昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。
当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。
あらすじ
アルデバランになすすべなく一方的にやられる星矢。
五感が薄れていく中,星矢は魔鈴から居合の極意を教わったときのことを思い出し,アルデバランの技は居合と同じだと気づきます。
アルデバランを破るためには構えを解いて,死に拳とさせる必要があります。
何度倒されても立ち上がり,星矢はセブンセンシズに目覚め始めます。そしてついに,拳を抜かせることに成功します。
原作第30話の前半部分になります。
本編
前回,闇雲に金牛宮に突っ込んでいって,あっさりと牡牛座アルデバランにふっ飛ばされた青銅聖闘士たち。
金牛宮を抜けたい

よし,オレばやつに流星拳を仕掛ける。そのスキにいっきに突破するんだ!
そのまま突っ込んでいっても埒が明かないので,一応,星矢なりに策を考えてみました。
結果は,想像するまでもなく,青銅聖闘士たちが吹き飛ばされて終わります。しかも壁に背中を打ち付けてしまって,そのまま気絶しています。
これしきの攻撃で気絶するような奴らじゃないだろう。演出上仕方のないことなのかもしれないけれど……。
星矢は流星拳があたったと思っているようですが,おそらくアルデバランは光速の動きで流星拳をかわしているので,星矢は気づいていないだけです。

どうしてもここを取りたければ,このアルデバランを倒すことだ。到底無理な話だがな。ハッハッハ。
ここで前回ムウに言われたセブンセンシズのことを思い出す星矢。
尺稼ぎ尺稼ぎ~。
結構長い回想シーン。
気合を入れる星矢に対し,腕を組むアルデバラン。

何だその構えは?戦う気がないのかアルデバラン!?

青銅聖闘士相手に,露骨なファイティングポーズをとる必要もあるまい。このままでも十分お前を倒せるわ。
って,これがアルデバランのファイティングポーズなんですけどね。
そして星矢の周りの床が迫り上がってきます。

アルデバランも,それなりに超能力を使えるようです。
その迫り上がった床は,アルデバランが目を光らせると崩れ始めます。念動力を使って崩すこともできれば,拳で崩すこともできます。

間違いなくこれはアルデバランの小宇宙の仕業!だが,如何に黄金聖闘士が光速の動きを持っているとしても,あの体勢から…?
星矢は光速の動きでこれを発生させたと思っている様子。だけど,どうみても念動力を使ったとしか思えません。
その後,星矢の下の柱が崩れたりしていますが,これは念動力ではなく拳のようです。
居合斬り

いつ拳を繰り出したのか全くわからない。あいつにとってあの構えは,すでに攻撃態勢になっているのか!?とすれば,まるで居合だ!そうだ,日本の拳法にある居合のようだ。
拳だとしても,光速だから見えないんですけどね。
アルデバランに向かっていく星矢の足元は,相変わらず床が迫り上がって星矢の進行を妨害しようとしますが,最後はジャンプしてかわし,ペガサス流星拳。
またもやアルデバランには通用せず,ふっ飛ばされて,星矢の体は壁を3枚ぶち抜いたところで止まります。
他の青銅聖闘士たちが壁に打ち付けられて気絶したのに対し,壁を3枚ぶち破るほどの双撃を食らっても無事な星矢は,いやはやなんとも恐ろしい。
物理学的には,壁をぶち破る前に体が潰れます。
そしてもう一度アルデバランの拳を受けて,今度は壁を4枚ぶち破ります。

その聖衣,おそらくムウに修復させたものだろうが,なまじ強固になったのがお前の不運。(中略)ここで一輝に葬ってやろう。
青銅聖闘士たちは,ムウに修復させてはいません,修復してもらったのです。
アルデバランは星矢を足で踏みつけますが,星矢はアルデバランの足を掴んで抵抗します。

お前をこのまま地中深くに埋めてやる。ここがそのまま,お前の墓場になるのだ。
星矢の体がアルデバランに押されて地面にのめり込み,地面にクレーターができます。それをするには,アルデバランの体重はその力以上が必要となります。
ひょっとして,小宇宙で体重まで増減できるとか?んなバカな…。
薄れゆく五感
アルデバランの攻撃で,星矢の五感が失われていきます。
五感を失うと,小宇宙が増大する法則
ここでも見事に発揮されます。
五感を断つ技って,聖闘士に対して使用しても無意味です。
薄れゆく意識の中,星矢は沙織の声を聞きます。

私との約束を忘れたのですか?必ずこの十二宮を突破してみせると。私も試練に耐えてみせます。だからあなたも負けてはいけません。
沙織の小宇宙を感じる星矢。その一方で,魔鈴の声も聞きます。
魔鈴の声で,星矢は居合斬りの修行を思い出します。
居合の極意
おそらく,魔鈴さん14,5歳ぐらいのときだと思いますが,相変わらず中学生女子の体格には見えません。

魔鈴さん,真剣を持っているんですけど。それに,その日本刀はどこで手に入れたのでしょう?

