第41話『究極の凍気!絶対零度の巻』の感想ツッコミ

ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。

12宮も終わりに近づいてきました。いよいよ宝瓶宮での氷河と師匠の水瓶座カミュの師弟対決です。

目次

本編

可愛い愛弟子の氷河をこの戦いで死なせたくないばっかりに…,天秤宮で氷河を冷凍保存なんてしなければ,このような師弟対決は避けられたのではないかと思うのは,私だけではないはず。

これから戦う敵でありながら,氷河とカミュの間には誰も入り込めないなにか神聖なものを感じたね。

文庫版『聖闘士星矢(6)』P281

神聖なものというか,絆というか…,師弟関係というものは,部外者が決して立ち入ることのできない間柄であることは確かです。

星矢や紫龍の師弟関係とはまた違うひと味師弟関係と言えます。

絶対零度とは

とりあえず氷河はダイヤモンドダストを放ちますが,カミュには効きません。

氷河のダイヤモンドダストを右手で受け止めて,そのまま氷河に倍返しです。氷河の左足が凍ります

絶対零度とはなんだ!?こたえろ氷河!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P283

6年前の東シベリア

カミュから絶対零度についての概念を教えてもらっているところの回想シーンです。

6年前ということは,氷河は7歳のときです。

7歳の子どもに原子の概念を教えたところで,果たしてどこまで理解しているのだろうが…?

原子について習うのは中学生になってからですし,絶対零度の概念が出てくるのは高校以上です。

カミュも当時は中学生。とはいえ,カミュは7歳の時すでに黄金聖闘士になっているのだから,理屈よりも先に体得できてしまった可能性があります。

弟子を指導する立場になって,改めて理論を勉強したのかもしれません。

明日は何を指導しようかな…。そうだ,絶対零度について講義しよう。そのためにも,予習をしておこう。

と,氷河に気付かれないようにこっそり夜中に勉強しているカミュを想像ら,ちょっとかわいく感じてしまった。

絶対零度とは

熱力学的に考えうる最低の温度。絶対温度では,この温度を 0Kとし,-273.15℃に相当する。熱力学第三法則によれば,0Kではエントロピーもゼロになる。このことは,たとえば断熱膨張させても温度が変化しないことを意味し,したがって絶対零度には到達しえないことを意味する。統計力学的にいえば,絶対零度では系がその最低エネルギー状態にある。

by コトバンク

ちなみに,絶対零度に挑んで小数点以下2桁の数字を決めたのは,東工大の先生方の功績です。

絶対零度の戦い

左足に続いて,氷河の右足も凍ります。

凍傷は,一度凍傷になると再び凍傷になりやすいという性質があります。天秤宮で氷河は一度氷漬けになっているので,非常に凍傷になりやすい体になっているはずです。

ちなみに,凍傷は時間との勝負で,時間経過とともに不可逆的な変化を体にもたらし,体は壊死していきます。

体が凍りついても平気なのは,聖闘士だからということにしておこう…

おまえも知っての通り,絶対零度こそが究極の凍気なのだ。だが,そこまでの凍気を作り出すことなど,このカミュにとっても不可能なこと…

いわば氷の聖闘士の戦いは自分の凍気を絶対零度の位までより近づけたものが勝つということだ。

文庫版『聖闘士星矢(6)』P287

相手に凍気の他メージを負わすだけなら,絶対零度まで冷やす必要はないと思います。

カミュは黄金聖闘士であるから,セブンセンシズには目覚めているはずなのだけれど,セブンセンシズに目覚めていてもなお,絶対零度を生み出すことはできないということなのでしょうか。

師匠ですら到達できていない境地を,弟子の氷河に求めているのがカミュ。

そしてカミュはオーロラエクスキューションへ。

聖闘士に1度見た技は2度通用しないはずなのに,あえて繰り出すということは,やはりカミュは氷河に戦いを通して必殺技を伝授するつもりなのでしょう。

さすがに2度めともなるとまともに食らうことはありません。

氷河は立ち上がります。

そして立ち上がってくる氷河にビビります。

師匠自ら2度通用しないことを忘れていて,どうするよ?

