第37話『仮面が叫ぶ!愛か死か』の感想ツッコミ

当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。

昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。

TVアニメスタッフに雑兵扱いされてきたアイオリアが,黄金聖闘士扱いされるようになりました。

登場人物の台詞がいい感じに味付けされている神回だと思います。

目次

本編

まずは前回のおさらいから,

なぜだ星矢,なぜ!攻撃してこない!

シャイナ

シャイナさんは必死に星矢を攻撃しますが,星矢は真顔で避けるばかりで,シャイナを攻撃することはありません。

星矢はほんのちょっと前まで女の人に平然と拳を向けて,殺してしまっているのにね…。

星矢にとってもシャイナは特別な存在なのでしょうか?と思わずにはいられない星矢の反応です。

シャイナさんは死ぬ気なんだ。だから俺は戦えない,戦いたくないんだ。

星矢

いやいや,聖闘士が戦う時はいつだって死ぬ気で戦っているでしょう。死ぬ気で戦って,小宇宙を燃やして,勝利をもぎ取るのが,真の聖闘士でしょう。

真顔でこんなことをシャイナにいう星矢は,おそらく無自覚なのでしょうが,殺し文句ですよ…。

シャイナさん,泣いちゃったじゃないか…。

その時,頭上に流星が一つ流れたことに気づく星矢。それがすぐ近くに落ち,強大な小宇宙を発しています。

私も感じる。しかも,こんなに恐ろしく強大な小宇宙は初めてだ!逃げるのよ星矢!さもないと,殺される!

シャイナ

見えない力によって宙に浮かぶシャイナさん。続いて星矢も浮かびます。

アイオリアが念動力を使った,唯一のシーンです。

獅子座アイオリア

黄金の小宇宙と聖衣を纏って,アイオリアの登場です。

熱くない,クールな(らしくない)アイオリアです。

言うまでもないことですが,このときのシャイナはマスクが外れた状態で素顔をさらけ出しています。当然,アイオリアもばっちりシャイナの素顔を見ています。

原作でアイオリアが実は獅子座の黄金聖闘士であることが判明する前のこと,TVアニメでシャイナさんはアイオリアのことを完全に舐めてましたよね。雑兵の一人扱いでしたよね。

なんですか!?このアイオリアに対する態度の豹変の仕方は!?

まさか,黄金聖衣は射手座だけじゃなかったのか?

星矢

聖闘士の常識でしょう。魔鈴に教えてもらっていなかったのでしょうか?

