ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。
本編
金牛宮は静かです。何も小宇宙を感じません。
黄金聖闘士にとって,小宇宙を消し去ることも,爆発させることも,お茶の子さいさい簡単にできることのようですね。黄金聖闘士が小宇宙を消し去っている状態は,青銅聖闘士にとって小宇宙を感知することはできないのですね。
金牛宮を青銅聖闘士たちが走り抜けようとした瞬間,壁があるかのように弾き飛ばされます。
金牛宮
勝手にこの金牛宮をとおりぬけることは許さん!この牡牛座のアルデバランがな!!
文庫版『聖闘士星矢(5)』P40
この台詞は,玄田さんのお気に入りらしいですね。アルデバランらしさを表しているとか。
牡牛座のアルデバランということで,その命名法からして深く考えられていないことは明白ですね。なんの捻りもなく,牡牛座のアルファ星の名がそのままつけらつけられているなんて,アルデバランがどのような扱いを受けるキャラなのか,名前から予想がついてしまいます。
星矢が流星拳を放っている間に,紫龍たちに金牛宮を抜けるように言います。しかし,星矢の流星拳がアルデバランにあたってもびくともせず,逆にグレートホーンで弾き飛ばされる始末。
星矢にはあたっているように見えても,アルデバランは実は光速で避けていたという可能性が捨てきれません。なにせ,光速の動きができる黄金聖闘士ですから,星矢の目には移っていないだけなのかも。
居合の構え
どうしても通りたければ,このアルデバランを倒すことだ。
文庫版『聖闘士星矢(5)』P42
そう言ってアルデバランは腕を組みます。
たかが青銅を相手に,露骨なファイティングポーズをとる必要もあるまい。このままでも十分おまえを倒せるわ!
文庫版『聖闘士星矢(5)』P43
余裕ぶっこいてます。
聖域十二宮編の黄金聖闘士は,基本舐めプですしね。
腕組みをした状態から,アルデバランは脅すような形で,星矢をわざと外す攻撃を仕掛けます。
星矢には攻撃が全く見えていません。実力差がありすぎて。光速で拳を繰り出したときの衝撃の割には,石壁の崩れ方が少ないような気もしますが,気にしないことにしましょう。
あいつにとってあの構えこそがすでに攻撃態勢になっているのか…。ま…まるで居合だ。そうだ,日本の剣法にある居合斬りのようだ…
文庫版『聖闘士星矢(5)』P44
幼少で日本を離れてしまった星矢が,どこで居合斬りを知ったのか。魔鈴さんが居合斬りを教えてはいますが,実際の居合斬りを見たわけではないですよね。
グレートホーンと居合斬りの共通点を見抜く当たり,星矢の格闘に対する才能が垣間見えます。
グレートホーン
それでも果敢にアルデバランに向かっていく星矢。今度はアルデバランは星矢に向けてグレートホーンを放ちます。星矢はグレートホーンを受けて吹き飛ばされます。
星矢の体は2つほど石壁をぶち抜いて,3つ目の壁で止まります。
壁は粉々に砕けて穴が空いているのに,星矢の体は無事です。ダメージは受けていますが,骨すら折れていません。流血すらしていません。
聖闘士の体って,一体どうなっているんだ?!?
そしてもう一発グレートホーンを食らって,壁を1枚ぶち抜いて,次の壁で止まります。
グ…グレートホーン…。ま…まるで全身の骨がばらばらになったようだ…。
文庫版『聖闘士星矢(5)』P49
あれだけの攻撃を食らっていながら,骨がばらばらになったような気がするだけで,実際にはバラバラになっていません。本当に聖闘士の体はどうなっているのでしょう?
小宇宙を燃やすことによって,相手の攻撃を相殺でもしているのでしょうか。
おそらくその聖衣,ムウに修復してもらったものだろうが…なまじ強度になったのがかえっておまえの不運…。本来なら聖衣はくだけ,おまえも一思いに死ねていたものを…
文庫版『聖闘士星矢(5)』P49
アルデバランはムウが青銅聖衣を修復したという事実を知っているんですね。
アルデバランが踏みつけようとした足を星矢が掴みますが,アルデバランは構わず星矢を踏みつけます。星矢の体ごと石の床にのめり込みます。
相変わらずダメージを受けるのは石で,星矢は傷を負いません。
一体聖闘士の体はどうなっているんでしょう?
