第36話『驚き!12体のゴールドクロス』の感想ツッコミ

昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。

当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。

原作でも黄金聖闘士が登場するようになって,盛り上がってきた頃ですね。

ただ,今までTVアニメの方は現存する黄金聖衣は射手座の聖衣のみしかないという前提で話が進んでいたので,どう折り合いをつけるのかな?とハラハラしながら見ていました。

目次

本編

星矢が日本に戻ってきて,グラードコロッセオの秘密基地でお互いに状況報告を試合ます。

もう一度なくなった黄金聖衣を探しに行こうとする青銅聖闘士たちですが,星矢はその場で倒れ込みます。

熱を出しています。

星矢,あなたにはしばらく静養が必要よ。翔,星矢をグラード財団の療養所に。

城戸沙織

紫龍のために無理をしてジャミールまで行ったから,体が悲鳴を上げたということになっています。

しかし本当のところは,原作との話の繋がりから,星矢には療養所に入院してもらわないと困るので,ここで星矢には入院してもらう必要があったということではないでしょうか。

教皇の間

顔見せはないですが,シャワーを浴びる教皇のサービスシーン。

ずっと座っているだけかと思いきや,密かにトレーニングに励んでいると思われるほどの筋骨隆々の素晴らしい体つきをしています。

アラクネまでが戻って来ぬとは,青銅聖闘士たちがここまで成長するとは,割れながいささか甘く見すぎたかもしれん。しかも最強の黄金聖衣,射手座の聖衣が奴らの手に渡っていたとしたら,もはや一刻の猶予も許されん…

アーレス教皇

黄金聖衣が合ったとしても,纏う資格がなければ宝の持ち腐れであることは,教皇なら十分承知していることのはずです。

射手座が黄金聖衣最強ということもありませんし…。

城戸沙織や青銅聖闘士どもは,射手座がこの世でたった一つの黄金聖衣だと思っているようだが…。やはりあの者たちを呼び寄せるしかあるまい。

アーレス教皇

いや,あんたもこれまでずっと射手座の聖衣がたった一つの黄金聖衣かのような言動しかしていませんでしたけど……。なにを今さら…。

蠍座のミロ

教皇の間には,蠍座のミロが招集を受けて登場します。TVアニメ初登場になります。

原作では,見ろの他にアイオリアもいますが,ここではミロのみです。

蠍座スコーピオンの黄金聖闘士ミロ,ただいままいりました。

ミロ

子供向けのアニメ番組ですし,原作と違ってルビをふれないので仕方がないのですが,星座を日本語読みと英語読みの2回も言った上に,さらに黄金聖闘士であることまで自己紹介しています。

当時も聞いていてまどろっこしいと思っていましたが,今聞いてもやはりまどろっこしいです。

先程より青銅聖闘士のヒヨコどもが,日本において事もあろうにショーまがいのバトルを繰り広げたことはお前も知っておろう。

教皇

この部分は原作と一緒。

そしてこのようなショーは子供だましの茶番劇に過ぎないので,気にすることもないということをミロはいいます。

確かに,ミロから見れば茶番劇に過ぎないのでしょうが,全世界に聖闘士という存在を知らしめるには十分すぎるほどの効果があったと思います。

一応懲らしめのために,同じヒヨッコの一輝という者を日本へ向かわせたが,これはミイラ取りがミイラになりおった。

教皇

ん?

原作では,刺客として送られたのは氷河だったはず。

TVアニメでの氷河の初登場回を見れば,氷河は聖域の命令で銀河戦争に参加したわけではないので,アニメスタッフとしては氷河のままでは都合が悪いのでしょう。

そして一輝が星矢たちにやられたとき,一輝は「聖域はもう…」という言葉を残しており,一輝と聖域に何らかのつながりがあったことを匂わせていました。

一輝と聖域との関係を,ここで回収するのに都合が良かったから,一輝が聖域からの刺客に変更されたのでしょう。

しかもやつらは訳のわからん小娘をアテナと仰ぎ,聖域に弓をひこうとして。こうなっては聖域の威信にも関わる…。

教皇

青銅聖闘士の分際で聖域に歯向かっているということに、半ば信じられない様子のミロ。力の差がありすぎて、無謀としか思えないですしね。

一輝がミイラになってしまったので,次に白銀聖闘士を送り込むも,これまた青銅聖闘士たちにことごとく倒されていく始末…。

たった5人の青銅聖闘士にだ!

白銀聖闘士と青銅聖闘士感の実力差は,天と地ほども差があるはずなのに,次々と倒されていってしまったという現実…。信じられないことでしょう。ミロの言い分では,過去にそのような事例はなかったようですから。

ということで,ここで青銅聖闘士たちに倒されていった白銀聖闘士達の回想シーン。いわゆる使い回しです。

それにしても,白銀聖衣って,こんなに脆かったっけ?

