第33話『龍虎激突!光なきドラゴンの涙』の感想ツッコミ

昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。

当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。

この回は,TVアニメ版が原作に追いついてしまったために挿入されたオリジナルストーリーになります。

星矢たちと別れ,目の治療のために五老峰に戻った紫龍の話。

アニメスタッフによって,老師の弟子が勝手に増やされています。

目次

本編

春麗が外で薬草をすりつぶして,紫龍は…,なぜかベッドで寝ています。

確かに戦いで体はぼろぼろかもしれませんが,中国へ発つ前は普通に歩いていたはずです。目が見えないだけで…。

自暴自棄になる紫龍

紫龍は悪夢にうなされています。

アルゴルとの戦いに勝利するも,暗闇の中,仲間たちの声だけが紫龍に届きます。

だけど,紫龍には声は聞こえども姿が見えません。

見えん。俺には見えん。待ってくれ星矢。俺には何も見えん。

紫龍

紫龍はアルゴルの幻を見て,夢から覚めます。

原作の紫龍は,こんなに弱い人間ではなかったはずですけどね。オリジナルストーリーを入れないと話しが持たないので,人間の弱さを出さざるを得なかったのだと思います。

春麗が五老峰の森で取れた目にいい薬草をすりつぶして作った薬草も,飲むことを拒否します。

素人が薬草を配合して人に与えることは,法律に違反していないか心配になりますが,紫龍と春麗のいるところは中国。中国の田舎なら何でもありなイメージがあるので,きっと問題ないのでしょう。

春麗,君の気持ちは嬉しいが,俺にはもう構わないでくれ。

老師ですら,俺の目を治す手立てをご存じなかったんだ。そんな薬草は気休めにしかならないのは,君も知っているはずだ。

紫龍

紫龍は春麗が作った薬を拒否します。

個人的には,素人が作製した薬なんて,怖くて飲めません。

紫龍に断られた春麗がちょっと切ない。

老師は確かに聖闘士の知恵袋的存在ではありますが,聖闘士の戦いの知識は豊富でも医学的知識はないと思います。医学的知識は,ムウの方がむしろありそうです。

家の中が映し出されますが,家の中でリスが餌を食べてます。

五老峰は自然が豊かなところなので,家の中に野生の動物が入り込むことなんて日常的なことなのかもしれません。

そんな紫龍でも,春麗から星矢の言葉を聞くと心を取り戻すようで,仲間意識の強い人だということが分かります。

でもやはり見えなくて,春麗から薬草の入った湯呑を受け取ることができずに落としてしまう紫龍。

小宇宙だ!聖闘士なら,小宇宙を燃やして小宇宙でみるんだ!いつもやっていることだろ!

音を頼りに,アマツバメ?を撃ち落とす練習をしていますが,全然拳が当たらずに落ち込みます。

動物虐待反対!

音ではなく,いつもどおり小宇宙に頼れと言いたい。

駄目だ。これでは相手の気配を感じることはできても,動きを見切ることはできん。このままではいつまで経っても星矢たちのもとには戻れん。どうすれば良いんだ…。

紫龍

アルゴル戦では,アルゴルの動きを小宇宙でしっかり見切っていたのに,何を今更…。戦いの最中は小宇宙が最大限に高まっていたから見えていたということを忘れてしまったのでしょうか。

紫龍は戻ってこれるのか

一方その頃,紫龍から何の連絡もないことに心配を募らせる沙織。鋼鉄聖闘士たちは五老峰に出向こうかと進言します。

こいつら,偵察活動を行っているのかな?

