくるように
沙織も,翔子の身を案じていることが分かります。
美衣は言葉遣いもかなり厳しくしつけられているせいか,翔子は美衣の物腰を苦手に感じていましたが,根はやはりいい人です。
シナトとミライ
翔子は聖衣箱と最低限の荷物を持ち,覚悟を持って石段を前にします。
私だったら,手ぶらでもこんな先が見えない石段を登るのはいやです。絶対イヤです。登りたくもありません。この石段は,聖闘士になる覚悟がないと,とても登れるようなものではありません。
聖衣箱を持って石段を登っていくことも,聖闘士になるための修行の一つだからでしょう。
日が暮れようとします。石段はまだまだ続きます。相当きつそうです。
石段を登る翔子を,動物たちが観ています。様々な動物が翔子を観ています。そんな動物の目線に,翔子は異変を感じます。
そんな翔子の前に,シナトとミライが現れます。2人は,翔子が聖衣を持っていることに驚きを隠せません。
聖闘士の修行をしたいという翔子をからかうミライと,どこまでも冷静に対応するシナトの対比がみごとです。
なぜ聖衣を持っているのかという問いに,
これは城戸沙織に…,ア…,アテナ様から預かったんだ!
という翔子の答えに顔が曇る2人です。ギリシアの聖域にいるはずのアテナが拝謁できるわけがないと。この時の翔子はまだ聖域の存在を知りませんし,知らされてもいませんでした。
「何を言っているんだろう,この人達は…?」状態だったに違いありません。
ミライとシナトの2人も「なんで聖域も知らないこいつが聖衣を持っているんだ?」状態で,同様だったと思います。
不審に思いすぎて,聖衣箱の肩紐だけを切って,翔子を階段下に落としてしまうシナトです。ミライは,聖衣が本物であることを確認します。ここに聖衣があるのが不思議でならないようです。
しかしここでへこたれるような翔子ではありません。怒涛の勢いで石段を登ってきます。どこからそんなパワーが生まれるのだという勢いです。疲れ切っているはずなのに,怒涛の勢いで,ありえないスピードで石段を登ってきます。
怒り爆発!してます。これぞまさに火事場のクソ力でしょう。
沙織の思い
沙織のもとに,聖闘士になった少年たちが聖衣を持って戻ってきています。100名のうち,10名だけが聖闘士に慣れました。
ほぼ同時に聖闘士に慣れたというのが不思議です。聖闘士に慣れたという情報も,どのようにして伝わってきているのでしょうか。各地にグラード財団の聖闘士計画の事務所があり,就業状況を確認していたのかもしれません。いや,きっとそうに違いない。
翔子さんたち姉妹のたがいに想い合う「心」に答えたかった…
沙織は髪ではあるけれども,人の強さを信じたいという気持ちが伝わってきます。
翔子の小宇宙
聖衣は自分のものだと主張する翔子と,聖闘士でもないものがなぜ聖衣を持っているのかという疑問をぶつけるシナトとミライ……。どこまでも平行線です。
アテナは聖域にいると信じているシナトとミライにはなかなか信じてもらえません。
再び石段の下へと落とされてしまいます。
でも,翔子の強い覚悟が,小宇宙を目覚めさせつつあります。聖闘士になるために,聖衣を纏うために,修行をさせてもらうために再び怒涛の勢いで石段を登ります。
倒されても倒されても諦めず立ち上がってくるところは,聖闘士星矢という物語の王道でもあり,この熱さは物語の主人公らしくて好きです。
日は暮れて
シナトの攻撃が直撃して気絶してしまった翔子ですが,夜になり,這うようにして石段を再び登り始めます。
シナトとミライは聖衣を持って,師匠の元へ報告に来ています。そこに,翔子が這うようにして石段を登ってきたものだから,驚き呆れます。
しかし師匠は違います。翔子に何かを感じます。
その娘…,しばらくここで預かることにしよう
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