Stage06『邪悪なる種子』の感想

ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみご覧ください。漫画の話と分かっていても,科学的に突っ込みたくなることって,ありますよね

この回は,嵐の前の静けさを感じさせる回です。それぞれの想いと静けさです。

目次

本編

ミライの攻撃にもめげず石段を這い上がって登ったところで気を失ってしまった翔子。気がつくと,多くのカラスとミライ,シナトが見守っていました。

師匠のマユラ様の登場に,急に背筋が伸びて緊張するミライ。

どれだけ恐ろしい人物が登場するかと思いきや,全身包帯ぐるぐる巻きで車椅子にダラっと乗ってっているだけ人でした。

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マユラ様

孔雀ではありませんが,同じキジ科のヤマドリを従えています。孔雀は日本にはいないですからね。ヤマドリという選択に作者の知性を感じます。

その周囲にカラスが取り巻いていますが,日本神話に登場するヤタガラスは神の使いです。登場するカラスは残念ながら3本足ではなく2本足の普通のカラスですが,ヤタガラス代理の神の使いと考えてもいいかもしれません。

マユラ様は力なくダラっと車椅子に乗っているだけの人物ですが,不思議な威圧感があり,翔子は動けません。小宇宙を燃やしていないにもかかわらず,マユラ様のオーラは半端ないのでしょうね。

そして,マユラ様ではなくヤマドリが喋ります。マユラ様は腹話術に長けているようです。

マユラ様ではなく鳥が喋り始めるものですから,翔子はビビります。鳥が喋ったら,普通にびっくりするでしょう。当たり前の反応ですよね。

邪神に取り込まれた姉を救うため,力を求めたのだろうが…,聖闘士の戦いには私情を挟む余地などないぞ

セインティア翔(2)P54

翔子にとっては,姉を救いたいがために聖闘少女になろうと来たのです。それがいきなり否定された形になりました。

翔子は驚いています。

力を求めたことが否定されて驚いたのではなく,「姉を救いたいと思っていたこと」を見破られて驚いていたのかも……。心を読まれてしまったと言うか……。心を読まれたら…,普通にビビるわ。

争いは願いから生まれる…。強気願いは力となろうが,己を破滅へと導く毒ともなる

セインティア翔(2)P55

願いが毒になるなんて,名言だと思います。願いが欲望に変わった時って,歴史を紐解いてみても読になっていますよね。

誰か一人の欲望のために,どれだけの人が命を落としたことか。

その願いがエリスの餌となることを,マユラ様は警告しているのですね。

エリス神殿

エリス神殿ではアテとエモニとフォノスがエリス(お母様)の復活を心待ちにしています。

エモニは待ちきれない様子です。わがままな駄々っ子です。落ち着いたアテとフォノスとは対照的でであるがゆえに,お互いが引き立ちますね。

エリスの依代が入れ替わってしまったがために,エリスの目覚めが悪いようです。それでも翔子と響子は姉妹なので,全くの赤の他人よりは相性はいいのかもしれません。これが全くの赤の他人だったら,一体どれほどの時間がかかったことか……。

