ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみご覧ください。漫画の話と分かっていても,科学的に突っ込みたくなることって,ありますよね。
本編
聖アカデミーでシャオリンが聖衣を賜ります。
星暁鈴。汝は今ここに…聖・アカデミーの全課程を修了したことを認め,アテナの名のもとに聖なる衣を与えます。あなたはこれから聖闘少女として,地上の正義と平和を守るためアテナに尽くし,戦うのですよ。
『セインティア翔(4)』P3
アカデミーには候補生たちが大勢所属していますが,聖衣を与えられるのはごく僅かな人のみです。全課程を修了したからといって,星に認められなければ聖闘士になれません。
聖闘士になれなかったアカデミー生はどうしているのでしょうか?雑兵?
この命と生すべて…アテナ様のために捧げることを誓いますっ!
『セインティア翔(4)』P4
星に選ばれる最低条件の一つに,アテナを信じて疑わず,その生命も差し出す覚悟があるという洗脳が完璧にできている必要があるようです。
グラード財団療養所
療養所に翔子は入院しています。入院している翔子をお父さんが付き添っています。
長時間極度の緊張状態だったことによる疲れが原因らしい。身体には以上はないようだから,安心しなさい。
『セインティア翔(4)』P6
3日間も眠り続けるほどの疲れって,なかなかすごいです。戦いの時は寝食を忘れて,精神を張り詰めた状態が続くので,その反動があると思えばそれほど不思議なことではないですね。戦いが終わって,緊張の糸が切れて,意識を失ってその場に倒れ込んでしまっていたのかもしれなません。
眠りから覚めて,戦いのことを思い出して,涙を流す翔子です。目の前で,翔子を助けるために,エリスとともに響子がいなくなったのですからね。
病室のTVでは銀河戦争の開催の模様が放送されています。TV画面には主催者である城戸沙織が映し出されています。時代を反映して,TVがちゃんとアナログのブラウン管TVになっているのが嬉しいですね。
病室のベッドで銀河戦争の様子をボーッと眺めているところに,美衣を伴って城戸沙織が見舞いに訪れました。
次なる戦い
沙織は,翔子に伝えておきたいことがあって訪れています。
銀河戦争の真の目的が
大いなる邪悪をあぶり出し…新たなる戦いの火蓋を切ることになるのです。
『セインティア翔(4)』P10
であることを伝えます。
ここまでは良いのですけれど,
ですが,もはやこれ以上の戦いをあなたに課すつもりはありません。おだやかな日常に戻り,生きてください。あなたの命を脅かすものはもういないのですから。
『セインティア翔(4)』P11
いつもの沙織節全開です。
今まで一緒に,命を張って戦ってくれた仲間に気を使ってくれる気持ちはわからなくもないですが,言われた方は排除されていると言いますか,裏切られた気持ちになりますよね。しかもキツイ言い方をされていますし。
翔子は正義のためというよりも,姉の響子のために戦っている側面が強かったので致し方ないでしょう。
そこに,TVのブラウン管と通して伝えられる沙織の言葉が染み込んできます。
「聖闘士」は,平和と正義のため命をかけて戦うことを宿命とする戦士…。現代ではもはや理解の難しい生き方でしょう。しかし,私はこの戦いを通じて,人の力…,真の強さとは何なのかを,皆さんとともに見届けたいと願っています。
『セインティア翔(4)』P15
城戸邱
翔子に戦力外通告してしまったこともありますが,やはり思い悩んでいる沙織お嬢様。
翔子さんは私達とはちがう…。つい先日まで普通の中学生だったのです。あれだけ追い求めていた姉を目の前で失った心の傷は,おそらく自分でもわからないほどに深いでしょう。そんな彼女が地上の平和のために戦えるとは思えません。
『セインティア翔(4)』P17
身内がなくなった時って,1~3ヶ月は心が沈みますからね。ましてや目の前で……,沙織の言葉にも一理あります。
それでも前に進まなければならないのが女神であり,大切な誰かのために強くなれる人間の愛のために地上を守りたいと思う沙織です。
シャオリン登場
美衣と沙織がしんみりと話をしている時に,辰巳の悲鳴。
シャオリンが城戸邸に到着し,早速辰巳を伸しています。いくら辰巳が県道の段持ちでも,聖闘少女の戦闘能力の方が上なので敵うわけがないのです。
美衣が辰巳に関する資料も送っているのだから,ちゃんと読んでおけよ。そこがシャオリンの憎めないところでもあるのだけれど。
このような人相の悪い大男がアテナ様のご執事だとは~~!
