ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。
本編
氷河が瞬をお姫様抱っこして天蝎宮に登場します。
気を失っているはずの瞬の首がだら~んと下がっていません。真っ直ぐになっており,明らかに力が入っています。
腕はたれていますが,首がちょっと不自然。
バカな…氷河はカミュ自ら天秤宮へ出向いて始末したはず…。な…なぜどうやってカミュの作り出した氷の棺から出られたのだ……?
文庫版『聖闘士星矢(6)』P131
カミュが天秤宮まで降りて氷河を氷の棺に閉じ込めたという事実を,どこで知ったのでしょうか?
カミュが天秤宮から帰ってくるときに,すべてのことを説明してもらっていたという解釈でよろしいのでしょうか?
その後のカミュとミロの小宇宙通信から,弟子の氷河のことについてかなり語り合っていたということも考えられます。青銅聖闘士たちが天蝎宮まで登ってくるまでの時間はまだかなりありましたから。
立て!立つんだ!
俺の涙は枯れ果てたかと思っていたが…瞬は凍りついていた俺の体に熱い生命を吹き込んでくれた…。いやそれ以上に…凍てついた俺の魂に熱き心を蘇らせてくれた…
文庫版『聖闘士星矢(6)』P132
車田泣きの氷河。命をかけて救ってくれたのだから,氷河だって男泣きはします。
それに,氷河の心はもともと凍てついてなどいませんから~っ!
流石にマーマが死んだ時は凍てついたのでしょうけど,星矢と行動をともにしているうちに熱くなっていますから!
クールと言いながら,中身は猪突猛進型の熱い男が氷河です。
ただ,もう少し言葉を選んでほしいですね。こんな台詞回しでは,瞬は死んでしまったと思われても不思議ではありません。
誰だって勘違いします。
さあ,その程度の傷で足が立たなくなるようなお前らじゃないだろう…。立てよ,ふたりとも…。そしてみんなで教皇のままで乗り込むんだ。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P133
その程度の傷って…,星矢は足が折れてますけど…。それをアイオリアからのテーピングだけで応急処置が施されているだけという…。
ひょっとしたら,ムウほどではないにしろアイオリアにも多少のヒーリング能力があって,骨折をある程度治していたのかもしれない……。
アルデバランからの攻撃で,石の壁を3回もぶち抜いているので,全身打撲状態にはなっているはずです。
本来なら激痛のはずなのですが,痛みが小宇宙でごまかされているのかもしれません。小宇宙って便利だ…。
精神状態によっては,脳内にアドレナリン等の興奮系神経伝達物質が出まくるので,痛みは緩和されることがあるのは確かです。
夢
教皇のままでいくという氷河に対し,夢と言い放つミロ。
青銅聖闘士が教皇の間まで行くようなことは,ほぼ不可能で夢に近いことなのかもしれませんが,獅子宮や処女宮を通って天蝎宮までたどり着いてしまったことは,すでに奇跡に等しいです。
その事実は認めましょう。
夢と言い放って,ミロはリストリクションで氷河の動きを封じます。
封じたはずなのに,氷河は動いてします。ミロのかけ方が甘かったのか,氷河が小宇宙を燃やしまくっているので効いていないのか…。
ミロは氷河に対し甘くかけていたと思いたい…。だって,カミュの弟子だし…。
ミロよ…まさか夢とは不可能という意味と同じだと思っているのではあるまいな(中略)どんな夢だって信じてつらぬけば必ず現実のものになるのだ!!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P135
夢を信じて努力することは素晴らしいことですが,現実のものにならない夢もあります。崩れ去った夢なんて,いっぱいあります
子供の頃の夢は叶わなかったけど,それに近い仕事はやってます。
努力がすべて報われるとは限りません。
ミロのリストリクションに対し,氷河はカリツォーでミロの動きを封じます。動きを封じたスキに,星矢と紫龍,瞬を先に行かせます。
だが,死ぬなよ!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P137
青銅聖闘士たちのやり取りをじっと待ってくれているミロは好き。こんな落ち着き払ったミロが,どうして冥界編や黄金魂であんなにも短気になってしまうのか。
どちらもミロらしいのですが……。
青銅聖闘士二軍
一方その頃,闘技場では黄金の矢に倒れた沙織お嬢様を辰巳が一人で守っていました。
そういえば,闘技場の床は石畳ですが,倒れるときに後頭部を打ったりはしなかったのでしょうか。黄金の矢が消えても,後頭部のダメージで…,となっていないのは,とっさに青銅聖闘士の誰かか辰巳がお嬢様を後ろで支えていたに違いないと思いたい。
な…なぜこんな矢が教皇以外に抜けないのだ…。いっそのこと力任せに引く抜けばなんとか…
文庫版『聖闘士星矢(6)』P137
「教皇以外に引き抜けない」と言ったのはトレミーで,その話が本当かどうか誰も試していません。
本当に抜けないのかどうか試すやつが一人ぐらいいても良いのではないでしょうか。
星矢あたりが試行錯誤して,やはり本当に抜けないみたいだから教皇の間まで行くしかない!ということがあっても良かったのではないかな?
