昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。
当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。
いよいよ十二宮へと入ります。大好きな黄金聖闘士が次々と登場しますし,名場面や名言や迷言も登場して盛り上がってきます。
あらすじ
黄金の矢に倒れた沙織は,幼い頃の思い出とともに光政の言葉を思い出します。
第一の宮,白羊宮ではムウが待っていました。最初はムウの意図をなかなか理解できなかった青銅聖闘士でしたが,ムウに従って聖衣を修復してもらうことにしました。
修復後,ムウから黄金聖闘士と戦うためには,小宇宙の真髄であるセブンセンシズに目覚める必要があると教わります。それは,闘いの中で,自分自身の力で身につけなければならないものと教わります。
本編
沙織は薄れゆく意識の中,城戸光政の影をみます。
そして,過去を思い出します。
馬になりなさい
アニメの尺稼ぎだとは思いますが,ここで幼き日の「馬になりなさい」事件が挿入されます。
沙織の言うことを聞かない星矢を,辰巳は髪の毛を引っ張って持ち上げています。髪の毛を引っ張ったら,抜けるだけで持ち上げることなんてできないと思います。たまに,サーカスで髪の毛を引っ張って宙に上がり,芸をするというのもありますが…。

星矢,そこに這って馬になるのです。
馬になることに,激しく抵抗する星矢。
抵抗するものに対し,ムチを振るう幼き沙織。
いくらお嬢様だからといって,自分より立場の弱いものに対しムチを振るって良いだなんて,そんな教育なんてしないと思います。
確かに,ギリシアの神々は傲慢なところはありますが,人として降臨した以上,人としての教育を光政はしなかったのかと…。

お前たちはおじい様のおかげで孤児院から出られたのよ。この城戸家の奴隷も同じ。口答えは許しません!私に逆らうことは二度と許さない。
奴隷扱いされるぐらいなら,孤児院にいたほうが遥かにマシではないか!
これでは人身売買と何ら変わらないではないか!そんなことは許せません!
沙織のムチを掴んで,必死に抵抗する星矢です。

お嬢様,俺が馬になります。
邪武の行動に驚く星矢。

黙れ!俺たちがこうやって生きていけるのも,お嬢様のおかげなんだ。お嬢様,どうかこの邪武の背中にお乗りください。
この後,聖闘士になるために地獄のような修行地に送られることを考えると,孤児院にいたほうが生きていけると思うのは,私だけではないはず…。
常に生と死と隣り合わせの聖闘士なんかになるより,孤児院にいたほうが平穏に暮らせると思う。
馬になった子供の邪武に,鞭打つお嬢様もなかなかのドSです。
沙織や,お前にはあの子たち以上に,辛く苦しい試練が待ち受けているに違いない。その試練を乗り越えるためには,お前自身,どんな事があってもくじけない強い意志を持ち,あの子たちと信頼しあい,協力しあっていくことが大切なのだ。
城戸光政
この幼い頃の沙織の行動から,どうやって協力し合えというのだろう……。
黄金の矢
その矢は,教皇の力をもってのみ抜くことができるのだ。だが,時間はない。ハハハハハ,ハハハハハハッ。
牡羊座のアリエスから,時計を逆周りに回って魚座ピスケスまで,全部が燃え尽きるまで12時間。それまでに,十二宮をすべて突破し,教皇をここに連れてこなければ,城戸沙織の命はない。黄金の矢が心臓にめり込むのだ。
矢座トレミー
死の間際に,ヒントをくれるなんて,なんて親切な聖闘士なんでしょう。
十二宮の説明をし終えるまでが,この方の使命だったのでしょうか。
トレミーの話を信じて,誰も矢を抜くことを試そうとはしないなんて,なんというお人好しなんでしょう。ひょっとしたら,抜けたかもしれないのに…。
そして,12時間ですべての黄金聖闘士を倒すという話になっていますけど,戦いが前提で話し合いという言葉がこの人達にはないらしい。

私のことは,構わず行きなさい。これも,私の宿命。あなたたちには幼い頃から,苦労をかけてきました。大丈夫です,私はお祖父様に言われたとおり,決して負けません。
そういう問題か?
けが人をこのまま地面の上にほっぽり出して行けと…。