『セインティア翔(4)』P21
幼児虐待を平気で行うような執事ですからね。素直なシャオリンちゃんは好きです。
シャオリンが来たにも関わらず,沙織はどこか暗い顔をしています。落ち込んでいる沙織を励まそうとするシャオリンもまた可愛いですね。
シャオリンは銀河戦争に見込みのある聖闘士がいそうなのか,沙織に聞きます。アテナを守る聖闘士が現れるかどうか,聖闘少女にとっても最大の関心事のようですね。真の聖闘士は,聖闘少女たちにとっても同士となる人達ですから。
この大会のために集まった聖闘士たちは全員,過酷な運命に自らの意志と力で立ち向かってきた者たちです。”聖域”にひそむ邪悪と対等に戦える力を持つ聖闘士が必ず見つかる…そんな気がしています。
『セインティア翔(4)』P24
沙織の言葉に無邪気にはしゃぐシャオリンですが,美衣は作戦通り聖域が動き出すかどうか心配しています。すでに敵は教皇であることが明示されています。
敵が教皇であることは,この段階で判明していたっけ?
まあ,いいや。
一方その頃聖域
教皇の間では,白銀聖闘士の楯座ユアンと南十字座ゲオルクが呼び出されています。
ここで教皇(サガ)から,日本に派遣される理由が聞かされるわけです。
この大会の裏にひそむ何者かの陰謀を明らかにするためだ。
報告によれば,この大会に出場する聖闘士どもはすべて日本出身の孤児。そして日本に聖衣を持ち帰ることを約束させられていたという…。
つまりはじめからこの大会のために,孤児たちを聖闘士の修行に送り出していた人間がいるのだ。
(中略)
過去に聖域から姿を消した聖闘士たちと結託し,聖域との戦いを目論んでいるとの情報が入っている。
『セインティア翔(4)』P27-29
100人もの日本人孤児たちが聖闘士の修行地に送り込まれた時に気づくべきでしたね。日本人ばかり100人というのは,明らかに異常値です。修行を開始する前に気づいていれば,結果は違ったものになっていたことでしょう。
冠座カティア
いくら巨大財閥とはいえ,13歳の小娘に陰謀を企てる能力があるとは思えません。それは誰もが思うことです。
自分がアテナだと騙っているのです。
(中略)
“聖域”を内部から崩壊させようとする恐るべき企み…。その影にはおおいなる邪悪な意図が絡んでいると思われます。
『セインティア翔(4)』P29-31
内部から崩壊させようとしているのは,目の前にいる教皇(サガ)ですから…。カティアは抄織がアテナだと分かった上で裏切っています。
ここで教皇の口から,新たな聖闘少女に関する情報が出てきました。
彼女らは通常聖域の表舞台に出ることはないが,諜報活動にも優れ,独自の情報網を持っているのだ。
『セインティア翔(4)』P31
聖闘少女はスパイとしても優秀なんですね。
城戸沙織を邪悪として,聖闘士たちを討伐に向かわせる……。当然の行動ですね。ミスティたちもそうやって日本に派遣されていたのでしょうね。
教皇
柱の後ろでやり取りを聞いていたのは,魚座のアフロディーテ。アフロディーテは教皇が悪だということを知った上で忠誠を誓っていますからね。
たかが小娘の挑発の乗ったフリをすることもありますまい。なんなら私がまとめてしますして参りますが。
『セインティア翔(4)』P33
まだ青銅聖闘士や抄織が覚醒していないこの段階で,アフロディーテに出てこられたら,勝ち目ななんてなかったですね。
教皇はアテナ神像の前で,いろいろなことを考えます。ミロの報告と,13年前の出来事…。
ミロの報告により,アテナと聖闘少女の存在を知ることになります。銀河戦争の開催によって,射手座の黄金聖衣の存在を知ることになります。
これだけの情報があれば,アテナが何をしようとしているのかなんて,明白ですね。
だが戻ってきたのは追手によって討たれたアイオロスの亡骸のみ。赤ん坊と射手座の黄金聖衣はどこかへ消えた…。そして,アテナ像の右手の勝利の女神像までもが姿を消していた。
(中略)
もしアテナが生きているとしたら…いつか私を討つため立ち上がるはずだと。そしてそのときこそが私が真の教皇になり得る時。いや…この地上の真の支配者となるときなのだ!!
『セインティア翔(4)』P39-40
これぞ黒サガ!
病院を退院した翔子
退院したものの,今までのことが走馬灯のように駆け巡ります。
響子のこと,抄織のこと,ミロのこと…。
それはそれで,迷いが生じます。
姉の響子からもらったペガサスのペンダントをボーッと眺めていたら落としてしまって…,危うく水路に落ちそうになったところを拾ってくれたのが,ペガサス星矢。
こんな登場のされ方をしたら,誰だって惚れてしまうぞ!
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