第35話『シャカ!神に近い男の巻』の感想

ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。

文庫版で88頁もある!長い長い長い長い!ジャンプ連載時は何話分だったんだ…?

シャカは迷言の宝庫だから,読んでいて楽しいです。

シャカに敬意を払って,般若心経をBGMにして書いてます(一応私は敬虔な?仏教徒)。

目次

本編

獅子宮の戦いでカシオスが亡くなり,つかの間の追悼です。

この男…すべてを任せろと言って俺たちを釘付けにしておきながら…まさか死ぬ気だったとは…

文庫版『聖闘士星矢(6)』P7

処女宮に向かおうとする星矢を呼び止めて,星矢の右足をテーピングするアイオリア。包帯のようなものは,おそらくアイオリアのアンダーウェアを切り裂いたものだと思われます。

でも,骨折した足がテーピング程度でどうにかなるとは思えません。

黄金聖闘士はみんな念動力が使えるから,ある程度ならアイオリアでも治せるのかもしれませんけどね。

でもやはり,骨折に対しテーピングのみでは心もとなさすぎです。

目を開かせるな

これからお前たちが向かう処女宮のシャカ!奴は最も神に近い男なのだ!ひとつだけ教えてやる。絶対にシャカの目を開かせるな!シャカの目が開かれたとき、その場にいるすべてのものは息絶えるのだ…!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P9

このアイオリアの言葉を信じたがために,青銅聖闘士は苦戦することになってしまいます。

「シャカの目を開かせるな」ではなく,「シャカは誰よりも礼儀を重んじるやつだから,やつの前では礼儀正しく挨拶をするべき!」とでも教えたほうが得策だったのではないかと思います。

アイオリアがシャカを知っているのは13年も前?のことですし,教皇の前で対峙したときにアイオリアはシャカに何の挨拶も説明もしていないから,アイオリアの辞書に「シャカへの挨拶」の文字がなかったのかもしれません。

この処女宮へはいっってくるなり,このシャカに襲いかかるとは…まるで死肉に飛びつく餓鬼のようだぞ…フフフ

文庫版『聖闘士星矢(6)』P10

挨拶もなしに襲いかかるなんて,そりゃあ,シャカも怒りますよ。

聖闘士ならば,まずは名乗ってから戦え!

名乗ってから戦うのが,車田漫画の美学だろうが!

デスマスクをふっとばした廬山昇龍覇を,シャカは紫龍の拳に触れることなく弾き返しますし,瞬の鎖も跳ね返されて,瞬を締め上げます。

それにしても,瞬を締め上げている時に,

いくかね?ポトリと

文庫版『聖闘士星矢(6)』P15

のちになって分かることとはいえ,瞬は乙女座の後継者だぞ…,ポトリと逝ってしまったら困るでしょうに……。

で,ここからの

青銅聖闘士の餓鬼たちよ,今から引導をわたしてくれる!!おとなしく餓鬼界へおちたまえ!!Ω,天魔降伏!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P16

になるわけなんですけど,小宇宙で吹き飛ばされただけです。餓鬼界になぞ落ちていません。処女宮で倒れているだけです。

(私の解釈としては,餓鬼界は地獄界の一つで,現世ではなく異世界だと思っています)

なに…血が…。返り血か…?いや,違う。何かが今飛んできたのだ。

文庫版『聖闘士星矢(6)』P22

血が流れていることに気が付かないとは…。しかも床にこぼれ落ちるほどなので,それなりの出血量です。

シャカは視覚だけでなく,痛覚まで閉じているのでしょうか。痛覚がなかったら生命活動に支障をきたしてしまうので,ひじょうに危険ですよ。自ら痛覚を遮断するのはやめましょうね。

そこにフェニックスの聖衣の羽が落ちていることに気が付きます。もちろん,目は閉じたままです。

聖闘士は小宇宙でものを見ているので,そもそも視覚なんて必要ありません。

あわせて読みたい

フェニックス一輝

一輝…,鳳凰星座の一輝か…。一体どうやってこの処女宮まで…?