だが,お前たちが知らぬのも無理はない。その実態は,我々黄金聖闘士にも明らかにされてはいないのだからな。

アイオリア

13年前,天秤座の童虎を除いて全員集合したことがあるはずなので,アイオリアならその実態は知っているはずなんですけどね。

とはいえ,放送時は原作でもまだ黄金聖闘士は全員登場していませんでしたので,読者とアニメスタッフにとって実態が明らかになっていなかっただけです。

実態は明らかにされていないと言いつつ,ストーリーが進むと旧知の仲であるかのように小宇宙会話していますからね。お互いのことをよく知っていますよ。

お互い射手座の黄金聖衣の在り処を探しているのだけれど,お互いに在り処を知りません。

アイオリアは星矢の目をじっと見て,星矢の言葉に嘘ではないことを悟ります。

だけど,怖い顔をしてジリジリと詰め寄るアイオリアに,必死に星矢をかばおうとするシャイナ。

シャイナ,君に星矢を殺すことはできん。それは君自身が一番良くわかっていることだ。シャイナ,これ以上星矢を庇い立てすれば,君まで反逆者になる。それでも良いのか…。

アイオリア

アイオリアって,女心が理解できるキャラでしたっけ?まぁ,いいや。

TVアニメは第1話と現在では教皇が変わっているという設定にされているので,星矢はそこをついてアイオリアの説得を試みようとします。

しかしそこは反逆者の弟という辛酸を舐めているアイオリアだけあって,星矢の言葉のみで聖域に歯向かうことなんてできるわけがありません。

星矢をアイオリアから逃がそうと,無謀にもアイオリアに攻撃を仕掛けるシャイナ。

シャイナのアイオリアに対する態度がアイオリアが実は黄金聖闘士だったということが判明する前とはあまりにもかけ離れすぎて,滑稽にすら思えてきます。

指一本で

シャイナの攻撃を,指一本で返すアイオリア。

続いて星矢も指一本で吹き飛ばされます。星矢には何が起こったのか,全く理解できません。

聖域に背いたものは,死を持って償うしかないのだ

アイオリア

掟破りには,死あるのみなんて,そんな国は嫌だ!死以外の罰則がなかったら,どんどん人が減っていってしまうではないか。

魔鈴さんに聞いたことあるぜ。あんたの実の兄アイオロスを殺したのは,聖域だってな!

星矢

星矢からこんなことを言われるアイオリアは,さぞかし心の中は悔しかろう。というか,言われたくないことですし,心は傷ついたと思います。

逆賊の汚名を着た兄を持つものの気持ちなど,お前にはわかるまい。

アイオリア

原作にはなかった台詞ですが,アイオリアの13年の苦しみがにじみ出ている言葉ではないでしょうか。

幼き日の記憶

アイオリアの回想シーン。

アイオロス兄さんの声が,屋良有作さんじゃないことに,まず驚きます(←驚くとこそこ!?)。そして,上半身裸じゃないです!

クレジットでは,アイオロス(青年時代)となっていました。青年時代も何も,アイオロスは享年14歳で,少年時代しか存在していないはずなんですけど……。

小さなアイオリアが,兄アイオロスに訓練を受けています。なかなか思うようにできない小さなアイオリアは,思わず弱音を吐いてしまいます。

アイオリア,確かにお前と俺とでは,力も技も大きな差がある。だがな…,今,見せてやる。

アイオロス

といって,近くの岩の崖を拳で大穴を開けるアイオロス兄さん。

聖闘士は何かと岩を砕いたりして力を誇示したりしていますが,そんなことを神話の時代から続けていたら,岩場なんてもはや存在できなくなっているのではないでしょうか?

実際は,存在しているのですけど…。

砕ける岩なんてもはや存在できなくて,砂地になっていそうです。

いいか,これは俺の中の小宇宙を完全燃焼させてできる技なんだ。いいか,お前の中にも俺と同じ小宇宙があるんだ。兄弟だからな

アイオロス

黄金聖闘士が小宇宙を完全燃焼させたにしては,岩に開けた大穴が小さすぎます!

小宇宙の出力を1%ぐらいに抑え込んだようにしかみえません。

兄弟というだけでなく,真の強さと優しさを持った聖闘士として,俺は誰よりも尊敬していた。その兄が…。

アイオリア

アイオロスの反逆

アイオロスの事件が起こった時,他の聖闘士たちにアイオリアは詰め寄られます。

アイオリアはこの時すでに黄金聖闘士になっていたはずなので,格下の青銅聖闘士や白銀聖闘士に詰め寄られたところで,恐れることはないはずなのですけど…。

TVアニメ版では,まだアイオリアは黄金聖闘士になる前の話になってしまっています。

アイオロスが,「射手座の黄金聖衣をもって聖域から脱走した」という罪で追われているらしいのですが,聖闘士になってしまえば,聖衣をもって聖域外で生活することは自由のはずです。

設定がおかしくなってます。

そしてその日以来,裏切り者の弟してつらい日々を送ることになるアイオリア。

俺は兄を恨み,そして兄の汚名を晴らすために,兄アイオロスを超える黄金聖闘士になることに,命をかけて誓ったんだ。

アイオリア

いや,だからアイオリアはアイオロスの反逆事件が発生した時はすでに黄金聖闘士になっていたんですけど…。

原作で,アイオリアたち他の黄金聖闘士がいつ黄金聖闘士になったのか判明するのは,ずっと後のことなので仕方のないことなのですが…。

それでアーレスの忠実な部下になったってわけか。俺ならどんなことがあっても自分の兄を信じる。それが兄弟ってもんだろ!本当の愛情ってもんだろ!

