第31話『幻魔!生死のデッドライン』の感想

昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。

当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。

原作では,この回でで登場した白銀聖闘士が先に倒され,後からアルゴルが倒されますが,TVアニメ版ではすでにアルゴルが先に倒されています。

アニメでは時間稼ぎのオリジナルストーリーとの兼ね合いから,原作とは白銀聖闘士の倒される順番が変わっています。

やや作画崩壊気味…。

目次

本編

氷河と瞬が沙織と星矢の元に到着し,ジャミアンとシャイナが崖下に落ちていったところに白銀聖闘士が2人登場するところからです。

氷河・瞬 vs. カペラ・ダンテ

城戸沙織は俺たちが聖域に連れて行くぜ

ダンテ

戦う前に自己紹介をするのが聖闘士の礼儀!

地獄の番犬座のダンテと御者座のカペラです。2人共10代のはずですけど,30代にしか見えません。

彼らは城戸沙織を聖域に連れて帰るという使命を受けただけなので,本来ならば青銅聖闘士と戦う必要はありません。

白銀聖闘士も青銅聖闘士も,彼らの辞書に「交渉する」などという文字は存在しませんので,単純に言い分が通らなければ戦いあるのみです。少しは頭を使えと言いたいところですが,そのような教育を受けていないので仕方がありません。

ダンテは特に気が短いらしく,交渉が決裂すると分かるとすぐさま鋼球を投げてきます。

そんなダンテの鋼球を受けた瞬は「無意味な戦いはやめて,聖域に帰りますか」と交渉を諦めてはおりませんが,白銀聖闘士に聞く耳というものはありません。

なにしろ,相手は格下の青銅聖闘士ですもの。

ほざけ!お前ら皆殺しにしてやるわ!カペラ,手加減は無用だ!!

ダンテ

あれ?城戸沙織を連れて変えることだけが使命で,青銅聖闘士討伐は命令されていなかったはず…。命令違反では……?

ダンテの言葉にのるカペラもカペラです。早速ソーサーを投げてますし…。青銅聖闘士の方がまだ大人の対応をしています。

ここで登場する白銀聖闘士は2人とも武器聖衣の装飾品を使って攻撃をする聖闘士ですね。

道具を使うこの白銀聖闘士2人に対し,氷河は何もできず,瞬1人で応戦しています。

この頃の氷河は,まだフリージングコフィンで氷の防御壁を作るなんて言う芸当はできなかったから,仕方がないです。

ダンテの攻撃を瞬はすべて防ぐことはできずに足を取られます。

氷河はカペラのソーサーをダイヤモンドダストで凍らせますが,1発だけ抑えられずに背後からソーサーで狙われます。

襲ってくるソーサーを空中で凍らせたところで,ソーサーの運動エネルギーまで抑えることはできないのではないでしょうか。ソーサーを止めるだけの風を起こしていたのなら,カペラまで飛んでいなければおかしいです。

氷河も結局ダンテの鋼球の鎖に囚われてしまいます。

ダンテは2人を空中で回し,そのまま崖下へと投げ捨てます。

鎖でつないだ2人をぶん回している段階で,普通の人間なら遠心力で失神していてもおかしくありませんし,かかったGで亡くなっていても不思議ではありません。

こんな状況で意識がはっきりしているなんて,さすがは聖闘士です。

崖下に落ちたジャミアンは頭を打って死んでいるようですが,瞬と氷河は鎖が途中で引っかかったらしく,2人仲良く背中合わせの状態で助かっています。

鎖のちょうど真ん中が引っかかるなんて,なかなかの奇跡です。

一輝登場

邪魔者は片付いたという事で,沙織お嬢さんに迫る白銀聖闘士の2人。

沙織もおとなしくアテナの小宇宙を発動させていれば,白銀聖闘士2人が無駄に死ななくてもすんだのではないかと思わずにはいられません。

なんだ?この小宇宙は?

とてつもなく強大な小宇宙を感じるぞ…!どこだ!?