ことごとく粉々に砕け散っていっています。

それにシャイナは,命令も受けずに単独で身勝手な行動をしているという報告も入った。

教皇

原作では魔鈴が裏切ったという話はあっても,シャイナの話は1mmも出ていなかったはずですけど,アニメではシャイナをいろいろと使い倒しているので,シャイナが半ば裏切り者のような扱いになってしまっています。

教皇はミロに青銅聖闘士のヒヨコ5人を倒してほしいといいますが,

しかしお言葉ですが教皇。それではまるで獅子にアリを倒せというようなもの。私にも黄金聖闘士としての誇りがあります。

ミロ

現実的には,獅子にとってアリは小さすぎて,逆に倒せないような気もしなくもないですが…。というか,ライオンさんはアリなんて食べないから,倒す必要はないです。

ミロにとって,教皇が青銅聖闘士をなぜ恐れているのか,不思議でなりません。

黄金聖衣

13年前に失われた射手座の黄金聖衣が奴らの手に渡ったかもしれないからだ。(中略)13年前,この教皇に,いや,アテナに反逆を企て,聖域を追われ,抹殺された射手座のアイオロスの話を…。

そのアイオロスの黄金聖衣が,日本の城戸光政という男に託され,今まで日本に眠っていたのだ。マスクを除いて一旦は取り返したのだが,再び何者かによって奪われてしまったのだ。

それだけではない,これを見よ。

教皇

ということで,教皇の間になぜか安置されている黄金聖衣たち。

黄金聖衣は本来各宮に安置されているのですが,この頃はまだそのような設定が固まっていなかったんですよね。

聖域の人間でさえ,いや,黄金聖闘士自身にさえも,今までその数,持ち主の数は明らかにされていなかった。

教皇

黄道十二星座が黄金聖闘士であるという設定は初期からありましたし,教皇自身がそれを全く把握していないということは,いくらなんでもないでしょう。

13年前には,天秤座の童虎を除き,一堂に会していたこともありましたし,誰が黄金聖闘士なのか知らないなんて言わせません。

ここに黄金聖衣がおいてある黄金聖闘士たちは,アテナに忠誠を誓っているということにはなっているようです。

13年前アイオロスに加担し,野放しになったままになっている黄金聖闘士が二人いる。天秤座と牡羊座の二人だ。

教皇

視聴者のみなさんには,誰が天秤座で誰が牡羊座の黄金聖闘士なのか,もうお分かりでしょう。

ムウと老師の存在を,教皇とミロは知らなかったような風で話していますが,知らないわけがないだろう!馬鹿も休み休み言え!

いちいち説明するまでもない。

この2名,いくら招集をかけようとも,13年間一度も応じず,アテナに対して反逆の意を露骨に示している。

教皇

老師が五老峰を動けないのは真の教皇であれば知っているはずですし,ムウは真の教皇の弟子ですから,応じようものなら自分が命の危険にさらされることになりますから,応じるわけがありません。

事情を知らない偽物の教皇であるからこその台詞になります。

それに,黄金聖闘士なら,射手座の黄金聖衣があったとしても,纏う資格のあるものがいなければ,意味のないものであることも知っているはず…。

グラード財団療養所

美穂ちゃんが,バラの花を持って星矢の病室に行くと,星矢は病室脱走中。

入院する時は熱が合っただけのはずですが,腕にギブスをはめて,松葉杖をついています。いつの間に骨折していたんでしょう?

星矢なら,骨折していても気づかずに走り回っていそうではあります。

星矢は脱走を試みますが,美穂ちゃんが見つけて走って追いかけます。

怪我をしているとはいえ,星矢は音速で動ける青銅聖闘士,方や美穂ちゃんは一般人。森の中まで追いかけています。

美穂ちゃんは長距離走が得意で,かつ星矢が美穂ちゃんに合わせて遅く走っているとしか思えません。

再びシャイナ

その様子を,目下勝手に単独行動中のシャイナが見ていました。

逃げ回っていた星矢ですが,結局病室で寝ています。寝ているところにやってきたのは,もちろんシャイナさん。

とっさに起きて攻撃を交わす星矢。しかし星矢は美穂ちゃんに脱走されまいと縄で縛られていました。

美穂ちゃんも,なかなか恐ろしいことをする…

その縄も,シャイナの攻撃を交わす過程でいい感じに切れて…。

音速を超える攻撃だから,縄なんて簡単に切れるでしょう。それよりも,衝撃波で周りが破壊されないか心配です。

星矢は,なぜ自分ばかりがシャイナに付け狙われるのかわからないまま,とりあえずその場から逃れます。

星矢の病室はおそらく3階。

ガラス窓を突き破って外へ逃げます。

今どき病室のガラスは強化ガラスになっていて,簡単には割れないようにはできていますが,聖闘士には関係ないようです。いとも簡単に割ってしまいます。

シャイナさんから逃げ回る星矢。

前にも言ったはずだ。どんなに強くたって,本気で女の人に拳を振るうことなんか,俺にはできないってな!