星矢

星矢のいうことも分かりますが、兄弟は他人の始まりでもありますし…。

星矢は、アイオリアのように周りからさんざん後ろ指をさされたりいじめられたりなんていう辛い経験をしていないから,言えることかもしれません。

あまりにもつらい日々を過ごしたせいで,兄を恨まざるを得なかったのがアイオリアだと思います。

どうしても沙織さんたちを殺そうというのなら,たとえあんたが相手でも,ここで戦うぜ!

星矢

そう言ってパジャマの上を脱いで上半身裸になる星矢。

ついさっきまで包帯ぐるぐる巻で入院していた星矢です。常識的には戦えるような体ではありません。聖闘士は,小宇宙で入院するほどの怪我まで回復できてしまうものなのでしょうか。

光速の動き

ということで,先手必勝は星矢おなじみの流星拳。

お前達青銅聖闘士の動きはせいぜいマッハ1。白銀聖闘士でマッハ2からマッハ5。どうあがいてもマッハの域を超えることはできんのだ。だが,黄金聖闘士は違う。黄金聖闘士は1秒間におよそ30万キロメートル。

そうだ,黄金聖衣の聖闘士はすべて光速の動きを持っているのだ。

アイオリア

そんな会話を,星矢が流星拳を放っている間にしています。流星拳を放っている時間なんて,数秒ぐらいなものだから,普通に話しているのではなく,きっと小宇宙で星矢に合わせて音速会話をしているのでしょう。

普通に発話していたら,流星拳のスピードに合いませんし,そもそも音速でしか会話できません。

そして,動きが光速に近づくほど,質量は無限大に近づきます。

そんな質量無限大のものを食らったら,一溜まりもないどころかチリになるレベルです。

さあ,受けろ!獅子の牙を!

アイオリア

と今度はアイオリアのターン。

間一髪のところで星矢を助けたのはシャイナさん。

光速の剣を受けても,背中に傷を負って血を流すだけ…。
ダメージ,ちっちゃ!

光速の割に,ダメージが小さすぎやしませんか!?

まあ…,軽症で済んだのは聖衣のおかげということにしておきましょう。

シャイナの告白

マスクの下の素顔を見られた聖闘士の女子は,その相手を殺すか,それとも…,愛するしかないんだ…。でもねえ,私にだってわかったんだよ。星矢にとっては迷惑だよねえ。私が,私なんかがお前なんかを愛したりしたら…。

シャイナ

怪我をした星矢を抱き寄せる星矢。そしてシャイナの愛の告白。

そしてそれをただじっと,見ているだけのアイオリア…。

アイオリアは一体どんな気持ちで,このラブラブなシーンを見ていたのでしょうか…?ずっと待っていてあげる紳士なアイオリア。

アイオリアの気持ちを考えると,ちょっと切ない…。(←気にするとこそこかよ!)

なぜ拳を止めなかった!

待て!アイオリア。なぜ拳を止めなかった…。お前なら、シャイナさんが俺をかばって飛び込んでくるところを察知できたはずだ!女に拳を振るって何になる!

星矢

シャイナさんが飛び込んできたことを察知できても,拳を止めるという動きをするまで,神経学的に0.2秒かかりますし…,聖闘士の動きはそれよりも早いですし…,止めることは難しかったのではないかと推測されます。

あと,星矢は女に拳を振れないといいますが,敵が全員女性戦士を採用していた場合,星矢は拳を振るうことはできずに負けることになりますが,本当にそれで良いのでしょうか?

アイオリア,俺はお前を許さないぞ。たとえ死んでも,お前を倒す!