青銅聖闘士たちは青銅聖闘士たちで,紫龍の目が治って戻ってくると信じている星矢と,紫龍の目は諦めろと言い切る一輝との対立が深まっていきます。

一輝がここにいることに違和感を感じてしまうのは,原作ファンだからでしょうか。

この状況で紫龍の目が治ると信じている星矢は楽観的すぎですが,そもそも聖闘士たちは神経伝達速度を超える速度でもって戦っているので,視覚に頼る必要なんて全くありません。

小宇宙で見ているものを,視覚で見ているのだと錯覚しているだけだと思います。

フン,お前たちの甘っちょろい友情話にはもううんざりだぜ。これだけは言っておく,怪我人を連れて相手できるほど,聖域は甘くないぜ。

一輝

一輝の言うとおりです。

瞬と氷河は紫龍の目が治るとは思ってはいないようですが,立ち直って戻ってくるということは信じています。

聖闘士の戦いに,視力は関係ないですし。

フフフフ…。星矢,俺はお前の言うようにやはり一匹狼。俺は俺の方法でやらせてもらうぞ。

一輝

原作での一輝は基本単独行動ですので,アニメスタッフも何らかの方法で一輝を青銅聖闘士たちと引き離すことに必死です。

老師すら治療方法がわからないと言っているのに,星矢は自分の手で紫龍の目を治すと言い出します。

だがもうひとり心当たりがある。ジャミールのムウは不思議な力を持った人だ。あの人なら,なんとか出来るかもしれない。

星矢

原作ではムウが星矢を担いで富士の地底から救い出しているので面識がありますが,TVアニメではムウと星矢の間にはまだ一切の面識がありません。面識があるのは弟子の貴鬼だけです。

原作の流れとごっちゃになっているような気がします。

ということで,すぐにジャミールへ行こうと飛び出していく星矢。

どうやって行くつもりなんだろう?

一輝を誤解したまま行って欲しくないの。

彼も本当は紫龍のことを心配しているのよ。ただそういうことをうまく言えない人なの。それだけは分かってあげて。

沙織

星矢と意見がぶつかって他の青銅聖闘士たちと袂を分かつことは,これで2回め?かな。

その後は一輝の方に焦点を当てて,一輝の独り言な言い分をシーンに入るところまで,前回と一緒です。

五老峰の瀑布

春麗が紫龍を家から連れ出して,瀑布の滝壺まで散歩してきました。

春麗に手を引かれていたとはいえ,目が見えないのにゴツゴツした岩場を普通に歩けるなんて,さすがは聖闘士です。

春麗のサービスシーン

春麗が全裸になって,滝壺で泳いでいます。

時々トビウオのように水上にジャンプしてはまた飛び込んで……。

そんな泳ぎ方,オリンピック選手でもできませんから!

沙織同様,13歳にしてはかなり成長した大人に近い体型をしています。

なお,滝壺や川で泳ぐのは超絶危険ですので,良い子は決して真似をしないでください。

春麗は一般人のように見えて,実はすごい能力の持ち主です。修行したら,いい聖闘士になりそうな逸材の気がしてなりません。

君が居てくれるおかげでどれだけオレの心が慰められたか。ありがとう,春麗。

紫龍

岩場が多くて危険な場所。予測できない流れの渦ができる場所。

さすがの春麗も渦に巻き込まれて流されて…,岩にぶつかりそう……。

だから滝壺で泳ぐのは危険だっつうの!

紫龍は春麗の身に何かあったことを察して立ち上がりますが,何も見えません。聞こえません。

この状況…,春麗は水中にいるのだから,目が見えていても探すことなど不可能。

そしてなんとか水面に顔を出して叫び声をあげる春麗。紫龍は春麗の叫び声を頼りに探しますが,何分目が見えないものですから,岩場でコケます。

小宇宙で物をみることが出来るようになるまでの道は長い。

王虎登場

春麗のピンチに駆けつけた男…,王虎の登場です。

春麗には王虎の服がかけられていましたが,絶対春麗の裸を見たと思っています。

まずは自己紹介。

そうだ。お前とともに五老峰の龍虎と呼ばれ,老師のもとで修行した王虎だ。

王虎

修行時代から龍虎と呼ばれているとは,わりと近所付き合いがあるのですね。

川中の岩場に飛び移るのに,ジャンプしたときにわざわざキックやパンチのシャドウをする必要ある?

まさか忘れてはいまい。俺との約束をな。

王虎

修行時代の回想シーン

幼い王虎が葉っぱのついた小枝を口に咥えて町を闊歩しています。

おまえはドカベンの岩城かーーっ!

