昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。
当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。
あらすじ
巨蟹宮へと駒を進めた星矢と紫龍。そこはデスマスクがこれまでに殺した人たちの死に顔が浮かび上がる宮でした。
紫龍は星矢を先に進め,デスマスクと因縁の対決することになります。
一度は積尸気冥界波で死の国の入り口へと飛ばされるも,アテナの力によって巨蟹宮へと再び舞い戻り,デスマスクと対戦します。
紫龍の廬山昇龍覇はデスマスクには通用せず,紫龍は再び積尸気冥界波で積尸気へと送られます。
本編
久しぶりに,これまでのあらすじから始まります。
かなり尺が取られています。結構長いです。
これまでのおさらい
この世に邪悪がはびこる時,必ずや現れるという希望の闘士,聖闘士が,今,現代に蘇った。
ナレーション
聖闘士の説明から,青銅一軍の面々が一人ひとり紹介されます。
銀河戦争から,暗黒聖闘士の来襲まではいいとして,
悪の聖闘士に次々と襲われ,マスクを除く全てのパーツを奪われてしまうのだった。
ナレーション
原作では教皇の勅命で星矢たちを討伐しに来ただけの白銀聖闘士たちですが,TVアニメでは悪の聖闘士呼ばわりされてしまうのですね。
人類征服を企む聖域の新教皇アーレスの命を受け,次々と襲いくる刺客たち。
ナレーション
原作では偽教皇は地上の支配を目論んでいましたが,人類征服とは言っていませんでした。同じことなのかもしれませんが,受けるニュアンスが変わってしまってますね。
その戦いの中で,星矢たちの大きな心の支えとなったのは,沙織であった。(中略)沙織がアテナの化身であったことを知り,自ら聖闘士の使命に目覚め,沙織を守って,悪の化身アーレスに戦いを挑んでいくのであった。
ナレーション
心の支えだったのか?!?
原作を知っていると,心の支えだったとは全く思えないのですけどね。
そして,星矢たちに心強い味方が現れた。一輝が,まさに鳳凰星座の名のごとく,炎の中から蘇り,(中略)援軍に加わったのである。
ナレーション
ここで登場する一輝は,鳳凰をバックにめっちゃ手をばたつかせて羽ばたいています。
そして,城戸光政が密かに開発していた,スカイクロスの翔,ランドクロスの大地,マリンクロスの潮の3人が,良きアシスタントを果たすのだった。
ナレーション
忘れ去られた鋼鉄聖闘士が久しぶりに出てきました。そういえば,こいつら聖域には付いてこなかったのですが,今は何をしているのでしょう?
本格登場はもうないと思います。
だが,白銀聖闘士の戦いの中で,悲しいアクシデントも生じた。
ナレーション
紫龍が自ら両目を潰して失明した話ですね。
紫龍が視力を失って不自由していたのは,ほんの数話で,それ以降は目が見えるかのように普通に行動しています。
聖闘士にとって,視力って一体……。
小宇宙で周囲の状況がわかるから,問題なさげです。
ついに黄金聖闘士に対し,沙織と星矢たちの抹殺を命じた。なんと五老峰の老師も,ジャミールのムウも12人いるという黄金聖闘士に一人であった。老師とムウ,そしに獅子座のアイオリアは,沙織をアテナの化身と認めたものの,その他の黄金聖闘士たちは,アーレスに服従を誓った者たちばかりだった。
ナレーション
ここは服従ではなく忠誠と言ってほしかった。
決戦の時がきて,星矢たちとともに聖域に乗り込んでいったものの,沙織は黄金の矢に倒れてしまいます。そして黄金の矢を抜くためには教皇の間まで行かなければならないのですが,黄金聖闘士たちが守護する12の宮を突破しなければならないということ。
第一の宮,白羊宮のムウに聖衣を修復してもらった星矢たちは,第二の宮,金牛宮のアルデバランを倒し,第三の宮,双児宮から巨蟹宮へと向かった。
だがその影に,白鳥星座氷河の死があった。
ナレーション
星矢と紫龍組は,紫龍の目が見えなかったお陰で,あっさりと双児宮を突破しています。
氷河は,仮死状態なだけで,まだ死んでませんから!勝手に殺さないでくれ!
以上,ナレーションだけでこの回の尺の1/3を消費しています。
見事なまでの尺稼ぎです。
巨蟹宮

巨蟹宮の入り口の蟹座表示は認めますが,なぜ「CANCER」と英語なのでしょうか?
ここはギリシアなのだから,ギリシア語で「Καρκίνος」と表記して欲しかったです。

