第7話『死闘!天馬対龍の巻』の感想

ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。

目次

本編

紫龍の盾と拳が何故壊れてしまったのか,何が起こったのか,クリスタルボードに先程の様子が映し出されます。

聖闘士の戦いは,青銅聖闘士クラスですら音速を超えます。一般人の目には止まりません。

戦いの瞬間を見逃さないように,常に超高速カメラが回っているのでしょう。聖闘士星矢連載時はまだデジタル撮影は一般的ではなく,フィルム撮影だったはずです。1つの試合で,一体どれだけのフィルムが消費されていったのでしょうか。カメラは何台も用意する必要があったはずです。かなり効果なはずですが,さすがはグラード財団ですね。

超高速を超スローモーションで

星矢が紫龍に体当たりをするのですが,狙いはボディではなく,左腕の盾。盾に頭からぶつかって,星矢の頭がまず砕け,下に崩れ落ちます。

崩れ落ちる星矢にトドメを刺そうと紫龍は拳を繰り出しますが,星矢は紫龍の拳が当たる前に下に落ちます。

その結果,紫龍は自分の拳で自分の盾を壊してしまうことになります。中国のことわざにある矛盾です。

紫龍は拳も盾も潰されて裸も同然。そして星矢は半死の状態

冷たく氷河が瞬と会話をしています。この2人はいたって冷静です。

星矢は倒れますが,生きています。聖衣のマスクがあったからこそ,即死ではなかったと氷河は言います。ヘッドギアタイプでどこを保護しているのかわからないようなデザインの聖衣のマスクでも,ないよりかはマシということでしょう。

あれだけの衝撃を受けたのなら,星矢の頭の骨が折れてしまっていそうなものですが,聖闘士は驚異の回復力を持っているようです。

なんのために戦うのか

紫龍は星矢に何かを感じます。この戦いは長引きそうだと,紫龍は春麗に言います。紫龍は,星矢は幼い頃から単なる勝利ではなく,何か他のことのために戦っているということを思い出します。

だから,倒れても倒れても,また立ち上がってくるのだと。

星矢は姉さんや,魔鈴や,美保ちゃんの言葉を思い出し,紫龍の言う通りまた立ち上がってきます。気力だけで立ち上がります。

立ち上がってくる星矢に観客はどよめきます。辰巳もどよめきますが,沙織は至って冷静です。女神の聖闘士たりえるか,冷静に見極めているのでしょうね。

なんのために戦うのか

盾も拳も砕けた今,聖衣など無用の長物

と言って,紫龍は聖衣を脱ぎ捨てます。紫龍の脱ぎグセは,この頃からありました。この脱ぎグセは,まぁ,師匠譲りなんですけどね。聖衣を脱いだほうが小宇宙が燃えるだなんて,なんのために聖衣があるのか,紫龍に説教したくなります。

紫龍が聖衣を脱いだのに合わせて,星矢も聖衣を脱ぎます。お互い,聖衣に頼らずに生身で戦おうというのです。紫龍は聖衣の下のアンダーシャツまで脱ぎ捨てますが,星矢はシャツを着ています。厳密には対等な条件ではありません。単なるシャツだって,防御力はあります。

聖闘士は聖衣を身に着けて,小宇宙を燃やすことによって音速を超えるパワーと速さを生み出します。聖衣無しで,どうやってその壁を超えるのでしょうか。肉体は,音速に耐えられないはずです。

リングの周りで2人の戦いを見守る他の聖闘士たちは,2人はなんのために戦っているのか,疑問に思い始めます。

なぜふたりは,そこまでして戦うのだ

2人ともはっきりしているのは,単なる名声や黄金聖衣のために戦っているのではないということ。

星矢は姉を探すために,紫龍は師から授かったものをすべて試すために。

勝敗なんてどうでも良いのです。

紫龍は小宇宙を最大限に燃やします。背中には,龍の絵が浮かび上がります。一体どんな仕掛けがしてあるのでしょうか。小宇宙が燃えると体温が上がるらしいので,温度が上がることによって発色する特殊な入れ墨でもしているのでしょうか。