辰巳が黄金の矢を抜こうとしたところに聖域の雑兵たちが襲いかかります。
沙織たちが聖域に到着し,8番目の天蠍宮の火が消えかかっているということは,8時間近くが経過しているということになります。
不審者が来てから8時間近く経ってから出動する雑兵たちって,役に立っているとは思えません。
近くで不審な動きが無いか見張りぐらいはしていたのでしょうけど。
こう見えても剣道三段の辰巳なので,竹刀で雑兵の一人は倒します。
聖域というギリシアの治外法権のような場所に来るのなら,竹刀ではなく真剣でも良かったかもしれません。何しろ,相手は歩く核兵器のような聖闘士なのですから…。
竹刀ではやはり雑兵相手でも苦戦を強いられ,雑兵の一人が倒れている沙織お嬢様を攻撃をしようとしたところにやってきたのが,我らが青銅聖闘士二軍たち。
馬鹿め,青銅聖闘士相手におまえら雑兵が何百人かかってこようが歯が立つかーーーっ
文庫版『聖闘士星矢(6)』P143
青銅聖闘士は聖闘士の中でも最下級とはいえ,雑兵との間には天と地ほどの差があるようです。
聖闘士星矢の世界では,階級間での実力差がいずれも天と地ほどの差があるようです。聖衣と小宇宙による能力のブースター効果が相当あるようです。
青銅聖闘士二軍の名台詞
ここで青銅聖闘士二軍たちが,各人一コマずつ,それぞれの必殺技で雑兵たちを倒していきます。
このヒドラの毒牙に敵はいないのだ。きみ勝敗は常に顔で決まるのだよ!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P144
車田漫画の世界では,勝敗は常に顔で決まります。
これをイケメンキャラが言っても面白くも何ともありません。
ブ男で気持ち悪いキャラにされている海ヘビ星座市がいうことによって,この文言が引き立つのです。
やっは初ゼリフ!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P145
子獅子星座蛮のこの台詞は,脇役の哀愁を漂わせています。
TVアニメでは銀河戦争で邪武といい勝負を見せていますが,原作では何の見せ場もなくたった一コマで0-3で敗北にされてしまっていますからね。
お嬢様は俺たちが守る
ベアー檄が片手で雑兵を二人ずつまとめてハンギングベアーしていますけど,屈強なお事たちの組根っこを二人まとめてって,どれだけ手のひらが大きいのでしょうか。
狼星座那智は一輝の鳳凰幻魔拳で精神をやられてたはずですが,精神攻撃は時間が経つと効力を失ってしまうものなのでしょうか。最後はやはり物理攻撃でトドメを刺さないといけないということわ分かる例です。
青銅聖闘士二軍たちは,銀河戦争での敗北から師匠の元に戻って特訓をし直したということになっています。
銀河戦争からあまり時間が経ってはいないと思いますが,そんな短時間の再特訓で大丈夫なものなのでしょうか。
星矢たちよ,どうやらお前らばかりにずっと苦労をさせちまったようだが,この場は俺たちが命がけで守る!!
お前らは安心して教皇の野郎をこの場へ引きずり出してこい!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P147
星矢たちは格上たちとの実戦で鍛えられている時,二軍たちは師匠のもとで特訓…。
実力の差が更に開いてしまうことになります。
蠍 vs. 白鳥
やはり氷河のカリツォーはミロには効いていなくて,マント一振りで払ってしまいます。ミロのマントさばきはこの時からすでにかっこよく始まってます。
ここでミロがマスクを付けて戦闘態勢に入ります。
蠍の尻尾の体節は5節+毒針のある尾節の計6節。聖衣のマスクの尻尾の体節と,バック絵の蠍の体節の数は,明らかに多すぎです。
蠍の体節数盛りすぎ!
