第28話『決戦の時の巻』の感想

ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。

いよいよ黄金聖闘士が次から次へと登場してきて,物語が面白くなってきました。

目次

本編

アイオリアが教皇の間に乗り込んできたところに現れたのは,乙女座のシャカ。何をしに来ていたんでしょうね。黄金聖闘士が教皇に呼ばれる機会なんてそうないはずだと思います。

こうなることを予想してシャカを呼んでいたのか,本当にたまたまなのか。

シャカvs.アイオリア

アイオリアが教皇に襲いかかったからには,その場でアイオリアを倒すようにシャカに命令する他ありません。

シャカは何も見ていないので,言われたままにアイオリアを倒そうとします。

同士討ちを命じるなんて,少しは疑問に思わなかったのかと ,小1時間問い詰めたい。

やむを得ん……,なんて言ってないで…。

そしてアイオリアはアイオリアで,

シャカよ,事情を説明している暇はない!お前こそ,この場は引け!

文庫版『聖闘士星矢(4)』P273

と,シャカの説得を試みる気は全くないらしい。シャカだって,聞く耳ぐらいあるのだから,落ち着いて説明すれば良いのに……。この先聖戦をともに戦うことになる仲間なんだから。

黄金聖闘士の我ら二人が戦えば,お互いこの場から消滅することになるか…千日戦争になるのかのどちらかだ。

文庫版『聖闘士星矢(4)』P273

ここで千日戦争という概念がはじめて出てきました。

黄金聖闘士はしょっちゅう内ゲバで仲間同士戦っていたりしますが,お互いが消滅したことなんてないし,千日戦争になったこともありません

シャカの繰り出したパンチをアイオリアが手のひらで受け止め,アイオリアのパンチをシャカが手のひらで受け止めます。千日戦争の形になっています。足はお互いの蹴りに備えて牽制状態。

シャカがパンチを出したのは,おそらくこの1回だけです。シャカもパンチを出すんですね

一旦組手を外して離れるものの,何故かお互い必殺技を出すことに……。

迷いは去った。もはやアイオリアを葬るのに何のためらいもない!天魔降伏!死すべしアイオリア!!

文庫版『聖闘士星矢(4)』P280

シャカよ,少しは迷え!仲間だぞ。

というわけで,天魔降伏とライトニングボルトが相殺し合います。

五老峰

畑仕事に精を出す紫龍です。中国の田舎なら有り得そうですが,紫龍の14歳という年齢を考えると,立派な児童労働です。

私は今,生まれてはじめて生きる喜びを味わっています。朝日とともに起き,日没とともに休む。そしてこの中国の悠久の大地をたがやす喜び。紫龍はこの五老峰の土となるつもりです。

文庫版『聖闘士星矢(4)』P284

おいおい,14歳が言うセリフではないでしょう。

とはいえ,ここまでに2回も死にかけているし,失明までしているのだから,聖闘士が嫌になってしまってもおかしくはないですね。しかも守るべきアテナが沙織とあってはね。

あの沙織お嬢様の日毎に大きくなっていく小宇宙に…気が付かんとは子どもよの,紫龍。

文庫版『聖闘士星矢(4)』P284

アテナ=城戸沙織

という情報を老師はどこで仕入れたのでしょうか。ここから動けないはずですし。紫龍から聞いて知ったのか…,でも老師は銀河戦争のことは知っていそうだからな。

しかし五老峰に迫りくる強大な小宇宙

クッククク。老師,お久しぶりでございます。老師,あなたに対して拳を向けることは恐れ多いが,これも勅命…。お命頂戴する。この黄金聖闘士蟹座のデスマスクが!!

