ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。
天秤宮は紫龍の師匠の童虎が守護する宮なので,本来であればそのまま素通りできるはずです。
しかし双児宮で異次元に飛ばされた時に,氷河だけなぜかこの天秤宮に落とされて,師匠の水瓶座のカミュに氷の棺に閉じ込められているので簡単には通れません。
本編
天秤宮は紫龍の師匠があずかる宮なので,星矢たちも当然簡単に通れると期待しています。
星矢は足が折れているはずなのに,すでに普通に走っています。痛くてとても走れるような状態ではないはずなのですが……。
氷の棺
天秤宮に足を踏み入れた星矢たちは,そこに氷河が氷漬けになっているのを目撃します。
結構でかいです。
氷河の身長から考えて,縦横1.5m,高さ3mぐらいはありそうです。
6.75立方メートルの水をどこから調達したのかは謎ですが,黄金聖闘士は念動力を用いることができるので,どこかの池の水と天秤宮の空間を入れ替え,瞬時に凍らせたのではないかと推測します。
カミュの氷の棺は絶対零度に近いと思われますので,天秤宮の中の気温は二酸化炭素はドライアイスになり,下手をすると酸素や窒素まで液体になるレベルに冷え込んでいる可能性があります。
そんな超低温環境でも平気でいられるなんて,さすがは聖闘士です。
氷漬けの氷河を見て,氷河の小宇宙を突然感じられなくなった理由を星矢たちは悟ります。
解説するまでもなく,一目瞭然ですし。
おそらくここまでの行いができるものは,氷河の師以外いないだろう!
水瓶座のカミュ!!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P97,98
紫龍は氷河の師匠が誰かを知っていたということですね。
老師が紫龍に教えていたということも考えられますが,青銅聖闘士たちは出会ってからそれなりに時間が経っているので,つかの間の雑談でお互いの師匠自慢でもしていたのではなかなと思います。
ほのぼの雑談風景,想像中……。
氷河は死んだものと思われたものの,ほんの僅かに氷河の小宇宙を感じた星矢たち。
きっと氷河は氷の中から仲間たちの小宇宙を感じて,なけなしの小宇宙を振り絞ってとうとうしたに違いありません。
氷河を助け出せ
氷河はまだ行きているとわかったところで,氷の中から氷河を取り出さないことには始まりません。
氷の棺は溶けない不思議な氷。
黄金聖闘士数人がかりでも破壊されない氷(過去に試したことがあるのかな?)。
星矢がペガサス流星拳を放ったところで簡単に壊れるわけがありません。
老師に聞いたことがある。もしそれがカミュの作り出した棺ならば…,黄金聖闘士数人の力をもって破壊しようとしても不可能だと。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P101
紫龍は,聖闘士の知恵袋の老師の弟子だけあります。
とはいえ,氷河が目の前にいるのに助け出せないもどかしさ。
そこにいつのまにか置いてあった天秤座の聖衣箱。
おそらく老師がこっそりとテレポーテーションで運んでくれたのだとは思います。
物を運ぶ時,白羊宮からわざわざ運ぶ必要はなく,テレポーテーションで途中の宮に直接運ぶことができるようです
天秤座の聖衣
天秤座の聖衣の箱が勝手に開いて,天秤座聖衣のお目見えです。
以前老師にお聞きしたことがあるが,天秤座の聖衣は他の黄金聖衣とは大きく違うところがあるのだ。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P105
といって聖衣を脱ぐ紫龍。
そして天秤座の聖衣を手にとって,天秤座の武器について説明しつつ,武器で遊ぶ紫龍。
武器が空を切るたびに星が飛び散るそうですが,その星の元が聖衣を構成する金属片だったらヤダ。
双節棍,槍,円盾,三節棍,トンファー,剣。
それぞれ1対ずつの合計12個の武器。
つまり十二人の黄金聖闘士だけに持つことが許された武器なのだ。(中略)正しいことのために使うと天秤座の聖闘士が認めた時のみ使用できるのだ。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P107,108
一通り武器で遊んだ後に,剣を選択した紫龍。
時間がなくて先を急がなくてはならない時に,わざわざ聖衣を脱いですべての武器を試す必要はあったのか,小1時間問い詰めたい。
この中で一つだけ氷を割くのに合った武器を選ばなければ,氷の棺どころか中にいる氷河も粉々にしてしまうからな…
文庫版『聖闘士星矢(6)』P110
武器を見れば剣が適していそうだということぐらい分かりそうなものです。
剣が氷を砕くのに最も適している武器なのかと聞かれると「?」です。
双節棍や三節棍で叩き割っていったり,槍で突いて砕いていくということもできます。
剣の切れ味からして,中の氷河まで一緒に切ってしまいそうなのですが,不思議と氷河は切れません。氷河だけを残して周りの氷が砕けます。
柔らかいものを砕いて中の硬いものを取り出すことは簡単ですが,外側の硬いものを砕いて柔らかい中のものを取り出すのは,至難の技のはずですが,紫龍は剣の一振りでやってのけます。
どんな剣の振り方をしたのか…?
