ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみご覧ください。原作との比較でも突っ込んでますので,ご了承ください。
Amazon Primeで毎週配信されていたセインティア翔のアニメは10話でシーズン1が終了しました。
配信アニメは,自分の好きな時間で何回も観れるのが良いですね。同じ話を何回も観てしまいました。
最後は戦神アレスとなったサガが,エリスを封印した黄金の林檎を受け取り,高笑いをするシーンで終わりました。人気があれば,また続編が制作されるかもしれないという期待感が生まれる終わり方です。
動いている黄金聖闘士たちにまた会いたいので,数年後にシリーズ2が製作されることを期待します。やって欲しいです。
話が端折られすぎている
10話分しか予算が用意されていなかったので致し方ないことであることは理解できます。
後々のストーリーにとって重要な要素となりそうなエピソードまでもが省略されていたりして,消化不良になっている感じがします。
10話で完結させるために,ところどころ省略してすっ飛ばしてしまっているため,展開がわかりにくいところがあります。原作を知っていれば脳内補完できますが,原作を知らない人には流れがつかみにくいのではないかと感じました。
話を引き伸ばしに引き伸ばしてオリジナルストーリーを入れて,原作の展開に追いつかないように苦心した,無印聖闘士星矢のTVアニメとは対局にあります。
原作をアニメ化するには,やはり適正な長さというものがあるということがよく分かるシリーズでした。
予算の都合上仕方のないことなのでしょうけど。
出番の少なかったエルダ
話を縮めてしまった被害者はエルダではないでしょうか。
ほとんどなんの前触れもなく登場して,他のセインティアたちの仲間に加わっています。翔子とほとんど面識がないような状態であるにもかかわらず,最後は友情の合体技を繰り出していたりします。
デスマスクがアカデミーを壊滅したシーンがほぼ一瞬で片付けられ,エルダとデスマスクの確執がほぼ成立しないような展開になってしまっています。
続編を作成する場合,エルダとデスマスクとの関係性を,どのように表現するのでしょうかね。
邪霊士や邪精霊が存命中に叶えられなかった願い
原作では,邪霊士や邪精霊たちが生前,叶えきれずにいた願いが強調されます。その思いの強さをエリスに利用され,願いを叶えたり恨みを晴らすべく邪霊士や邪精霊になったことが述べられます。
聖闘少女たちはその願いを真正面から受け入れます。その強い願いを受け止めた上で,聖闘少女たちは敵に必殺技を繰り出し,本当の意味で成仏をするような描かれ方をしています。
しかし,アニメではリゲルと斗樹以外の願いや想いが省略されてしまっています。
悪意のエマと美衣の戦い
悪意のエマに関しては,原作ではエマが叶わなかった願いが,本当に手に入れたかったものが描かれ,それに対して美衣が応えていくシーンは見ものでした。
そのエマの想いがバッサリと切り捨てられてしまい,美衣が必殺技であっさり倒して終わるという展開になってしまっています。
原作で美衣はエマに何度も倒されそうになりますが,倒されても倒されても立ち上がり,満身創痍になりながらもエマに立ち向かっていきます。
美衣は見かけによらず根性があり,戦いを通じて心も強くなっていくこのシーンを楽しみにしていたのですが,ありませんでした。あっさりと終わりすぎてしまって……。
そんなところが残念でなりません。

アニメオリジナル展開
話が端折られて展開が早くなってしまって残念だった一方で,それを補うかのように差し込まれたオリジナルな展開は,好印象なものが多かったです。
マユラの性格を考えると,何も考えずに単独でエリスのもとに乗り込むとは思えません。アニメスタッフは聖闘少女5人組に助言を与える役割として,マユラをエリス神殿に乗り込ませたことは理解できますが……。
好印象ではなかったオリジナル展開は,マユラがエリス神殿に乗り込むこのシーンぐらいなものでしょうか。
それ以外は,「アニメスタッフさん,いい仕事してる」と思って観ていました。
サガvs.アイオリア
原作では,サガを攻撃するのはミロで,エリス神殿のコアを攻撃するのはアイオリアでした。
しかし,アニメでは逆になっています。
これは……,燃えに萌えます。良いですね。良かったですよ。
アイオリアはサガの乱のお蔭で,逆賊の弟として13年ものあいだ聖域で辛酸を嘗めて来たのですから。サガに対する怒りは相当あるはずです。
そんなアイオリアの気持ちを慮って,アイオリアにサガを倒させて上げたいという,スタッフさんの愛を感じます。
アイオリアはサガ扮する偽教皇を見抜けなかった自分と,兄さんを逆賊として信じてしまった自分が許せないでいます。
アイオリアはそんな自分を清算して次のステージへと進むためにも,「サガを倒す」ために小宇宙を最大限に燃やします。
ミロも,そんなアイオリアを信じて,サガを任せます。
聖域十二宮での青銅聖闘士たちの戦いを見て,自分たちも友情を育んでいるような感じです。強い絆が生まれているような気がします。
サガの乱のお蔭で,今まで黄金聖闘士たちが気持ちを一つにすることはなかったですからね。
この戦いの場面は,黄金聖闘士ファンの私としては最も気に入っているシーンです。
エリスvs.聖闘少女5人組+アテナ沙織
原作では,エリスが乗り移った響子に立ち向かうのは翔子だけです。
アニメでは,エリス響子の前に聖闘少女5人が集まり,力を合わせて立ち向かいます。セインティア翔の原作とは違いますが,聖闘士星矢世界らしくてとても良かったです。
サガに対して星矢が流星拳を放つ時,他の青銅聖闘士たちの小宇宙が合わさって強大な力となってサガを倒したときの場面を彷彿とさせるものとなっています。
元祖聖闘士星矢の聖域十二宮の戦い最後の場面をオマージュさせたこの場面には,思わずニンマリしてしまいました。
話の展開が早くて,話が端折られてしまっているので,セインティアたちがどのように友情を育んでいったのか,全くわからない状態です。いつの間にか友情が育っているような状況です。
それでもまあ,友情の小宇宙という星矢世界を展開してくれたのは,悪くないですね。
アテナ沙織と青銅聖闘士とは違い,アテナ沙織とセインティアは同性であることもあり,アテナとセインティア間の友情といったものも垣間見られました。
普通の女の子らしいアテナ沙織です。
お嬢様で女神でもあるので特別扱いされがちなアテナ沙織です。なんでも一人で抱え込んでしまおうとしまう沙織を支えようと,沙織を信じて対等な立場で一緒に戦おうとする翔子の対比が好印象です。
本来の依代
最終的に,エリスの狙いは本来の依代である自分ではないかと,一人でエリスに立ち向かっていく翔子です。
アニメオリジナルの展開ですが,聖闘少女として翔子が小宇宙だけでなく心も急成長したことを伺わせるものとなっていました。
エリスを倒すには仲間の支えと信頼が必要となります。仲間を信じて見守ること。個人の力だけではなく,エリスを倒すためには重要なことです。
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まとめ
シリーズ1の配信が完結して,若干の聖闘少女ロス状態ですが,配信アニメの良いところは,何度でも観れることです。
一般的なロス状態ほどひどくはありません。
途中,作画崩壊がひどい場面もありましたが,喋って動いている黄金聖闘士が観れただけでも幸せです。
オリジナルなストーリー展開もありましたが,聖闘少女翔の原作と大きくかけ離れてはいませんし,聖闘士星矢の世界観をとても大事にしてくれたアニメスタッフさんにとても感謝しています。

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