敵の技を破るためには,その相手の技をとことん自分の体で知るしかないんだよ。この体でね。
相手の技を自分の体で知るということは,まずは食らってみろということでしょうか?聖闘士の技なんて食らっていたら,相手を知る前に死んでしまいますけど…!
それにしても魔鈴さんは,一体どこで居合斬りを学んだのでしょうか?
鷲座の聖闘士の修行の中に含まれていたのかな?だとすると,魔鈴さんは小学校低学年ぐらいで居合斬りをマスターしていたということになりますね。

居合の極意は,攻防一体のこの構えにあるの。居合とは,剣を抜いてから鞘に収めるまでの一瞬が勝負。つまり,居合の剣は鞘に収まっていてこそ,次の攻撃に出る体勢を備えていられるの。逆に言えば,一度鞘から抜いてしまった剣はその効力を失う。いわば死んだ剣,死に剣となる。
しかし聖闘士の修行に真剣を用いるだなんて,修行も生と死の隣合わせなんですね。
そんな生活は嫌だ。
薄れゆく意識の中,魔鈴の言葉を思い出し,アルデバランの拳も居合と同じということを悟る星矢です。たとえ常識を知らなくても,戦闘に関してはバカではないのが星矢です。
星矢を地中にめり込ませたところで,他の青銅聖闘士たちをとどめを刺そうとその場を離れようとした時,アルデバランは穴の中から星矢の小宇宙が増大していくのを感じます。
剣を抜け
穴から星矢が飛んで出てきます。

沙織さんがオレを蘇らせ,魔鈴さんが教えてくれた。アルデバラン,とうとう見つけたぞ,お前を打ち破る方法をな。
ゆっくり上昇してきますので,ジャンプして出てきたとは考えられません。
第七感を身につける過程で,第六感を身につけたということでしょうか?超能力でゆっくり浮き上がってきたとしか考えられません。ついでに周囲の岩石まで浮かせています。
おそらく星矢は気づいていないのでしょうが,間違いなくこれは第六感でしょう。
死にぞこないの星矢が復活してきたことに驚くアルデバラン。

ただ,五感を失っても沙織さんの小宇宙を感じることができた。そして,体中に新しい力がみなぎってきたんだ。
瀕死状態の星矢が感じることのできる沙織の小宇宙を,黄金聖闘士であるアルデバランは感じることができなかったということでしょうか?
あまり考えられないことですけど…。
ということで,星矢はペガサス流星拳でアルデバランに拳を抜かせようとします。
聖闘士に同じ技は二度通用しない
という原則はどこに行ったのでしょう?これで3回目。
光速の動きを持つアルデバランにとって,音速のペガサス流星拳は亀のごとく…。というよりも,ナメクジ並だと思う。
ビッグバン
星矢の小宇宙が今までにないくらいに上昇しています。

違う!今までの流星拳とは手応えがまるで違う!
アルデバランは相変わらず舐めきった状態で相手をしていますが,突如流星が変化して驚きます。

ま,まさか?!まさかこれは…?ビ,ビッグバン!!
いや,違うと思う。威力の大きいただの拳だと思う。
ビッグバンはこんなものではないと思う。
どちらにせよ,小宇宙が増大した星矢の拳をはじめてまともに食らって,アルデバランが壁にまで押されました。
アルデバランは石壁を4枚打ち破るほど星矢を弾き飛ばしたのに,星矢はアルデバランを飛ばしたものの,壁にのめり込むだけで破壊するほどのパワーは結局持ち合わせてはいません。

まさ,あ黄金聖闘士十二人しか体得していない,小宇宙の究極セブンセンシズに目覚めたのではあるまいな。
いくらなんでもビビりすぎです。

どうだアルデバラン。お前の拳を抜かせ,攻防一体のその構えを解かせたぞ。次はその黄金の角をへし折ってやる。
構えを解かされたアルデバランですが,再び構えないところにアルデバランの優しさが垣間見えます。

お前にそんな奇跡が起こせたら,オレはあっさりと敗北を認めてやるわ!
アルデバランの男らしさを現しているセリフです。
これが冥王軍といった真の敵なら,こんな事は言わないと思います。聖闘士の後輩だからと思っています。
構えを解いたところで,グレートホーンの威力に変わりはなく,再び星矢はグレートホーンの餌食に。そして再び石壁を1枚突き破ります。
星矢はこれで8枚の壁を突き破りました。吹き飛ばされた先は,前にいた部屋よりも5mぐらい低くなっています。
金牛宮は一体どんな部屋構造になっているのか,謎は深まるばかりです。
そして,8枚もの石壁を突き破ってのなお平気の平左衛門の星矢の体…。尋常じゃありません。内臓も破裂していないし,骨折もしていない星矢の体って,一体どうなっているんだ!?

見える,見えるぞ。魔鈴さんに居合を封じる極意を教わった時,構えを解いた時のアルデバランの拳の動きがはっきりと!
居合は,
構えを解いた=拳の動きが見える
ではないと思うのは,私だけでしょうか?
倒されても倒されても立ち上がるゾンビな星矢にビビるアルデバラン。アルデバランでなくても驚きます。普通に考えて,光速の拳なんて受けたら,宇宙の塵になっていてもおかしくないレベルですから。
セブンセンシズ
アルデバランのグレートホーンの動きを見切り,グレートホーンを受け止めて弾き飛ばそうとするものの,結局飛ばされる星矢。
しかし今度は壁を打ち破るほどではなく,壁にぶち当たって止まりました。
小宇宙でグレートホーンの威力を減少させたということでしょう。

こいつは確かにセブンセンシズに目覚め,急激に小宇宙を成長させている。しかも光速を持つグレートホーンを,曲がりなりにも止めるとは。光速を止めるには光速を持ってしなければできん。ならば星矢は,光の速さをも身につけ始めたというのか!
ふたたび立ち上がる星矢。まさにゾンビ!
死に拳
居合では,鞘から抜いた剣は死に剣となる。

死に拳となったおまえのグレートホーンの拳の動きが,オレには,はっきりと見える。
アルデバランもグレートホーンばかりに頼らず,他の技も使えばよかったのに…。
グレートホーンしか使わなかったのは,やはり同じアテナを守る聖闘士という情けと,青銅聖闘士相手という舐めプをしていたからだと思いたい。
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