まあ,確かに聖闘士の実力差がある時は2度通用したりすることもあります。

以前は何度も通用したかもしれませんが,戦いを通じて成長した氷河との実力差がなくなってきたということでしょう。思いの外実力差が縮んでいたことに,驚いたのかな?

ホーロドニースメルチも,技を授けたのが師匠のカミュなら通じるわけがありません。

フリージングコフィン

もはや勝敗の決まった戦いに,これ以上お前を痛めつける気にはなれん。せめてお前の死にはもう一度氷の棺をくれてやろう!

このフリージングコフィンをな!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P294

オーロラエクスキューションも一度見た技ならば,このフリージングコフィンも氷河にとっては一度見た技。

聖闘士に1度見た技は2度通用しない

ことを忘れがちなカミュです。

まもなく死が訪れる。おとなしくまて,氷河…。

文庫版『聖闘士星矢(6)』P295

氷の中で徐々に冷やされながら,息ができない状態でじわじわと苦しみながら死ぬくらいなら,いっそのこと一思いにとどめを刺してあげたほうが良いような気もしなくもないですけど…。

弟子思いのカミュにとって,一思いに…,という方が嫌なのでしょう。

氷に閉じ込められた氷河は,脱出線がために内側から破壊しようと小宇宙を高め,破壊します。

な…なぜだ。フリージングコフィンを砕くには,フリージングコフィン以上の凍気をもってせねばならない…。しかもその凍気は零下273度以下を必要とする。それはつまり…絶対零度!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P299

砕くためにより低い温度が必要であるということの意味がわかりません

当時も分からなかったけれど,今もわかりません。どういうこと?

氷河の四肢はは重度の凍傷にかかっており,凍死寸前の状態です。

起きろ!

いったはずだ。たとえこの氷河の凍気が絶対零度までいかなくとも…あなたの位までは必ず凍気を高めてみせると…そしてあなたを倒すと…!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P301

氷河の体はぼろぼろで,もはや耐えられる状態にないと止めるカミュの言葉が氷河の耳に届くことはなく,そのまま小宇宙を高めて凍気を放ちます。

カミュもそれに合わせて凍気を放ち,両者の間で凍気がくすぶります。

たとえそれがバスケットボールだとしても,二人でボールを投げあって真ん中でぶつけ合うことは,距離にもよりますが難しいです。

そんな低確率なことが,発生しました。

ただボールと違うことは,それを両者が押し合っているということ。

青銅聖衣は零下150度以下で凍りつく!(中略)だが黄金聖衣を凍結するには,零下273.15度までの凍気でなければ不可能なのだ!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P304

固体の金属が凍りつくって,どういう意味よ?

なんて思っていましたが,「白銀聖衣でさえ零下200度以下でその機能が停止する」とあるので,

凍りつく=機能停止

なのですね。言葉のニュアンスがちょっと違うような気もしますが,気にしないことにしましょう。

でも,

たとえ聖衣が凍りつかなくても,中にいる聖闘士は生身の人間。平気なわけがないとは思いますが,纏っている聖闘士を守るための発熱機能でも付いているのでしょうか?

凍気を放ちながら,聖衣の凍結点について解説しているカミュですが,対する氷河は凍気を放ちながら意識を失っています。

弁慶よろしく,立ったまま,意識を失っています。器用です。

薄れゆく意識

冬のシベリアで修行中,

どうした氷河たて!立って訓練を続けるのだ!!眠ったらダメだ。動いていなければ凍死するぞ!!氷河眠ったら死ぬと言ってるのだ!母親に会いたくはないのか!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P306

