昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。
当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。
あらすじ
星矢は小宇宙を増大させ,ついに牡牛座の黄金の角をへし折ります。負けを認めたアルデバランは,星矢に宮を抜けることを許可します。他の3人も通り抜けるためにアルデバランに戦いを挑み,認めてもらいます。
星矢たちを見送ったアルデバランのもとに,ムウが訪れます。星矢たちのこと,アテナのこと,教皇のこと,そして双子座の聖闘士について話します。
双児宮にたどり着いたものの,抜けても抜けても入口に戻ってしまう。そして次に現れた2つの入口に対市,二手に分かれて進みます。
抜けることのない双児宮の迷路。瞬と氷河の前に,ついに双子座の聖闘士が姿を表します。
本編
星矢とアルデバランで壁や柱を砕きまくっているおかげで,瓦礫の山になっている金牛宮。これだけ柱や影を破壊しても,屋根が崩れ落ちてこない不思議。
金牛宮の入り口で気を失っていた他の青銅聖闘士たちが意識を取り戻します。1時間近くも気を失っていました。
紫龍は,星矢の小宇宙が高まっているのを感じ取っていますが,聖闘士なら,瞬や氷河も感じ取っていなければおかしいです。
黄金の角

馬鹿め,オレの拳が死に拳かどうか,お前の命と引換えに確かめてみるがいい
青銅聖闘士の力を侮り中のアルデバラン。
聖闘士に同じ技は二度通用しなはずなのに,グレートホーンを出し続けるアルデバラン。星矢は小宇宙を高めてアルデバランのグレートホーンは見切ってしまっているのにも関わらず,出し続けます。
こういうときのために,技の引き出しはたくさんあったほうが良いですね。
星矢はアルデバランのグレートホーンを受け止めたがゆえに,お互い弾き飛ばされます。
というか,光速がぶつかった時のエネルギーを考えると,地球が砕け散ったり,軌道を変えてしまっていてもおかしくない話です。
だけど,実際には金牛宮に深さ3メートルほどのクレーターができたに過ぎません。
アルデバランは星矢がグレートホーンを弾き返していることに驚いて,星矢を見失います。星矢は小宇宙の気配すら消すこともできるようになっていました。

ここだ!アルデバラン!約束通り,その黄金の角をもらった~っ!
アニメ版ではヒビが入ったりする黄金聖衣ですが,原作では星矢がこの時に牡牛座聖衣の角を折った以外,ひびすら入っていません。

潔く負けを認めるか,それとももう一本もへし折ってほしいか。
黄金聖衣を相手に挑発するなんざ,なかなかの度胸です。

フッハハハハハハ,ハッハハハハハハハ。確かにオレの負けだ星矢。オレに構える余裕さえ奪い,この黄金の角をへし折った男など,お前がはじめてだ。さあ,行くが良い。約束通りこの金牛宮は通らせてやろう。
黄金の角どころか,黄金聖衣を傷つけたはじめての男…かもしれません。
この潔さと,約束を守って通らせてくれるところが,アルデバランのいいところ。
そして戦い終わったところで星矢と合流する他の青銅聖闘士たち。
なかなか都合がよろしいようで…。
アルデバランvs. 紫龍・瞬・氷河

オレを負かせたのは,あくまでも星矢一人。後の三人は別だ!
ということで,他の3人もアルデバランと勝負することになります。
TVアニメの尺の都合による尺伸ばしタイム!くぁq
星矢は憤りますが,他の3人は素直に受け入れます。憤る星矢を仲間たちが静め,近い合った約束を胸に,星矢を先へ急がせます。
アルデバランに認めてもらえるように戦いを挑むことになります。

やつの拳は居合と同じだ。それだけは忘れるな。じゃ,行くぞ。
と,星矢は仲間たちにヒントを与えて先に進みます。

一人ずつでは面倒だ。3人まとめて片付けてくれる。
アルデバランのグレートホーンに押され気味の3人ですが,アルデバランの拳が全くあたっていません。壁や足元ばかりを狙っています。アルデバランは本気で戦っていなくて,遊んでいるようにしか見えません。
楽しんでいる感じ。

星矢はこの攻防一体の技を解いてみせたが,お前たちにはそうはいかんぞ!
瞬が小宇宙を高めているのを,アルデバランは目を閉じて感じています。
瞬が鎖でアルデバランを縛り上げたところ,アルデバランは縛りをぶった切り,ぶった切ると構えが解けるので,そこを氷河と紫龍が攻撃を仕掛けます。
構えを解除したのはほんの一瞬なのです。その一瞬の間のどこに,キグナスダンスを踊っている余裕があったのかと聞きたい。
一応アルデバランの腕が凍りつきますが,黄金聖衣が凍りつくのは絶対零度という設定が原作で登場したのは,これよりも後の,宝瓶宮に到達してからのこと…。
本来なら,凍ってはいけないんだけどな……。