氷河のカリツォーが効いていないばかりでなく,ミロのリストリクションも効いていませんでした。
氷河のカリツォーが黄金聖闘士相手に聞かないのは理解できますが,黄金聖闘士ミロのリストリクションが青銅聖闘士の氷河に効いていないって,どういうことよ?な感じです。
ミロのリストリクションが効かなかったのは,氷河が凍気で壁を作っていたということになっていますが,凍気でリストリクションの光速拳を防御するなんて不可能です。
さすがは水と氷の魔術師といわれる水瓶座のカミュに指導されただけのことはあるようだな。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P152
カミュは弟子の氷河のことについて,絶対ミロにいろいろと喋っていたに違いないと思わせるミロの台詞です。
ということで,ダイヤモンドダストとスカーレットニードルの打ち合いです。
スカーレットニードルは光速の拳ですが,ダイヤモンドダストは凍気の拳です。
技の性質が全く違う二者です。
- 凍気攻撃に,スピードは必要ありません。空間ごと冷やしてしまいますから。
- 光速拳はスピードを必要とします。空間に衝撃波が走ります。
常識的に,凍気で物理攻撃をかわせるとは考えられません。
フッ。この程度の凍気で俺の動きを止めることなど出来んと言ったはずだ。それよりも自分のことを心配したらどうだ,氷河。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P158
ミロに氷河の凍気が通じません。聖衣に覆われていないはずの部分も凍気がかかっているはずですが,平気です。
小宇宙で凍気を跳ね返しているのだと思います。
その一方で,氷河の右肩にはミロのスカーレットニードルの小さな穴が空いています。青銅聖衣は,黄金聖闘士の攻撃で簡単に傷ついてしまうようです。
光速拳を受けてこの程度の傷…。光速拳の威力や低すぎやしませんか?
そしてミロのスカーレットニードルのの場所から激痛が走ります。
技が決まってから激痛が走るようになるまで,タイムラグがあるのが気になります。一発目は遅効性なのでしょうか?
降伏か死か
リストリクションは中枢神経を一時的に麻痺させるだけですが,スカーレットニードルは激痛とともに全身を麻痺させる技。
全身を麻痺させるだけで,殺さない技なのか?
必殺技として,どうよ?しかも15発も打たなければならない技って!
一発でとどめを刺すようなものではない。降伏か死か,15発の激痛の間に的に考えるゆとりを与えるのだ。
(中略)
降伏か死か…さあどっちだ氷河よ!!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P160,161
必殺技という要理も,拷問技…!
痛すぎて考える余裕なんてないでしょうに。
ということで,2発目,3発目と打ち込まれている氷河。激痛に耐える氷河。
過去においてスカーレットニードルを15発すべて受けた人間はいない。せいぜいご5,6発までの激痛に耐えきれず発狂するか,息絶えるか,命乞いをするかのどれかだ。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P162
死んでる場合もあるんだ。
発狂と息絶えるのと,命乞いをする割合はそれぞれどのくらいいるのか気になるところです。
残念なことに,原作でミロがスカーレットニードルで相手が亡くなった例は,冥界編のコキュートスで雑魚を倒した程度しかないのでわかりませんね。
命乞いをした例もありませんし,発狂した例もありません。
氷河はミロにダイヤモンドダストを打ち続けるも,ミロの薄皮一枚凍らせるに過ぎないと言われる始末…。
薄皮一枚凍っても,かなり痛いと思うのは私だけ?
降伏か死かと問われたら,氷河はとにかく
俺の答えは唯一つ…戦うことだけだ!!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P165
聖闘士の辞書に,交渉や説得の文字なんてありません。戦って勝つか,さもなくば死ぬだけです。
そんな職業,嫌です。
氷河が幸福しないので,ミロは14発まで撃ちます。じわじわと痛みつける,いやらしい技です。殺るなら一思いに殺せ!って,相手は思いたくなるような技です。
あと一発!
そこで最後の一発の,アンタレスの説明をします。戦うときに技の説明をしてくれるなんて,聖闘士は親切ですね。聖闘士の戦いの美学なんでしょう。
アンタレスとは蠍座を形作る15の星の中心に位置する赤い巨星のことだ!!
それはちょうど蠍の心臓に位置していることでも分かる通り,スカーレットニードル最大の致命点なのだ!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P166,167
説明乙です。
そして,その体勢で最後の一発が撃てるのかと言われて,自分が氷河のダイヤモンドダストで足が床に氷漬けにされていることに気づくなんて,ミロさん鈍感すぎやしませんか。
足が妙に冷えてるなとか,気づかなかったのでしょうか。
黄金聖闘士がそんなんで,女神を守れるのでしょうか。
とはいえ,青銅聖闘士相手ということで,ミロも舐めプなので,そこは大目に見てあげましょう。全然本気で戦っていませんし。
そして,氷河の最後の一発ということで,必殺技ホーロドニースメルチを食らって宙を舞ってしまうミロ。
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