文庫版『聖闘士星矢(6)』P25

謎の一つですね。

十二宮はムウでさえ宮を飛ばして移動することは不可能

とされているはずですが,ここでもその前提が崩れています。一輝が処女宮にいきなり現れています。

一輝は瞬が双児宮にいたときは,まだカノン島にいました。

双児宮から1時間強しか経っていません。

テレポートを使用しないと移動は不可能な距離と時間です。

青銅聖闘士はテレポートの能力を能力を持っていなかったと思いますが,一輝は富士の地底から生還したりしていますので,テレポート能力を持っているのかもしれません。

宮と宮間はテレポートで移動はできませんが,異次元からなら途中の宮へと直接行けるようです。わざわざ白羊宮から登る必要はないようです。

で,自分が傷つけられたからと言って,一輝を血の池地獄に落とし込むとは…。

「傷つけた者は死あるのみ」とでも言いたげな内容です。恐ろしや…。

幻覚ではないということですが,石の床を血の池に変える,石の主成分が二酸化ケイ素として,血の池は水ということで……,化学反応式が成り立ちません!

私の前にひざまずくことだ!そして大地に頭を擦り付け,この私を拝め!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P27

好きだぜ!シャカ!

ただの一般人なら「お前何様だ?」になりますが,シャカなら許せます。聖闘士としてセブンセンシズどころか,エイトセンシズまで目覚めているシャカだもの。

神に最も近い男と言われながら,めちゃくちゃ人間臭くて好きだ。

一輝の体から放つ小宇宙の熱によって血が蒸発していく

文庫版『聖闘士星矢(6)』P28

蒸発したのであれば,床に穴が空いているはずですが,穴はありません。

平らな石床になっています。

先程の 二酸化ケイ素→水 の逆の化学反応が起きたと考えるほうが自然です。床の模様まで以前のままなので,一輝の能力恐るべし。床の模様まで小宇宙で元に戻してしまうとは…!

天上天下唯我独尊

シャカは一輝が以前会ったときよりも成長していることを認めます。

そして,一輝はシャカとは以前どこかで会ったことがあることを思い出しかけます。思い出しかけたところを,シャカははっきりと思い出させます。

デスクイーン島で会っているんですよね。

一輝の脳裏に蓮の花から赤子が生まれ,「天上天下唯我独尊」などとしゃべるイメージと同時に,デスクイーン島で起こったことをすべて思い出します。

思い出した一輝…,蛇に睨まれたカエル状態…。

何しろ,思い出す時は恐怖とともに思い出すように仕組まれていたのですから。

六道輪廻

そしてシャカは,一輝にシャカとの出会いを思い出させてからの六道輪廻。

地獄界,餓鬼界,畜生界,修羅界,人界,天界。

どこに落ちるのかは神のみぞ知る?相手の魂だけを六道に送り込んでいるということで,デスマスクの積尸気冥界波とは大差ない技なのかも。

違うとすれば,積尸気冥界波と違って六道輪廻はどこに落ちるかはランダムに決まると行ったところでしょうか?

で,一輝は六道に送られて息絶えたかと思ったら,人界に落ちて戻ってきてます。

六道輪廻は,1/6の確率で人界に戻ってきてしまう技?!

人界に戻ってきたら,技としては意味ないじゃん。5/6は確実に相手を異世界に飛ばせるのかもしれませんが,1/6の確率で全く聞かない技!

しかもそのことにシャカが気づいていない!

一輝に反撃を受ける前に気づけよ。

相手が青銅聖闘士だからって,舐めすぎ…。

そして簡単に外れる乙女座のマスク(ヘルメット)。

多くのヘルメットがそうであるように,聖衣のマスクパーツもあごひもで固定しないのかと提案したい。

一輝に反撃の幻魔拳を受けても,シャカには一輝の精神攻撃は効きません。一輝は幻魔拳でシャカに六道輪廻を返したつもりだったらしいです。

おまけに,

残念だが六道輪廻とは愚かな人間が落ちる場所。神に近い私には無縁のところだ。

文庫版『聖闘士星矢(6)』P43

シャカは輪廻の輪から外れた解脱した存在だと,自分で言ってますが,冥王編まで読み勧めると,本当らしいことが分かりますね。

賽の河原

シャカに見せられている幻想の中,一輝は赤ん坊の瞬を抱いてい裸足で悪路を歩いています。

一輝と瞬の年齢差は2歳です。

瞬の体がだんだん重くなる!お…重い!これではまるで石の塊のようだ!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P46

いくら一輝が特別仕様だからといって,2才児に赤ん坊を抱き上げるほどの力なんてないし(生後3ヶ月の赤ん坊なんて約10kgだぞ),語彙が多すぎます。こんな複雑な文節使いの文章だって組み立てられないし。