皮膚の色素細胞が小宇宙に反応して色が変化するとしたら,カメレオン並みの性能の皮膚細胞をお持ちですね。

一瞬のスキをつけ

紫龍と星矢は睨み合ったまま,しばらく動けなくなります。しかし,星矢は「さっきは盾があったけど,今は盾はない」と考え,先手必勝で流星拳を打ちます。

星矢の流星拳を紫龍はすべて避けきったかに見えましたが,一発だけ紫龍の体に当たりました。しかもダメージが遅延性。

動揺した紫龍に更に星矢は追い打ちで流星拳を放ちます。今度は二発当たります。今度は即効性のようです。遅発性と即効性と,器用に打ち分けるものですね。

三発食らって,崩れ落ちる紫龍です。星矢の流星拳の精度が上がっていることに動揺する紫龍です。

紫龍は星矢に昇龍拳を話そうとしますが,星矢から衝撃の事実を聞かされます。星矢は一度だけしか受けていない昇龍拳の弱点を,すでに見つけたというのです。

ところで,聖闘士に一度見た技は通用しないのではないでしたっけ。紫龍は流星拳を三発も食らっているのですから,まだまだ未熟者ですね。それに対し星矢はすでに弱点を見つけたのですから,二度目は通用しないということが言えるのではないでしょうか。

老師の指摘

紫龍は昇龍拳を会得したときから,老師に昇龍拳の弱点を指摘されていました。当時の紫龍はうぬぼれがあったため,素直に置け入れません。そのようなものが現れたとしても,すでに昇龍拳で倒されていると言って,聞き耳を持ちません。

今更ながら,老師の言葉が身にしみている紫龍です。

黄金聖闘士の老師からしてみれば,「青銅聖闘士ごときがうぬぼれやがって,何をほざいてるんじゃ,弱点をなおる努力をせんか!」という気持ちではないでしょうか。

最後の一発

お互いに,もうあと一発しか拳を打つ力しか残っていません。その一発にお互いの力をかけた時,昇龍拳の弱点を見つけた星矢のほうが当然として有利です。

星矢の拳が紫龍の心臓に当たり,紫龍は城外に吹き飛ばされます。星矢も倒れます。

コンピューターが星矢の勝利を宣言します。

ドクターが星矢と紫龍に駆け寄り,治療を急ぎます。星矢はすぐに手術が必要な状態ですが,紫龍は心臓は止まってしまっていました。会場はどよめきます。

紫龍の心臓が止まったと聞いて,春麗が泣きながら,星矢が運ばれるタンカに駆け寄ります。

聖闘士の拳によって停止した心臓は,反対側から全く同じ力で衝撃を加えれば再び動き出すと……。星矢さん,その同じ力を加えられるのは,あなたしかいないんです!

春麗は必死です。必死です。必死です。

心臓の停止から4分以内に蘇生させないと,完全に死んでしまうからです。脳は,酸欠状態になると,神経細胞が徐々に死んでいきます。障害が残ります。

星矢は春麗の期待に応えようと起き上がります。瞬が力を貸そうと,紫龍を抱きかかえます。氷河は,紫龍と星矢との距離を測ります。

星矢は出血多量で意識を失っていますが,背中の龍が消える直前に意識を取り戻し,拳を放つことに成功します。

紫龍が瞬と一緒に吹き飛ばされて,壁にのめり込みます。壁は崩れていますが,瞬の体も紫龍の体も,なぜかダメージをそれほど受けていません。不思議なものです。聖闘士の体は一体どうなっているのでしょうね。

聞こえるよ,紫龍の心臓の音が

戦う目的とは

聖闘士の掟を破った青銅聖闘士たちを抹殺するために銀河戦争に出場した氷河ですが,紫龍と星矢の試合を見て迷い始めます。

これは本当に女神の禁じる私利私欲のためだけの私闘なのだろうか。

聖域からの勅命を受けるだけではない氷河の頭の良さが垣間見えます。考えなしに命令に従っているわけではないようです。

真実を見極めようとしている目はあるようです。

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