星矢

シャイナさんが殴られたぐらいでそのような感情を抱くとは…,なんだかんだ言っても星矢はシャイナさんのことが好きだったんですね。

こんな台詞を吐いて黄金聖闘士のアイオリアに立ち向かうだなんて,シャイナさんがますます惚れてまうがな。(シャイナさんはおそらく気を失っているので気づいていないしょうけど)

素直に自分の非を認めるアイオリアも紳士です。

アイオリアがシャイナに手をかざし(ヒーリングかな?)…,シャイナを抱きかかえて去ろうとします。

ムウほどではありませんが,アイオリアもある程度のヒーリング能力があるということでしょうか?というか,これは黄金聖闘士は全員持っている技能なのでしょうか?

星矢,なぜアテナの掟に背いた。まして,聖域を相手に戦うとは…。

アイオリア

聖域の掟だと思っていましたが,アテナの掟だったんですね。

シャイナを抱えて立ち去るアイオリアに対し,星矢はただ叫ぶだけです。

追いかけないんか~い。

アイオリアにペガサス流星拳を放ったりする元気があるくらいなのだから,あるき去っていくアイオリアなんて,簡単に追いつけるでしょうに。

ただ立ちすくんで叫んでいるだけだなんて…。

見張りの白銀聖闘士

反逆者の弟ということで,アイオリアは信用されておらず,見張り役の白銀聖闘士が3人付けられていました。

アイオリアも黄金聖闘士なら,見張りの白銀聖闘士の存在ぐらい気づけよ,と思います。

アルゴルたちにはアイオリアと呼び捨てにされていましたが,アイオリアの見張り役の白銀聖闘士3人組には,ちゃんとアイオリアと呼ばれるようになりました。

いくら反逆者の弟とはいえ,アルゴルたちはひじょうに失礼な輩であることが,ここからも分かります(いや,だからアイオリアが黄金聖闘士と判明する前だから仕方がないんだよ)。

とはいえ,この3人組も3人組で,は付けていても口の効き方が黄金聖闘士に対するものではないです。

こんなことを格下に言われたら,めっちゃ腹立ちます。

アイオリアはそんな格下の嫌味に対して怒りをぐっと抑える大人の対応。腹の中はさぞかし煮えくり返っているはずです。

星矢vs. 白銀聖闘士三人衆

白銀聖闘士たちが星矢を討とうとすることに文句を言えないアイオリア。

白銀聖闘士たちにいろいろと舐められていますが,黙って許可する以外に方法はありません。

とりあえず星矢は,この三人衆の技を一通り受けます。

蝿座のムスカの攻撃ですが,星矢を落としてから星矢の下に回り込んで技を放っていますが,どう見てもお互い自由落下しているようにしか見えません。

ムスカはどのようにして星矢の落下速度を上回り,下に回り込むことができたのでしょうか?

聖闘士の技によくあることですけど…。

それにしても,3人衆はそれぞれ星矢に技をかけるのは良いですが,技の途中で仲間の技をキャンセルして,自分の技を仕掛け直すなんて,馬鹿じゃないのかと…。

射手座の黄金聖衣

射手座の黄金聖衣の行方を考えている沙織は,何者かの小宇宙に呼びかけられていることに気づきます。沙織は,その小宇宙の呼びかけに従って,席を立ちます。

原作では,何の脈絡もなしに星矢のところに現れたので,TVアニメのこの小宇宙の呼びかけの追加は良いですね。

黄金聖衣装着

星矢の体を天高く投げ上げ,白銀聖闘士三人衆は早いものがちで星矢を仕留めることにしました。

星矢の体を放り投げ,3人同時に襲いかかろうとした時,星矢の体が黄金に輝きだし,どこからともなく現れた射手座の聖衣が星矢の体に装着されます。

同時に,白銀聖闘士三人衆が星矢に吹き飛ばされます。

黄金聖衣を纏っている星矢のアンダーウェアがではなく白い!!

ここでの射手座の聖衣が,ガンダムチックな聖衣ではなく,正しい形状になっています。

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