せいぜい,「かしゃー(傘)」とか,「あんぱんなん(アンパンマン)」の喃語の一語文だよ。

(聖闘士星矢世界を年齢で突っ込んじゃ駄目……)

天の声の誘いにもめげず,この先に光のあるところはあるはずだと,前に進む幼少一輝。2歳時にそんなこと理解できるわけ無いって…。

鳳凰星座聖衣

さあ,そんなきみにもはや聖衣など不用だ!わたしが灰にしてやる!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P48

シャカの一撃で簡単に粉々に砕け散る鳳凰星座聖衣。シャカの拳はこぶしではありません。手を開いているので,指で弾いている程度の優しい拳なのかもしれません。

そんな優しいシャカの一撃で粉々の鳳凰星座聖衣…。

一輝の聖衣を破壊してからの,再びの六道輪廻。

一輝は六道輪廻から逃れるために,できるだけ遠くへ逃げようとします,シャカの小宇宙の及ばない範囲まで逃れようとします。だけど,聖衣もない状態で逃れようとしたところで,限界はあると思います。

聖衣をまとったシャカに対して,生身のシャカがいくらもがいたところで,速さで適うわけがありません。

たどり着いた先はブッダの手のひらの上…。結局シャカの幻惑の中で逃れているに過ぎなかったというわけですね。

結局逃れられないということが確認できた一輝は,開き直って攻撃に転じることに…。

このポジティブな開き直りっぷりは,見習いたいものです。ヤケ糞なのかもしれませんけどね。

攻撃に転じると決めてしまうと,灰になった聖衣が一輝の小宇宙に反応して復活する一輝の聖衣。原子や分子を小宇宙でつなぎ直すのかな。

鳳翼天翔でシャカを吹き飛ばしたかに見えても,ザンとほんのちょっと後退したところに着地しています。

涼風に過ぎないと言っていますが,とっさに小宇宙の防御壁で抑制しているのか,または逸しているのでしょう。

もう一回鳳翼天翔を打ってみても,全くシャカには効きません。

「聖闘士に同じ技は二度通用しない」ということを,忘れているとしか思えない一輝の行動…。

天舞宝輪

一輝よ…,きみは多少は地獄んお底を見てきた男…。(中略)きみにはそれなりの姿になってもらう必要がある。そうすれば,否応なしにもはや復活などありえん。

文庫版『聖闘士星矢(6)』P62

ここから背景が曼荼羅の世界になって,天舞宝輪という技の説明を始めるシャカ。バトルの最中でも,技の説明を自ら行うこの余裕!

技の説明なんかしたら,相手に技に対する防御を取らせる術を教えてしまうことになるし,態勢を整える準備をする時間を与えてしまうことになってしまいます。

シャカのことだから,技の説明をすることをデメリットは重々承知していると信じたいです。自分の強さに絶対の自信があるからこそ,できることなんでしょう。

ということにしておきます。

一通り技の説明が終わったところで,

シャカ開眼

第一感剥奪

触覚を剥奪された一輝。

脳の触覚を司るところを麻痺させたのだと思いますが,触覚を麻痺させただけなのに,なぜか聖衣まで破壊されてます

物理攻撃はしていないはずなのに,なぜなんでしょうねぇ…。

触覚を失っただけなのに,動くことも拳を振るうこともできないなんて,触覚だけでなく運動神経まで麻痺させたということでしょうか?

触覚と運動神経は,神経系統としては全く別のはずなのに……。

触覚の次に嗅覚を奪われたところで,一輝はシャカに質問をします。

シャカよ…,お…お前はそれほどの力を持っていながら,な…なぜ…なぜ教皇の悪に加担しているのだ…?お前ほどの神に近い力を持つ男が,教皇の本質を見抜けぬ訳があるまい…。それともおまえも教皇が開くと知りつつあえて使えている悪の片割れか…。

文庫版『聖闘士星矢(6)』P70

私が見た教皇は正義

しばらく無言のシャカ…。

きっとなにか思うところがあったに違いない。

おそらく,ここで迷いが生じ始めた?のかもしれません。

きっと,そうだ,そうに違いない。

このあと味覚を剥奪されて,喋れなくされます。

味覚を剥奪されただけで,なぜ喋れなくなるの?しゃべるのに必要な神経系は,味覚とは違いますけど…。触覚のときもそうでしたけど…。

感覚神経系と運動神経系が,ごっちゃになってます。

戦闘意欲を失わない目を見て多少たじろいだ様子を見せていることからして,やはりここで迷いが生じているとしかおもえません。その視覚を奪い,ここであのシャカの迷言が飛び出します。

正義のために戦っても悪のためになど決して戦わない!