上から下に一振りしたと考えるよりも,下から上に剣を振り上げつつジャンプして上側を切り,そのまま背後に着地しつつ背面を氷河に当たらないよう切っていけば,なんとかできそうです。
砕いた氷が一瞬のうちに水蒸気となって消えていっているので,氷を水蒸気にするだけのエネルギーが剣から発せられたということも考えられます。
この場合,氷河が火傷しないように取り出すことが難しくなりそうです。
命に変えても必ず…
そんなこんなで氷の棺から取り出した氷河。
こ…これはまるで凍死に近い状態だ。かすかに動いている心臓も,止まりかけているぞ。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P115
絶対零度に近い氷の棺の中にいて,生きているだけでも奇跡もの。凍死なんてレベルではないはず。温度だけではなく,呼吸もできなかったはず。
双児宮のときに氷の棺に閉じ込められ,その間巨蟹宮,獅子宮,処女宮ときたわけで,少なくとも3時間は超低温&無呼吸の状態にあったわけです。
なんで生きてるんだ?
聖闘士は人智を越えた存在のようです。
火時計はすでに天秤宮の火が消えかかっています。
ここで三人固まっていてもしょうがないよ。氷河は僕が必ず助けるから。そして二人であとを追うよ。
僕の命にかえても必ず…
文庫版『聖闘士星矢(6)』P117
星矢と紫龍を先に行かせる瞬。
紫龍はいつの間にか聖衣を着ています。
冷え切った人間の体を温めるには,人間の体温が一番いいと聞いたことがある。(中略)人を倒すためでなく,人の命を救うために燃やす小宇宙があっても良いはずだ…
文庫版『聖闘士星矢(6)』P118
と小宇宙を高めて氷河を温める瞬。
文庫版では残念ながら外されてしまっているけれど,連載時は氷河と瞬が体を重ねる絵があって,思春期の私は目のやりどころにひじょうに困った記憶があります。
どっからどう見ても,薄い本が厚くなる絵です。
紫龍と星矢が天蝎宮にたどり着いた直後,瞬の小宇宙が弾けるのを感じ,嫌な予感がすり紫龍と星矢。紫龍は老師から聞いた仏説を思い出します。
さすがは聖闘士の生き字引ともいえる老師の弟子だけあって,物知りの紫龍。
倒れた旅人と助けるために,熊は肉や魚を,狐は木の実や果物を持ってきた。何も持ってくることができなかったウサギは,日の中に飛び込んで,自らを食料として旅人に与えた。
日本では馴染みのないウサギですが,ヨーロッパではウサギの肉が普通に売られています(インドや中国は知らない)。ピーターラビットのパパはミートパイにされてるぐらい一般的です。
ちなみに,私はウサギの肉を食べたことがありますが,くさみが強すぎて,日本人の口にはとてもじゃないけど合いません。食べれるところ少ないですし。
瞬の纏う聖衣も…神話において自分のみを犠牲にしたアンドロメダの聖衣…。
文庫版『聖闘士星矢(6)』P122
ということで,せっかく天蝎宮まで来たのに引き返そうとします。
蠍座のミロ登場
お前たち,この天蝎宮にまで来て一体どこへいくつもりだ!!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P124
天蝎宮に青銅聖闘士たちが来ることを今か今かと待っていたのに,やっと来たと思ったら背中を向けて引き返すだなんて…,
舐めんじゃねえよ!
とミロは心の奥底で思っていたに違いない。
そんなことされたら,黄金聖闘士としてのプライドが許すわけないでしょう。
技名は出ていませんが,おそらくリストリクションだと思います。紫龍と星矢の動きを封じてからの,スカーレットニードルで2人をふっ飛ばしています。
うけろ,スコーピオンの牙を!!
文庫版『聖闘士星矢(6)』P125
サソリに牙はないと思う。
サソリが持っているのは,ハサミと毒針ではないでしょうか。
「スコーピオンの毒針を!」の方が説得力があるような気がするのは,私だけでしょうか。
青銅聖闘士はこの二人の他にもまだ何人かいたはずだが…
文庫版『聖闘士星矢(6)』P128
何人かと言いましても,ミロの頭の中では4人で乗り込んできて,1人はカミュに天秤宮で氷漬けにされていて,そして目の前にいるのが2人なのだから,他には1人しかいないはずなんですけどね。
何人で乗り込んできているのか,宮を守る黄金聖闘士たちには報告されていなかったのでしょうか。
戦いの状況を伝える雑兵がいたり,黄金聖闘士なら小宇宙で分かりそうなものです。
そこに登場したのが,瞬を抱えた氷河の影…。
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