星矢

星矢よ,シャイナの妹分であるガイストには,本気で拳を振るって殺してしまっているだろうが!どの口が言う!

女聖闘士は,女と扱われることを嫌います。

その基本的なことを,師匠の魔鈴からは教わっていません。

神話の時代より女神を守るのは男子と決められていた。(中略)女であることを捨て去るため,自らの顔にマスクをつけるのさ。そして,聖闘士の女子にとってマスクの下の素顔を見られることは,裸を見られること以上に屈辱的なことなのだ。

シャイナ

その辺の理屈を全く理解できないのが星矢。

5年前

TVアニメスタッフによる過去捏造の回想シーン。

シャイナの修行時代の話っぽいですが,それだとカシオスがまだ聖闘士にもなっていないシャイナに弟子入りしたことになってしまいますが,良いのでしょうか?

うさぎを追いかける星矢,しかもそのうさぎは,晩飯になるらしい。

聖闘士たちは,日々の糧を狩りをして自給しなければならないという過酷な世界らしいです。エネルギーの消耗が激しい仕事なのだから,満足な食事というものは大切なはずなのに,良いのか?これで?

女聖闘士の訓練場で,後輩たちと特訓をするシャイナ。11歳のはずですが,16歳の今の体型とそれほど変わっていません。

迷い込んできたうさぎを,マスクを外して抱き上げるシャイナさん。

そこでマスクを外してしまったのが,すべての始まりというか,食事と顔を洗う時以外,マスクを外してはいけないような気がします。

そんなところに迷い込む星矢も星矢だし,テヘペロですむ問題ではないです。

師匠の魔鈴は始末書を書かなければならないレベルです。

物心もつかない頃から,戦うことだけを教育されてきた私は,あの時,初めて人の優しさってものを教えられたんだ。

シャイナ

戦うことだけしか教えられていない聖闘士って,なんだか可愛そうです。

優しさを忘れるためにも戦いに夢中になってきただなんて…。

だからお前を殺すか…,それとも…。いや,所詮お前と私では叶わぬこと…。さあ,おしゃべりはこれまでだ!

シャイナ

どこまでも女心のわからない星矢と,超乙女なシャイナさん。

涙を浮かべながら星矢を攻撃するシャイナさんがどこか可愛らしい。それでもまだ女聖闘士の掟が飲み込めていない星矢はアホなのか…。

射手座の黄金聖衣

その頃,グラードコロッセオ地下の秘密基地では,聖域からも射手座の聖衣が消えたという大地からの情報が入ります。

グラード財団および聖域の両方から聖衣を奪うことなんて,どう考えても不可能です。

この聖衣には,私達の想像では及ばない,何かの力が働いているような気がする。

城戸沙織

それはきっと…,アイオロスの残留思念。

黄金聖闘士の残留思念って,残留思念の状態でも技をかけることができたりするので,なかなかに強力なんですよね。

獅子座アイオリア登場

その話を盗み聞きしていたのか…,というか,教皇とミロの会話が教皇の間の外まで聞こえていたということにびっくり。

いや,小宇宙で会話を聞いていたのかな?

教皇の勅命を受けてミロが立ち上がったところに,雑兵服姿のアイオリアの登場です。

その勅命を,ミロではなく自分が受けたいという申し出です。

そうか,お前も黄金聖闘士であったな。

教皇

いちいち確認しなくても,わかっているだろう。

ミロをこの場で打倒してでも,その命令を受けたいという強い申し出です。アイオリアの強い意志が強調されているので,このストーリーの改変は許せます。

ミロから,アイオリアはアイオロスの実の弟であることが明かされます。

アイオリアはこの13年間,裏切り者の弟してさんざん苦汁をなめた。あの男の頭の中は手柄を立て,兄の汚名を晴らすことでいっぱいなのだ。そしてもし,青銅聖闘士たちのもとに射手座の黄金聖衣があるならば,必死になって取り返してくるだろう。

教皇

だけど,見張りをつけられるんですよね。

信用しきれないから…。でも,見張りをつける本当の理由は,13年前の真実が知られては困るからなんだろうな…。

教皇,相変わらず腹の底の見えぬお人よ。この聖域においても,教皇に対する不信感が少しずつ高まりつつあるようだが,そのマスクの下にある素顔を見たものは誰もいない。まさに正体不明の謎のお人よ

ミロ

ということで,兄の汚名を晴らすべく,獅子座の聖衣箱を担いで日本に向かうアイオリアです。

そしてシャイナ

シャイナの攻撃から身をかわしつつ,絶対にシャイナを攻撃しない星矢。

ガイストには躊躇なく攻撃していたのにね。おかしくね?

シャイナさんは女を捨てて聖闘士になっているのに,星矢が攻撃してこないということは,聖闘士ではなく女として見られているということでもあります。

女聖闘士にとって,これほど屈辱的なことはないということが全くわかっていない星矢です。

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