文庫版『聖闘士星矢(4)』P287

お久しぶりって,一度は会ったことがあるということですよね。

老師はこの場から離れることができないので,デスマスクの方がかつて老師に会いに来たということがあるということですよね。聖闘士になった時,挨拶に来ていたのかもしれませんね。

老師の危機が迫っているとあらば,紫龍だってじっとしてはいられません。無謀にも,割って入ります。

しょせんは青銅。黄金相手に敵うはずはなく,紫龍の蹴りはデスマスクが指一本で防いでしまいます。聖闘士星矢では指一本で技を防ぐシーンが多用されますが,突き指しないのか心配になってしまいます。

それにしても紫龍の身体をそのまま指一本で支えてるデスマスクのバランス感覚も見事です。そのまま紫龍を持ち上げて,指一本で紫龍を攻撃して,紫龍をたちツボに突き落とします。

黄金聖闘士の光速の動きなら,指一本で紫龍を切り裂くことなんて余裕です。

フッ,雉も鳴かずば撃たれまい。しゃしゃり出てきたのがお前の不運…。さて,本来私が討たなければならない相手はあなただ,老師,いや…黄金聖闘士十二人のひとり…,天秤座の聖闘士!!

文庫版『聖闘士星矢(4)』P293,294

イタリア人なのに,「雉も鳴かずば撃たれまい」なんて言葉,よく知っていましたね。

ここで老師のことを天秤座の”聖闘士”と言っています。童虎ではありません。この段階ではまだ,老師の名前は決まっていなかったと考えられます。

これから正義の話をしよう

正義と悪の定義など,時の流れによってまるで変わってしまうものなのだ。それは過去,幾多の歴史が証明している。ナチスの正義然り,日本軍の侵攻然り…。分かりますか老師。教皇の行いも今は悪と見えても未来においては正義とされる。

文庫版『聖闘士星矢(4)』P297

聖闘士星矢の世界観的には許されないことですけど,デスマスクは世の中の真理を付いています。大人になってわかる,デスマスクの正義。現実主義的です。

馬鹿者め。真の正義はどんなに時が流れようと不変のものじゃ!

文庫版『聖闘士星矢(4)』P297

老師のこの言葉も心理ではあります。ただ現実問題として実現が難しいので,理想主義ともいえますね。

滝壺になんか落とされたら,普通はそのまま死んでしまいますが,そこは聖闘士です。しかも滝壺には龍星座の聖衣が安置されています。落とされたついでに龍星座聖衣を身にまとって,昇竜のごとく滝壺から紫龍復活です!

ほざけ!老師のおっしゃられるとおり正義は不変のもの。それさえわからぬ貴様こそ,黄金聖衣を纏う資格はない!

文庫版『聖闘士星矢(4)』P298

老師とデスマスクが正義談義をしていた時,紫龍は滝壺の中だったはずです。どうやって会話を聞いていたんでしょう?

昇竜の如く復活して,そのままデスマスクに廬山昇龍覇を食らわします。

乙女座のシャカよろしく視力を失っている紫龍は小宇宙が鍛えられて,いつもの昇龍覇より威力がアップしています。デスマスクをたじろがせるほどです。

ついついデスマスクは本気になってしまって,積尸気発動。

デスマスクが本気になっても,まだ老師は動くことができません。どこかに隠れていたのではないかと思うぐらいタイミングよく助け舟というものはくるものなんです。

まちなさい,デスマスク。青銅相手に黄金のあなたが本気になるなんて,大人げないじゃないですか。それにその紫龍は私の知己……。むざむざと討たせるわけにはいかない

文庫版『聖闘士星矢(4)』P304

ムウ様が黄金聖衣を纏って登場した時は,妙な色気があって歓喜したものです。初期の頃は,聖衣の隙間から鎖骨と胸筋が見えていて,腕にもしっかり筋肉線が描かれていました。話が進むにつれ,これらの線がムウから消えていきました。

決戦の時が来たということだ。聖域の教皇と,日本におられる女神とのな。さあ,どうするデスマスクよ。戦いの幕を私とお前の一戦で開けるか?