剣を抜け
星矢の感覚がなくなっていきます。
意識朦朧とする中,星矢は魔鈴の言葉を思い出します。
居合の剣は鞘に収まっていてこそ次の攻撃にでる態勢をそなえていられる。一度鞘から抜いてしまった剣はその効力を失う。いわば死に剣なのさ。剣を抜かせるんだ…牡牛座の拳を…
文庫版『聖闘士星矢(5)』P53
10歳で星矢の師匠になっている魔鈴が,どこで日本の居合斬りを知ったのかはわかりません。魔鈴は武術の天才であることを,ここからもうかがい知ることができます。
意識を失いながらも,師匠の言葉を思い出す星矢もすごいですね。勝利をもぎ取ろうと常に考えていなければ,できることではありません。
ここで小宇宙を燃やす星矢です。
絶望的な状況でも,一縷の奇跡を信じて小宇宙が燃やせるのが,青銅一軍たちのすごいところ。見習いたい。
グレートホーンを封じるためには,おまえの拳を抜かせる以外ない!居合の剣を封じるのと同じようにな…
文庫版『聖闘士星矢(5)』P55
ここでも星矢はひたすら流星拳です。
しかし音速の星矢の拳は,光速の動きを持つ黄金聖闘士にとっては亀のごとし。しかし星矢の小宇宙はとどまることを知らず,ビッグバンを起こします。
宇宙は非常に高温高密度の状態から始まり,それが大きく膨張することによって低温低密度になっていったとする膨張宇宙論(ビッグバン理論)における,宇宙開始時の爆発的膨張。
Wikipediaより
ここでのビッグバンの使い方はたぶん違う。
ま…まさかヤツの体の感覚が著しく衰えたことによって小宇宙が増大したのた…。つまり五感の一つの触覚が失われたことによって,その分セブンセンシズである小宇宙が兄弟になったのだ。
文庫版『聖闘士星矢(5)』P60
五感を失うと小宇宙が増大する説
思わず腕組みを解いて拳を抜かされてしまったアルデバラン。
黄金の角
次はその黄金の角をへし折ってやる!
文庫版『聖闘士星矢(5)』P62
星矢の突拍子もない発言に,
そんな奇跡的なことがおまえにできたら,俺はあっさりと敗北を認めてくれるわ
文庫版『聖闘士星矢(5)』P63
こういうことが言えるアルデバランはいい人ですね。
そもそも,そんな事ができるわけがないという考えが根底にあるわけなんですけど。
そして3回目のグレートホーンを星矢にぶちかますアルデバラン。聖闘士の技は2度通用しないはずですが,3回も通用してます。
またしても金牛宮の壁は壊れても,星矢の体は壊れません。
傷つき倒されるたびに,星矢の小宇宙は増大しているのか!?
(中略)
教皇のおっしゃられる通り,聖域に対し反逆を企てるものだとすれば,今ここで倒しておくしかない!!
文庫版『聖闘士星矢(5)』P66
アルデバラン,めちゃめちゃ焦ってるやん。冷や汗かいてるし。
それにしても青銅聖闘士たちは,死に直面するたびに小宇宙が増大していますね。たぶん,
臨死体験すると小宇宙が増大する説
でもって,アルデバランは聖夜に対して4回目のグレートホーン。
グレートホーンの威力が弱いのか,星矢の耐久力がとんでもないレベルなのか。
たぶん,星矢の耐久力が人知を超えているレベルだからだと思う。石壁をぶち抜いても平気だなんて,もはや人間ではありません。
さすがに4回目はぶっ飛ばされません。グレートホーンの威力を手のひらで跳ね返そうとしています。
グレートホーンは光速です。光速の動きを持つ物体のエネルギーなんて,手のひらでとめられるような代物ではありません。細かいことは,考えてはいけません。アルデバランが言うには,星矢の動きが高速に近づいているということだそうです。
流石に抑えきれなくて飛ばされますが,それでも星矢は立ち上がります。
星矢の背後にペガサスのオーラ。
星矢の小宇宙が極限にまで燃え上がっているということらしいです。流石にグレートホーンを4回も受けた星矢は,グレートホーンを見切ったようですね。
折れた黄金の角
焦りまくりのアルデバランは5回目のグレートホーンを放ちますが,星矢はグレートホーンを見切ってしまっているので,グレートホーンを跳ね返し,上空にジャンプ。
(光速の動きを持っているのに)うかつにもアルデバランは星矢を見失います。しかも星矢の小宇宙を感じ取ることができなかったという間抜けぶり。
アルデバランが星矢を見失って焦っている間に,星矢は上空から角めがけてチョップ。
いやあ,まいった。俺の負けだ星矢,ハハハ…。この牡牛座の角をへし折った男など,おまえがはじめてだ。
文庫版『聖闘士星矢(5)』P82
牡牛座の角どころか,黄金聖衣を傷つけた聖闘士なんて,星矢がはじめてではないでしょうか。
潔く負けを認めるアルデバランは,さっぱりした性格のいい人であることが分かりますね。
しかも,金牛宮を通ることまで許してくれます。
戦い終わって,星矢がピンピンしているのはなぜでしょう。あれだけの戦いをしたのなら,フラフラのはずですよ。ま,そこは星矢だし。
星矢の戦いが終わる頃を見計らったかのように,他の青銅聖闘士たちが起きてくるというのも,なんだかなぁ……。
なにはともあれ,星矢たちは次の宮を目指すことになります。
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