星矢,この巨蟹宮は俺に任せろ。お前はまっすぐ,次の獅子宮へ進め。
星矢は紫龍のこの言葉に戸惑いますが,紫龍に言われたとおり火時計を見て納得します。
この戦いの目的は,時間をかけてでも敵を倒せばよいのではなく,12時間以内というタイムリミットがあるタイムトライアルです。1秒たりとも無駄にはできません。

ということは,残りはたった9時間しかない!
しかないという紫龍に対し,9時間もという星矢。休憩時間なしなら「も」かもしれませんが,この状況では「しか」のほうが正しいような気がします。なにしろ,宮から宮への移動に時間がかかりすぎています。

たった9時間としか捉えられないなら,俺たちは焦りと絶望に囚われ,やれることもやれなくなってしまうんじゃないか。
こういう星矢の前向きさは好きです。
急いでいるときこそ,気持ちを落ち着けなければいけませんからね。
いざ,巨蟹宮へ
星矢に先を行かせることを約束し,巨蟹宮へと乗り込む2人。
最近の聖闘士走りを見慣れてしまっているせいでしょうか,ちゃんと腕を振って走っている姿に,逆に新鮮味を覚えてしまいます。
ずっと走り抜けていくのかと思ったら,走っているのは最初だけで,途中から歩いています。
巨蟹宮の異様な雰囲気に,足が止まってしまったようです。

ちょっと待て,星矢。今なにか異様なものを踏んだ。俺の足元を見てくれ。
ということで,紫龍の足元を見る星矢。
先程まで何もなかったはずの床に,人の顔。しかも,石のような硬い床ではなく柔らかい床に変わっています。摩訶不思議な物質変化です。
人の顔が床および壁一面,さらには天井一面に浮き出ているということで,紫龍も星矢も絶賛混乱中。
そりゃあもう,物理的におかしいですから。(聖闘士星矢世界に物理学は通用しない)
デスマスク登場

驚いたか小僧ども!フッ,紫龍,久しぶりだな。
39話で一度会ってますからね。

教皇の素顔を知りつつも,あえて犬のように仕えている,黄金聖闘士の風上にも置けないやつだ!
カニに向かって犬とは……。
デスマスクは教皇が悪だということを知っていますが,その正体まで知っていたかどうかは定かではなかったはずです。素顔を知っているとは言えないのではないでしょうか。

相変わらず口の減らんガキめ!この無数の死に顔の中に,お前らも加わることになるのだ。
ここで急にデスマスクの背後で死に顔たちが上昇し始めます。
デスマスクは,死に顔を壁や床,天井に浮かび上がらせるだけでなく,宙を泳がせることも自由自在にできるようです。
死後も,デスマスクに操られるとはな。
そして死に顔を背後で飛ばしながら,これらの死に顔の由来をご丁寧にも説明してくれる優しいですマスク。

この無数の死に顔共は,すべて,今まで俺が殺した奴らよ。その霊が浮かばれず,成仏できずに,この俺が預かる巨蟹宮の中を永遠に漂っているのだ。奴らのくもんの表情を見れば,死んでも苦しんでいるザマがわかるだろう。
なんか,巨蟹宮の外まで死に顔たちが上へ上へと上昇していますけど。
巨蟹宮を彷徨っているのだから,浮かんでいった魂たちはきっとどこかで下降して戻ってくるのでしょう。下降ポイントは表現されておりませんが…。

いわばこの無数の死に顔共は,俺の勝利の証,強さの勲章なのだ。わかるか小僧。デスマスクとこの俺が呼ばれるのは,そのためだ。
ということは,デスマスクは通称名であって,本名は別にあるということの証明でもあります。
デスマスクの本名なんて,原作でもアニメでも明らかになっていませんけどね。案外,パウロとかありきたりの名前だったりして。
デスマスクの言葉に反発を覚える星矢と紫龍。
正義とはなにか,悪とはなにか
死に顔が多くても,相手が弱い雑魚なら100人だろうが1000人だろうが大したことないので,勲章としてはあまり意味がないことは確かかもしれません(そういう問題か?)。

紫龍!よく見ると,幼い子どもたちの顔も無数に混じっているぞ。
子供の顔があることに,さらに怒りを覚える紫龍。

敵を追い詰めるのに撒き沿いになったガキがいたかもしれんが,悪を懲らしめるための尊い犠牲というわけだ。
デスマスクがどのような状況で子どもたちを手にかけざるを得なかったのかは分かりませんが,実際の戦争では,一般人と軍人を区別して攻撃することなんて無理なことです。
デスマスクの言い分も,一理あります。

魂を邪悪に染めたお前が,悪を懲らしめるとは笑止千万
正義も悪も,立場が変わればその定義も変わる。
子供の頃は星矢や紫龍の言うことに同意していたものですが,大人になっていろいろなことを知った今は,デスマスクのほうが正しいことがわかります。