ダンテ・カペラ

自然落下の法則を無視してゆっくりと上空から舞い降りてくる一輝。

一輝は青銅聖闘士でありながら,やはりすでに念動力を体得していると思わざるを得ません。テレポーテーションもすでにマスターしているようですし…。

名乗るほどのこともない。地獄を何度も見てきた男とだけ言っておく

一輝

いや,聖闘士なら戦う前に名を名乗れ!聖闘士の礼儀だ。

一輝が戻ってきてくれたことに沙織は喜びますが,「助けに来た」と素直に言えないことが一輝の良いところ。

青銅聖闘士の分際で,格上の白銀聖闘士に上から目線で物申すところも,一輝の良いところ。

一輝のパンチはどこからどう見ても前方に繰り出しているのに,なぜ一輝と白銀聖闘士2人の間に横一直線の線が引かれるのか,最大の謎である。しかもかなり長い。

我々がここを去るまでこの線からこっちへ入るな。入ったやつは命がないぞ。

一輝

一輝に完全に舐められている白銀聖闘士の2人。

格下の青銅聖闘士にこんなことを言われてしまっては,白銀聖闘士のプライドがただじゃあおかない。しかもこいつら2人は気が短いときていますから,速攻戦闘態勢に入ってしまうのは自然の流れです。

というか,これ,完全に一輝が白銀聖闘士を2人を挑発しているだけですから…。

散々挑発しておいて,「早くしないと星矢が危ない」なんて言って立ち去るだなんて,白銀聖闘士が許すわけ無いでしょう。

一輝の挑発にのってしまったカペラはラインを越え,一輝から鳳凰幻魔拳を食らうことに…。

青銅聖闘士の動きはせいぜいマッハ1。白銀聖闘士はマッハ2~5ぐらいあるはずなので,青銅聖闘士の拳ぐらい簡単に避けられそうなものです。

青銅聖闘士が相手だということで,防御する気も避ける気もなかったとしか思えません。

一方その頃…

崖下に落ちていった氷河と瞬が意識を取り戻します。

鎖が枯れ木に引っかかっていたおかげで助かっていたということで,その状況からの脱出を試みます。

ただ,何分にも枯れ木なので…,お約束どおり途中で気が折れるというハプニングが起こり,お約束どおり瞬が鎖を岩の出っ張りに投げて絡めて助かるという…。

状況は以前より悪くなったように見えるけど,瞬が鎖を伸ばしてゆっくりと降りればいいのではないかと第三者的には思ってしまうのです。

一輝 vs. ダンテ

たかが青銅聖闘士と思っていたが…,名を名乗れ!

ダンテ

ここでようやく名乗る気になった一輝。

戦う前の自己紹介は,聖闘士というか,車田漫画の美学ですから名乗りましょうね。

鳳凰星座…,あのデスクイーン島の…。

ダンテ

デスクイーン島の暗黒聖闘士を青銅聖闘士がたった1人で制圧したということを知っているのは,勅命に従って討伐に出向いたシャカだけであると考えられますので,シャカが聖域に戻って報告した噂が広まったのだと考えられます。

ということで,これまで舐めプだったダンテが本気を出し始めます。

本気を出したところで,やることは鋼球を投げることだけなんです。鎖のコントロール力は瞬の方が上ですね。

一輝は鋼球を掴んで,ダンテと綱引き状態に……。

鳳凰星座よ,この線を超えると死ぬと言ったが,それはお前も同じこと。貴様こそその線からこちらへ入れば死ぬのだ!いわばこの線がお互いの生死を分けるデッドラインよ!

ダンテ

ここは売り言葉に買い言葉。

デッドライン

先攻はダンテ。無数の鋼球を一輝に向けて飛ばしますが,一輝は一撃でそれらの鋼球を粉々に砕きます。

一輝の腕に絡みついていた鎖も,なぜかブチ切れます。

白銀聖衣なのに強度は青銅聖衣以下のようです。

白銀聖衣の強度設計は一体どうなっているのでしょうか?白銀聖衣の鋼球や鎖が青銅聖闘士ごときに破壊されたら,そりゃあ,ダンテでなくても驚きますわな。

車田漫画によくあるパターンですが,ダンテが驚いて膠着している間に,デッドラインを越えてダンテの背後を難なく取ってしまいます。

俺はデッドラインなど何度となく越えてきた。鳳凰星座の翼によってな。

一輝

格上の白銀聖闘士相手に舐めプができるのは,一輝ぐらいなものです。

ダンテの攻撃を交わしつつ鳳翼天翔でダンテをふっとばします。

鳳翼天翔

鳳翼天翔がアッパーカット技だなんて,はじめて知りました。

廬山昇龍覇と何が違うの?