大人は怖がって逃げていくのに,町のガキ大将共は怖いもの知らずで王虎に食って掛かります。子供だからでしょうね。

そんなガキンチョが聖闘士の修行をしている王虎に敵うわけはなく,一方的にやられていくわけです。

木の塀だけでなく,レンガの壁を崩すまでに相手を投げ飛ばして…。

こんな子供のどこにそんなパワーが?

挙句の果てに命乞いをする相手を井戸に投げ飛ばして殺してしまうなんて…。

警察に捕まって少年院に打ち込まれるレベルのことをしているんですけど,聖闘士の世界は治外法権なんですか。

王虎は老師が留守中の間,何をやってもいいという考え方のようですが,真面目な紫龍はちゃんと言いつけを守り,山を降りて喧嘩を売ることもないし,無断で試合をすることなんてしません。

というか,老師は大滝の前で座したままで,出歩いたりすることはしません。TVアニメの老師はちょくちょくでかけているようですが…。

王虎がけしかけても紫龍は全然乗ってこないので,面白くない相手です。

そしてその様子を木の陰からじっと見守る老師の姿。二人を試しているんでしょう。

王虎破門

確かに技ではお前は紫龍に勝るとも劣らんだろう。だが技ではない!今のお前ではどんなに修行しようと,龍星座の聖衣を身に纏うことはできん。

童虎

聖闘士は地上の愛と正義を守るための存在であるのだから,そこかしこに喧嘩を売るような奴は,意思を持った聖衣が認める訳ないですから。

俺は必ず戻ってくる。そのときこそ紫龍,お前と決着をつける!

王虎

という約束を紫龍として,王虎は去っていきます。

年端も行かない子供が一人で生きていけるのかという疑問もありますが,聖闘士になるための修行を通して自給自足生活出来るような術は身についてしまっているような気もします。

何しろ,ムウ様は7歳にしてジャミールで一人生活できていたぐらいだし…。

王虎の場合,その辺で恫喝をして金や食料を巻き上げて生活していそうです。

紫龍 vs. 王虎

旅に出た俺は,破門した老師を憎み,お前から龍星座の聖衣を奪い返すため一人で血を吐くような修行を積んだ。

王虎

逆ギレしていますし,どこをどう考えても努力の方向が間違ってます。

いますよね,こういう人。

だが,技を磨くためにさまよい歩くうち,もう,聖衣など…,どうでも良くなった。俺は自分より強い者がいるのが許せんのだ

王虎

それダメ人間のフラグだから…。

殺気に満ちた小宇宙というのも,駄目な小宇宙だから。

聖闘士星矢の敵として「力こそすべて」のキャラは多いですけど,こいつもその一人です。

猛虎烈風紫電拳!

王虎

名前の通り風が起こって,電気が発生しています。

風を起こした摩擦で電気が発生しているのでしょう。

紫龍が技を受けて体が崖にのめり込んでいっているときに,春麗が意識を取り戻します。そして,紫龍は目が見えないことをバラしてしまいます。

今のお前は俺の知っている紫龍ではない。お前の小宇宙は戦う前から怯え,輝きが失せていた。これ以上戦うまでもない。すでに勝負はついている。

王虎

戦う気力のない相手と戦う気がない王虎って,戦人としてはいい人ですね。

王虎に自分の状態を見抜かれてしまったことに,紫龍はショックを受けています。図星を突かれたら,人間誰だってそれなりに動揺します。

紫龍お願い。戦いを忘れて静かに暮らしましょう。きっと星矢さんたちも分かってくださるわ。たとえあなたの目が治らなくても,あたしがあなたの目の分かりになって,一生そばに付いています。お願いそうして,紫龍。

春麗

春麗のですね。

何度も視力を失ったり死にかけたりはしていますが,さすが青銅聖闘士一のリア充の紫龍です。彼女の支えがあるからこそ,何度も立ち上がれるのでしょう。

老師も,紫龍が立ち直るのをじっと待っています。

老師の愛情も深い…。

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