まだまだガキだ。
子供の頃は,デスマスクの言うことを理解できませんでした。
紫龍vs. デスマスク

貴様には黄金聖衣を纏う資格はひとかけらもない。聖闘士の名にかけて,この紫龍,全力をかけてお前を倒す。
星矢も参戦しようとしますが,紫龍に諭されて星矢は先へ進みます。
ペガサス流星拳でデスマスクの気を引き,そのスキに突破します。
デスマスクは星矢を追いかけようとしますが,そこは紫龍がジャンプして割り込み,デスマスクの進行を止めます。
デスマスクの走る速さより,紫龍がジャンプするほうが速いらしいです。
デスマスクのほうが前の方から先にスタートしているにも関わらず,紫龍はジャンプしてあっさり追いついてします。
黄金聖闘士のデスマスクの走る速さが遅いとは考えられませんし,紫龍の前方ジャンプのほうが速いとも考えられません。これは一体どういうことなのでしょう?

お前とは五老峰の因縁があったな。良かろう!
星矢のことは置いといて,紫龍との戦闘モードに入ります。
積尸気冥界波

あの時はムウに邪魔されたが,今度こそ決着をつけてやる。
ここで,五老峰で対峙したときの回想シーンが流れます。
積尸気冥界波を出そうとしたところからの,ムウの登場により撤退した場面。
そこから現実に戻り,その時のやり取りした会話からのデスマスクの積尸気冥界波。

今日こそあの世への扉とも言える積尸気を通って,あの世へ行け!
技を出す前から紫龍の体は捉えられ,デスマスクが技名を発するとともに紫龍は積尸気へ。

フフフ,巨蟹宮にまた死に顔が増えた。
このときのデスマスクかっこいいんですけど!
黄泉平坂にて
積尸気で飛ばされた先で,紫龍は目が見えることに驚きます。
でも一応は失明しているうえでも視力回復なので,目の色が青く表現されています。
そこでは亡者たちが並んで,何も言葉を発することなくただひたすら歩き続けています,紫龍の問いかけもまるで聞こえないかのよう。
紫龍はそこに氷河の姿を認めますが,紫龍が叫んでも氷河はそのまま何も聞こえないかのように歩いていきます。
そこに,アテナの声。

いけません。向こうに行ってはいけません。あの人達が行こうとしているのは,まさに死の世界。行ってしまったら,二度と戻ることはできません。あなたの肉体はまだ,巨蟹宮にあります。(中略)さあ,もう一度戻りなさい紫龍。そしてこんどこそ,デスマスクを倒すのです。私達のことは心配ありません。
死の国の入り口へと送り込まれても,そこにいたアテナの魂の力によって巨蟹宮へと戻される紫龍。
アテナに忠実な聖闘士は,簡単に死なせてはくれません。こき使われます。
再び巨蟹宮
アテナの力により,紫龍の魂は再び巨蟹宮の紫龍の体へと戻ります。
積尸気の送り込んだ魂が戻ってくるなんて,デスマスクにとってはじめてのこと。驚くのも無理はありません。しかも,裏にはアテナが付いているだなんて,想像もできないでしょう。

これはこれまで,二度も死の入り口から舞い戻ってきたことがあるんでね。どうやら死神には嫌われているらしい。さあ,デスマスク!お前をあの世に送ってやる!
1回目
2回目
ここまでで紫龍は2回も黄泉の国への扉の前に立っており,今回で3回目となります。
紫龍は黄泉の国の入り口で,氷河と沙織を見かけたことにより,引き戻さなければならない人間が2人いることもわかりました。
その2人の思いも込めて,紫龍は小宇宙を燃焼します。

龍と蟹では,やはり迫力に差が…。
でも階級は蟹のほうが上…。
紫龍は渾身の廬山昇龍覇を放ちますが,黄金聖闘士のデスマスクには片手一本で跳ね返されます。
まるで大人と子供です。

馬鹿め,同じ技が2度も3度も黄金聖闘士相手に通じるか
時々忘れ去れれますが,聖闘士に同じ技は二度通用しないはずですから。
デスマスクは,五老峰ですでに食らっているので,2回めになります。
再び積尸気冥界波
紫龍は再びデスマスクの積尸気冥界波の餌食に。

りゅう座の方向に流れ星が…。神様,どうか紫龍をお守りください
りゅう座の方角に流れ星なんて,別に珍しいことでもなんでもないです。りゅう座流星群(しぶんぎ座流星群)があるぐらいですし。
それにしても,春麗の紫龍に対する勘がヤバすぎます。
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