カペラのみる夢

一輝が星矢と沙織を連れてこの場を離れようとした時に,カペラが復活してきます。

カペラの投げるソーサーが一輝の首をはねたかのように見えます。

首をはねたはずの一輝がカペラに向かっていって,恐ろしくなったカペラはさらにソーサーを投げますが,今度は腕をはねます。しかし帰ってきたソーサーをカペラは受け取ることができず,ソーサーはカペラを襲います。

なかなかグロいです。

夢など幻など,そんな生易しいものではない。お前が最初に受けた拳はただの拳ではない。カペラ,お前の精神はあの時すでに完全に破壊されたのだ。あれこそ鳳凰星座の誇る幻魔拳だ。今のお前は生ける屍に等しい。

一輝

これはこれで遅効性の技のように見えますが,途中で復活してきたらあまり意味がないようにもみえます。

しかも聖闘士の精神技って,時間が経つと麻痺から回復してピンピンしていることも多いような気もします。なぜか白銀聖闘士を除いて…。

そんなやり取りをしている間に,カペラが最初に投げたソーサーが戻ってきて,カペラは受け取ることができずにこれを喰らい自滅します。

それを受け取ることもできないほどに神経が破壊されているようにも見えないのですが,青銅聖闘士にしてやられたという精神的ショックの方が大きいのでしょう。

ちなみにカペラが経験したこの幻は,ソーサーを投げて戻ってくるまでのわずか数秒の出来事らしいです。

近くて見ていた沙織には,何が起こったのかさっぱりわかりません。

カペラのソーサーは実際にはカペラの手首を切っていないはずなのに,倒れ込むカペラの手首が切れているのはなぜでしょう?

ダンテ再び

一輝が星矢を担いで,沙織とともに立ち去ります。

背中を見送りながら,ダンテが起き上がってきます。

このままでは白銀聖闘士の名折れ。死んでも死にきれん。

ダンテ

年下&格下の青銅聖闘士に負けては,確かに恥ずかしい。

最後の力を振り絞って投げた鋼球を,一輝は星矢と沙織お嬢さんを守る形で受け止めます。

一輝を絡め取ったところで,ダンテは2発目の鋼球を飛ばします。

そこは崖下から這い上がってきた瞬の鎖が妨害。

瞬,後は任せる。氷河,星矢を頼むぞ。じゃあな。

どこへ行こうと俺の勝手,俺は群れるのが嫌いといったはずだ。瞬,さっきやられた相手を倒してみろ。もっとも,片足棺桶に突っ込んだのも同然のやつだがな。

一輝

一輝兄さんのこういうところは好きです。素直じゃないところも。

ただ,立ち去りながらの台詞なので,背後にいる人は聞こえないはずです。しかしそこは聖闘士。おそらく小宇宙で会話をしていると思われますので,瞬にもダンテにもしっかりメッセージは届いています。

瞬 vs. ダンテ

やってみなければわからないよ。特に聖闘士の場合はね。二度と同じ技を食わないのが,聖闘士なんだから。

こう言われてムキになっているダンテは,白銀聖闘士なのに同じ技を何度も食らっている心当たりでもあるのでしょうか。

鎖対鎖の戦いです。

白銀聖闘士の誇りにかけてなんてダンテは言っていますが,冷静さを欠いている時点で負けは確定です。

驚くことはないよ。いくら君の鋼球が強力だからといって,強大な小宇宙パワーがあればこそ。今の君の小宇宙では,歯が立たないさ。まして,僕のこの星雲鎖にはね。

要は小宇宙です。

星雲鎖で谷底へ落とされるダンテ…哀れ……。

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