アテナとして生きることは,死ぬことよりもっと辛くて苦しいことなんだ。
そこでどうしてこういう解釈になる?
白羊宮

白羊宮では,念動力によって動かされた岩石がお出迎え。
そして貴重なムウ様のマスク姿。羊の角をここまで強調しなくてもいいだろうという,アニメの聖衣。ムウ様の瞳の色はまだ定まっていなかったのか,ここでの瞳は紫色。
そうか,白羊宮は羊。ここを守護する黄金聖闘士は牡羊座アリエス,あなただったのか。
紫龍
原作で解説していたのは氷河でしたが,アニメでは紫龍がしています。
ムウの意図を理解しない青銅聖闘士たち。紫龍がムウに向かっていきますが,指一本で弾き飛ばされます。
原作でムウの技が登場するのは冥王編からですので,技を出さずに強さを表現するためには,念動力を使うか,指一本で弾き飛ばすぐらいしか方法はなかったのでしょう。
傷だらけの聖衣

君たちの聖衣には,今までの戦闘によって無数の傷がついている。だから私の軽い一撃だけで,最強の盾もこうなってしまう。
ということで,貴鬼が聖衣に付いた傷を超能力を使って見せていきます。貴鬼の存在が場を和ませてくれているのも,いいですね。
聖衣の説明をするムウですが,ここでもまだムウの意図を理解できない青銅聖闘士たち。

このままでは,敵に触れられただけでも粉々になると言っているのです。そしてあなた達の敵とは,黄金聖闘士だということを,忘れたのですか?
ここで今度は黄金聖闘士の説明を始めるムウ様。今まで登場したアイオリアとミロとシャカの回想シーンが流れますが,デスマスクは一体どこに行ったのでしょう?

これでもまだ傷だらけの聖衣で黄金聖闘士を相手にするというのなら,止めはしません。
ということで,最後は貴鬼に背中を押されて聖衣を修復してもらうことに。
聖衣修復中…
聖衣の修復を待っている間,焦っていた青銅聖闘士たちは冷静になることができました。
なんて大きな火時計なんだ。そうか,さっき矢座のトレミーが言っていたのは,あれか。
星矢
星矢は聖域で6年も修行をしておきながら,火時計の存在に気がついていなかったとは…。
TVアニメでは,日本語で星座名を言った後,英語?でもう一度星座名をいう習わしになっていますが,矢座は矢座で,矢座サジッタのトレミーとなっていなかったところが,雑魚キャラとはいえ,ちょっとかわいそうな気がしました。
白羊宮の火が消える頃,聖衣の修復が終わり,修復したての聖衣を星矢たちは纏います。
はい,ここでも尺稼ぎ,一人ひとりの聖衣の装着シーンがフルで差し込まれます。
究極の小宇宙とは…

時間がない,行きなさい。ただ,さっきも言ったように,黄金聖闘士の戦闘力を常識で判断してはいけない。それを忘れないように。
時間がないと言っておきながら,青銅聖闘士たちを引き止めるムウ様。

聖闘士の優劣は,何も纏っている聖衣で決まるものではないのですから。要は小宇宙です。
ということで,ここで小宇宙の説明が始まります。

あなたたちは,小宇宙とは心や精神力,(中略)突き詰めていけば,究極の小宇宙の正体とは,セブンセンシズ。
人間の持つ五感,超能力などの第六感をも超えるセブンセンシズ。
だがどうしてもセブンセンシズと聞くと,高校時代の生物の授業を思い出して笑ってしまいます。
黄金聖闘士と対等に戦うためにはセブンセンシズを身につける他はなく,教えてもらって身につけるものではなく,自分自身で身につけるものではないということ。
確かに,感覚ならば,人に教えてもらうものでもないですね。
黄金の矢が刺さって倒れたままに捨て置かれた沙織は,ムウ様と貴鬼が面倒をみるということらしい。
原作では,辰巳がずっとそばで見守っていたのにね。
TVアニメ版の辰巳はどこに行っているのでしょう?
金牛宮
ムウに聖衣を修復してもらった青銅聖闘士ご移行様は,急ぎ金牛宮へと向かいます。
金牛宮では小宇宙の欠片も感ぜず,瞬の鎖も反応しません。だからといって,誰もいないわけではありません。
聖闘士は,小宇宙の気配でお互いの位置を知ることができますが,それはつまり小宇宙を燃やさなければ気配を消すこともできるということを意味しています。
小宇宙の気配を感じないので,そのまま突っ込む青銅聖闘士たち。跳ね返されてしまいます。
そこにはちゃんと牡牛座のアルデバランが気配を消して守っていました。アルデバランが登場する時,ガシャガシャと金属音を鳴らして,ゆっくり出てくる所が良いですね。
金牛宮の主のアルデバランが登場したにもかかわらず,瞬の鎖が全く反応していないというところでも,黄金聖闘士の強大さを示しています。

星矢,私はあなた達を信じています。あなた達が無事に帰ってくるまで,私はこの黄金の矢の痛みに負けません。
ここで星矢はムウの言葉を思い出し,小宇宙を燃やし始めるところで,この回は終わります。
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