それにこの宇宙全体の心理は,無常だということだ。完全なる悪,完全なる正義など存在し得ないのだ。(中略)

私が見た教皇は正義だ!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P72,73

完全なる悪,完全なる正義など存在し得ないというのには,激しく同意します。それでも「私が見た教皇は正義だ」ということは,どういうことなのか。

教皇の間でアイオリアと対峙した時,悪の教皇の姿に変わる場面に居合わせたはずなんですけど…。

教皇になりすましたサガの本当の本質は正義と考えられているから,間違っていないことなのかもしれないけれど…。イマイチ納得できません。

あの時は魔が差したぐらいにしか思っていなかったのだろうか…。

セブンセンシズ

すべての五感を絶ち,シャカが一輝にトドメの六道輪廻(トドメが異次元技なのか…)を放とうとしたところに,気を失った瞬が意識を取り戻して鎖を飛ばします。

何という狙いすましたかのようなグッドタイミング。

瞬が過勢しに来ようとも,

た…たとえ五感が破壊されても,そのシャカだけは俺が倒す

文庫版『聖闘士星矢(6)』P77

兄弟が故に瞬だけに聞こえる一輝の心の叫び。

これぐらいの心の叫びなら,シャカが盗み聞きできていたっておかしくはないのですが…。あえて聞かなかったというよりも,聞く必要がなかったという判断ですね,きっと。青銅聖闘士相手なので,このときのシャカは完全に舐めプですし…。

瞬はシャカから手を引き,それを確認した上でシャカは一輝にトドメを刺そうとしますが,その攻撃はどうやら精神攻撃らしい…。

そのシャカの精神攻撃を一輝がブロックして…。

そうか,幻魔拳といい,きみは肉体のみでなく精神を攻撃するのを得意としていたのだったな。五感をすべて失ったとはいえ,きみの頭脳は確かに無傷。これはいわばきみの精神から生み出された最後の抵抗というわけか…フッ

文庫版『聖闘士星矢(6)』P81

それ以前に,シャカは一輝の感覚神経も運動神経も破壊しまくっているので,医学的には既に諸仏状態レベルと言っても過言ではないのですけどね。

シャカも精神攻撃ばかりに頼らず,トドメは物理攻撃にしておけばよかったものを…。

よかろう。ならばその最後に残されたキミの頭脳…第六感までも今破壊してくれる!!天舞宝輪!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P83

天舞宝輪って,第六感破壊技だったんだ…。

第六感を持たない一般人には通用しない技?

そんな技は嫌だ!!w

天舞宝輪を受けて倒れる一輝。心臓のみが動いているという脳死状態。(その後一輝が復活することを考えると,脳細胞が破壊されたというよりも,麻痺しているだけの状態なのかも…。物理攻撃のほうが確実だと思ったのは,私だけではないはず…)

ですが,なぜか心の声を届けることができる一輝。ついに第六感を超える第七感を体得するに至ります。

おまえが目が見えないわけでもないのに,常に目を閉じているのは小宇宙を増大させるためだと知った!!(中略)

だから俺も自分の六感のすべてをあえてお前に消してもらったのだ!!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P87,88

シャカが目を閉じている理由を,あっさりと一輝に見破られているし…。

(でも多分きっと,シャカが目を閉じている理由をアイオリアは知らない…)

しかもどんどん小宇宙が大きくなって,シャカの小宇宙を超えるまでに…!

で,一輝の小宇宙がシャカを超えたことに驚くのは良いけれど,驚きすぎてスキを見せてしまい,一輝に背後を取られるって,黄金聖闘士としてどうなのよ?

舐めプにも程がある!

お…愚かな。自分の命を捨ててまで相手を倒すなど,そんな勝利に何の価値がある?や…やめろ,2人とも粉々に消し飛んで一片の肉も残らないぞ!

文庫版『聖闘士星矢(6)』P89

一輝とともに十万億土の彼方まで…。

ムウの手を借りたとはいえ,その後何ともなかったかのように戻ってきたので,とっさにシャカが小宇宙でバリアを張って,異次元空間に逃れることによって難を逃れたのではないかと考えています。

肉体だけが異次元空間に消さったということなのか,聖衣は処女宮に残っています。

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