黄金の角を折られたのははじめてだが,このアルデバランの拳を麻痺させたのもお前たちがはじめてだ。星矢を追って,行くが良いだろう。
青銅聖闘士たちの力を認めて,道を譲ってくれるなんて,やはりアルデバランはいい人。

だがこれだけは肝に命じておくことだ。星矢は一人で六感を超えたセブンセンシズに目覚め始めた。お前たちも3人一体となり小宇宙を完全燃焼させ,見事絶体絶命の逆境を跳ね返した。(中略)
セブンセンシズにとは,己自身で身につけるものなのだ。良いな。
そして星矢にも伝えておけ!この先も同じように行くと思ったら,大まりが間違いだとな。黄金聖闘士を決して侮るな。
ここでもセブンセンシズの説明。
いい人です。
アルデバランは青銅聖闘士の聖闘士を晴れ晴れとした気持ちで見送って,「成長が楽しみ」なんて言ってます。
いい先輩です。
双児宮
双児宮に突っ込んでいったはずの星矢。
双児宮を抜けたつもりがそこは入り口。後から追いかけてきた青銅聖闘士の3人と図らずも合流することになってしまいます。

オレにもわからないんだ。オレは確かに,この双児宮に突っ込んでいったんだ。たしかにオレは,この双児宮を抜けたと思ったんだが…。
抜けたつもりが最初の入口。
あれこれ議論してみたけれど,あれこれ考えるのも面倒くさいので,今度はみんなで突っ込みます。
結果は同じ。
双児宮を抜ける時,光と闇が交互に襲ってくる不可解な小宇宙を感じます。
教皇の噂
4人の青銅聖闘士たちが双児宮に入ったことを,アルデバランは感じ取ります。
そこへ,ムウが現れます。
十二宮内は,たとえムウでも宮と宮の間をテレポーテーションで移動することは不可能!
この設定が明らかになる前だったから仕方がないのかもしれませんが,ムウがテレポーテーションでアルデバランのところに現れます。
(ところでムウ様はアテナを見守っていたはずでは…。貴鬼に任せたのかな?)
しかもこの時のムウ様,髪を結んでいません!


自慢の角が台無しですね。私が修復して差し上げましょう。
星矢に負けたことを笑って話すアルデバラン。
ムウ様は聖域からみたら反逆者のはずですが,お互い何の警戒心もなく話し始める二人。
それで良いのか?アルデバラン!

オレには星矢たちが単なる反逆者とは思えんのだ。あの4人の不屈の闘志と信念は本物だった。それだけではない,星矢が小宇宙を爆発させ,まさに地獄のそこから這い上がってきた時,あの小宇宙には,星矢だけのものではない,なにか力強い小宇宙が働きかけていたような気がするのだ。
原作のセリフ内容をより詳細に膨らませた感じが良いですね。
アルデバランは,星矢たちをしっかりみて,温かい心で相手をしてくれていたことがよく分かります。やはり,アルデバランはいい人です。

星矢が日本から,アテナを奉じて来ただと!馬鹿なことを言うな。アテナはこの世にただ一人,それも,この聖域で教皇のもとにおられるのだ。

その疑惑があるとすれば,どうです?
教皇は,近隣の村々から神のように崇められているという話がここで出てきます。原作とは順番が違っていますが,問題ないでしょう。
神のように崇められている教皇を信じたいアルデバラン。

しかし,時折聖域に側近の死体が捨てられており,それが教皇の仕業だという噂があるのも事実…。それは…,教皇の正体を見たからだとか…。
普段どころか,13年もの長きに渡り聖域に足を踏み入れていなかったムウが,どうやって聖域の噂を知ったのでしょうか?
聖衣の修復を依頼に来た聖闘士…,と思いましたが,紫龍がジャミールを訪れたときが数年ぶりというぐらいなので,最近の噂なんてムウは知らないはずです。アイオリアの方こそ知らなきゃおかしい噂です。
双子座の聖闘士
次の双児宮は守護する双子座の聖闘士は不在のはず…,なんだけど……。

確かに双子座の聖闘士は,俺たち黄金聖闘士ですら見たものはいない。
13年前の子供の頃,見てますやん。

いる,双子座の聖闘士は,確実に双児宮に来ている!
ムウもアルデバランも,双児宮に小宇宙が存在していることを認めます。
双子座の聖闘士が教皇の正体だって,ここでも匂わせています。匂わせているどころが,ほとんど正体晒してます。
抜けられない双児宮
抜けても抜けても,また入口に戻ってしまう双児宮。
今度は入り口が2つになり,星矢たちは2つに分かれて進むことにします。
抜けた方は,もう一方の方を構わずそのまま先に進むと誓うます。
今度はいくら走っても宮を抜けることができず,同じところをぐるぐると回ります。

フフフフフフ。人のことより自分の心配をしたほうが良い。お前たちは迷宮に迷い込んでしまった。もはや二度と出ることのない,双子座の迷宮にな。
声が教皇(曽我部さん)じゃない!
馭者座のカペラも演じた,森功至さんでした。
とんでもない威圧感を漂わせて,氷河と瞬の前に立ちはだかります。
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