憑依の態勢に入ってしまったら,依代が変わってしまったことに気がついてもやり直しが効かないのかもしれません。

依代が変わってしまったことの責任を問われるアテですが,

「聖域」からはほのかに邪悪の香りが漂ってくるのだ…つまり

セインティア翔(2)P62

サガの乱がいよいよ佳境に入っていくことを匂わせています。アテは争いの匂いを嗅ぎ分ける力があるのですね。フォノスやエモニはそのことに気づかなかったようです。

聖域での争いの宴にワクワクする3人です。

それを感じてか,樹木胎内にいるエリスから,争いの種子がばらまかれていきます。

眠っているようでも,周囲の争いの匂いや邪精霊たちの感情を汲み取っているのでしょう。

ギリシア聖域

世界中にばらまかれる争いの種子を,蠍座ミロと獅子座アイオリアが眺めています。同時にただ事ではない小宇宙を感じています。

早々に手を打たねば取り返しのつかないことになる予感がするのだが,聖域はまだ動かないのか。教皇はいったい何を考えておられる。

セインティア翔(2)P69

焦りの見られるミロです。焦るミロに対して,アイオリアは至って落ち着いています。アイオリアとしては,教皇の名に従って動くのみなのでしょう。

アイオリアの場合は,考えてもしかなのないこととしか思っていないようにも感じられます。逆賊の弟としてずっと虐げられてきた者として,考えるのを止めてしまったようにしか見えません。ある意味楽観的にも見えます。

そこがアイオリアのいいところでもあります(私の守護星座でもあるので上げとこ……)。

城戸邸

城戸邸から争いの種イヴィルシードが放たれているのを眺める沙織お嬢様と美衣。イヴィルシードは,ただの流星群にも見えます。

私のただの推測に過ぎませんが,この様子は,世界的に観察された稀な流星群として世間を騒がせているかもしれません。種彗星をはなんなのか,一般的に局地的に観測されるはずの流星群が,なぜ世界的に観測されたのか。

科学者としては面白くもあり,頭の痛い課題です。この問題に挑む天文学者が多く現れているに違いありません。マスコミだって騒ぐでしょう。

たとえ正体がイヴィルシードだとしても,こんな天体ショーはワクワクしますよ。

彼女が完全に目覚める前に,邪悪に立ち向かえる真の強さを持った聖闘士を…なんとしても見つけなければなりません

セインティア翔(2)P73

沙織の覚悟は見る限りまだ弱々しいです。まだ恐れを感じているようにも見えます。

沙織の不安に更に追い打ちをかけるような美衣からの報告があります。カティアとの連絡が取れなくなったとの報告です。不安は増長します。

再びマユラ様御前

和やかに夕食をとるマユラ様の弟子3人組です。先程まで不信感の塊だったのが,早くも和気あいあいと食事をしています。仲間と認められると,一気に距離が縮まるのが聖闘士の特徴ですね。

願いが毒に

マユラ様から言われた願いが毒になるということが気になって仕方がない様子の翔子です。

なにかを強く願う心は,どこかで歪んでしまうこともあるということだろう

セインティア翔(2)P75

名言ですね,うん。

そんな翔子の前に現れるイヴィルシードが現れ,翔子は思わず手を伸ばしてしまいます。願いが強い翔子が触れることによって,イヴィルシードが活性化してしまいます。

イヴィルシードは人々の願いの強さを感じる受容体を持ち合わせているようです。よくできた種子です。感心します(って,感心するようなものじゃないだろう)。

イヴィルシードの取り込まれた翔子は幻覚を見ているのか,突然ミライとシナトを攻撃しはじめ,意識朦朧としたまま聖衣に向かいます。ミライとシナトにとっては,何が起ったのかあまりにも突然過ぎて,理解不能に陥っています。

まだまだこの2人は修行が足りないようです。

それでもシナトは冷静に,ミライに花の香を吸い込むなと忠告します。

翔子が聖衣箱に手を伸ばそうとしたところで,マユラ様登場です。かっこいいです。

何も見ていないようで,何も感じていないようで,すべてを見ているような威圧感のある師匠です。

願いが毒によって歪められ,欲望に変貌したのだ

翔子は意識朦朧としていますが,マユラ様の言葉はしっかりと聞こえています。そして,翔子の心の葛藤が始まります。精神の戦いです。

聖闘士星矢の世界では度々登場しますが,肉体の戦いより精神の戦いのほうが辛いものです。己の弱さと向き合わなければなりません。己の弱さに向き合って,それを乗り越えてこそ成長するのが聖闘士星矢の世界です。

精神の葛藤の戦いの話は,アニメ版でも引き継がれていましたね。嬉しいです。

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