文庫版『聖闘士星矢(4)』P305

デスマスクは,黄金2人も相手にするほどバカではないと言って,滝の中に消えていきます。宙を歩いています。デスマスクも超能力がそれなりに仕えることが分かりますね。

女神もこの十三年間で見事に成長され,教皇との戦いを決意された由。しかも,たったおひとりで聖域に乗り込まれるとか。

文庫版『聖闘士星矢(4)』P308

絶対どこかで聞き耳を立てて聞いていただろう。

東シベリア

ヤコフの買い物に付き合って,ヤコフの運転する犬ぞりでついで氷河のマーマの眠る場所までつれてきてもらっています。マーマの命日だということで,手にしているのは花束です。

ヤコフはマーマに会いに行く氷河を置いて,先に帰っていきます。

今,強大な小宇宙を感じたが…気のせいか…

文庫版『聖闘士星矢(4)』P310

いや,気づけよ。お前の師匠の小宇宙だろ。氷河が師匠の小宇宙に気づかないわけ無いだろ。

氷河…時局は切迫しているというのに…あいも変わらず死んだ母親に花を手向けに行っているとは…その唯一の御前の弱点を今から断ち切ってやる。この師自らな!!

文庫版『聖闘士星矢(4)』P311

といって海底地震を引き起こして,難破船を海溝深くに沈める師匠。かなり強大な超能力の持ち主ですよ。

氷河が海から上がると,師匠からのメッセージ。ロシア語でもギリシア語でもなく,何故か英語で書かれています。

ヤコフ,すまないが食事を一緒にすることはできなくなった。再びこのキグナスの聖衣を纏ってしまった以上…

文庫版『聖闘士星矢(4)』P315

一緒に食事をすることはできなくても,挨拶ぐらいはしろ!ヤコフがかわいそうじゃないか。

いざ出陣

星矢はたぼ立つ前に,星の子学園を訪れています。どうやら星矢は星の子学園にペガサス聖衣を預けていたようです。

星の子学園にとって星矢は卒園生とはいえ,荷物を預かる義理はないはずです。

預けてくれなきゃ児童労働で訴えてやる!といって脅したとか。そうでなきゃ,聖衣なんて危険物を預かりたくなんてないです。ましてや星矢なんて聖域からつけ狙われている身なんだし。

そこは美保ちゃんが神父さんに黙ってこっそりと自分の部屋に…。

星の綺麗な夜に星矢とあっています。星の子学園の門限はどうなっているのか。美保ちゃんは保護児童兼職員ということでおお目に見られているのかな。

美保ちゃんのいう青春を楽しむってことが,今の若いヤツらの姿と思ってんなら(中略)逆に自分本来のものを何一つ持たず(中略)青春を浪費してるだけなんじゃないかなと…。(中略)この広い宇宙の中の一つの生命として(中略)よほど充実しているんだよ。

文庫版『聖闘士星矢(4)』P317,318

ん〜,充実してるっていうか,戦いの中でしか自分の存在価値を見出していないような…。

城戸邸では自家用ジェットでの出発の準備ができています。

この飛行機で一気にギリシアまで飛べるとはとても思えないので,途中何度か給油しながら行くのでしょうね。グラード財団へ世界企業のようだから,あちこちに私設空港がありそうです。

辰巳も剣道の防具を着て参戦です。背中のパンダ柄が柄に合ってなくて,笑いを誘います。しかもTONGTONGと書かれているのが,時代を感じさせますね。

そこに紫龍と氷河も参戦です。

どうやってここまで来たのでしょうか。しかも時刻ピッタリ。その情報はどこから仕入れたのでしょうか。紫龍はムウから聞いた可能性もありますが,氷河はどうやって知ったのでしょうか?たまたま空港で氷河と落ち合ったにしても,確率は低いです。

星矢,紫龍,氷河はともかく,瞬に関しては約束していたようです

ジュネさん

鞭打たれる瞬です。瞬の彼女?のカメレオン座のジュネさんが,瞬が聖域に行くのを必死に止めようとしています。瞬は裸にサスペンダーで,どういうファッションセンスをしているんだか。

テレポートの出来ない青銅のジュネさんが,どうやってアンドロメダ島からここまで来たのかはわかりません。

連載当初は生足でしたが,単行本になった時は流石にタイツを履いてくれました。

それにしても,自分は聖衣をまとって生身の瞬に鞭打つって,本当に瞬のことを想っているのでしょうか?

ジュネにとっては,敵に殺されるぐらいなら,いっそ自分が…,と思っていたのかな。

男子にとって,その命をかけて戦わねばならぬ時があるのです!!

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