カミュは,「母親に会いたくはないのか」という人参をぶら下げて氷河に修行をさせていたのか…。

乳臭さが抜けないわけよ。

目を覚ませ氷河!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P308

技を出しながらも,氷河を起こそうと越えを張り上げるカミュは,師としての優しさなのか。

カミュの声だけではなく,沙織や星矢たち青銅聖闘士,そしてマーマの声が氷河に届きます。

カミュの声がきっかけになった,ただの幻聴だとは思いますが,幻聴だとしても,氷河の目を覚ますには十分効果があったようです。

凍気が氷河の体に当たる直前に氷河は目を覚ましたものの,時すでに遅しと聖衣は破壊されてしまいますが,そこから氷河は凍気を生身の体で跳ね返します。

カミュの方はそんな氷河に驚いたからなのでしょうか,全く受け身を取れずにお互いの凍気がぶつかった凍気玉をそのまま受けてしまい,黄金聖衣が凍結します。

氷河は命燃え尽きようとする今,師であるこのカミュをも凌ぐ絶対零度の凍気を身につけたのだ!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P315

氷河は再び五感をほぼ失った状態になっています。

五感を失い,生命の危機に曝されると,失われる五感を補うためなのでしょうか,小宇宙が高まってセブンセンシズに目覚めるという…。

五感を奪う技って,聖闘士にはあまり意味がないのかな?

オーロラエクスキューション

さあ,今度こそ確実に葬ってやるぞ!この水瓶座のカミュ最大の拳,オーロラエクスキューションでな!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P316-8

「聖闘士に1度見た技は2度通用しない」はずですが,カミュは3回目のオーロラエクスキューションを氷河に向けます。

それに対して,氷河も負けじとオーロラエクスキューションの構えを取ります。

氷河に意識があるようには見えないので,ほぼ無意識のレベルで行っているように感じます。

もう,カミュはオーロラエクスキューションを氷河に伝授しようとして,戦うふりをして指導しているようにしか見えません。

そして,星矢と瞬のもとにひとひらの雪…。

宝瓶宮の凍気が周辺の空気を冷やして,雪を降らせたのでしょうか?

雲があるようにはには見えないのですが,フリージングコフィンを作成するためにあちらこちらから水蒸気や空気を集めていたりするほどなので,水蒸気を集めて雪を降らせることぐらいできそうです。

最後に氷河は水瓶座最大の奥義であるオーロラエクスキューションをものにします。

たった3回,カミュから技を受けただけです。

凍死寸前の生と死の間において…(中略)それは師であるこのカミュの小宇宙も遥かに超え…究極の小宇宙セブンセンシズに目覚めたのだ!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P326-7

ん?カミュはセブンセンシズを身につけていなかったのかな?

黄金聖闘士はみんなセブンセンシズに目覚めているものだと思いましたが…。

そう言って,カミュはその場に倒れます。

カミュ,あなたは自分の命をかけて俺を絶対零度まで導いてくれたのですね…。(中略)善悪の判断に逡巡することよりも,一度戦いが始まったのなら…(中略)最後まで自分の立場で戦い抜くのだと…

文庫版『聖闘士星矢(6)』P328

戦いの途中でも,善悪の判断は大事だと思いますけど…。

悪だと判断し,それでもなお自分の立場で戦い続けることなんて,精神衛生上も良くないことです。

仲間を裏切っていると知りながら,裏切り続けることは,自分も辛くなります。

この考えは,今も昔も同意できません。

黄金聖衣を纏ったカミュが亡くなり,生身の氷河が生き残る不思議。戦いで倒れた黄金聖闘士の治療は戦いの後,行われなかったのでしょうか?

だとしたら,ひどい話です。

魚座アフロディーテ

双魚宮に向かう星矢と瞬の足元に突き刺さる2本のバラ。

どう考えても,バラの枝よりも石階段のほうが硬いはずですが,なぜか突き刺さります。

そしてここで瞬からの衝撃の告白。

あの男はアンドロメダ島で僕を聖闘士に育ててくれた先生を倒した男なのだ。先生の敵は僕の力で必ずとる…。十二宮最後の双魚宮を守る聖闘士。その美しさは88の聖闘士の中でも随一と言われる…天と地の間に輝きを誇る美の戦士,魚座のアフロディーテ!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P331-2

「天と地の間に輝きを誇る美の戦士」というのは,アフロディーテ本人ではなく,瞬がアフロディーテを紹介するときに言った台詞です。

自ら美の戦士だなんて,アフロディーテは言っていません。(←ここ大事)

バラを口に咥えての登場です。

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