ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。
ほぼ死に設定となっている聖闘士カードの回です。聖闘士カードのお話は,この回と次の回と第24話にしか出てきません。わずか3回しか登場しない死に設定のカードです。
本編
死体遺棄罪よろしく白銀聖闘士たちが建てた墓にふと疑問を持った星矢。こんな砂浜の波打ち際にはかなんて建てるかね,普通。ちょっと波が荒れただけで……,それ以上考えるのはよしておきましょう。
せっかくムウが富士の地底から俺たちをテレポーテーションさせて救い出してくれたというのに…,いや…,俺たちだけでなく瀕死の暗黒聖闘士までも… by 星矢
文庫版『聖闘士星矢(3)』P221
ここで暗黒聖闘士というところに思考がおよび,何かに気がついたかのように墓を暴き始めます。
先ほど海岸まで降りてきて,星矢とミスティとの戦いを見届けた羊師弟ですが,ここでまた崖の上に戻ってしまっています。ムウ様のことですから,テレポートで移動したんでしょう。
墓を掘り始めた星矢を見たムウは,何かを悟ったかのようにジャミールに戻ることにします。真の聖闘士であるという確信を持つに至ったのかもしれませんね。落ち着いている時のムウ様は,見る目があります。
聖闘士カード
ミスティ以外の白銀聖闘士は先に聖域に戻っているはずなのです。
ミスティが戻ってこなければ残りの白銀たちも必ずこの場に戻ってくるはず。by 星矢
文庫版『聖闘士星矢(3)』P223
こいつらがどこかで待ち合わせをしているとは考えにくいです。しかし,教皇に報告する際は勅命を受けたものが一緒に報告をしなければならないと考えれば,聖域のどこかで待ち合わせをしていると考えるのが妥当かもしれません。
星矢はペガサスのカードをさっと取り出してミスティの上に置きます。
どこに持っていたそのカード!聖衣の裏にでも聖闘士カード用のポケットでもついているのでしょうか。だとすると,攻撃の当たりどころが悪ければ,そこら中に聖闘士カードを撒き散らすことになりやしませんか。
ケンタウルス星座バベル
なにか虫の知らせでもあったのか,バベルが炎に包まれながら戻ってきます。登場の仕方からして炎を操る聖闘士であることがバレバレです。ミスティの様子を見に来るためだけに,小宇宙を燃やす必要はなかろうに……。
ミスティがペガサスに倒されたことに,バベルがショックを受けているところに飛んできたのは
白鳥星座の聖闘士カード!
炎に対するはやはり氷だよな,うん。というわけで,
ケンタウルス星座バベル vs. 白鳥星座氷河
という流れに当然なりますよね。
バベルは氷河を倒したと思いこんでいます(実際に葬ったのは黒鳥)。でも実際には倒してはいないのだから,氷河にとってバベルは初見。
聖闘士の中でもそうとう力のある者は,敵を幻惑させる技を持っていると聞いたことがある。黒を白と思い込ませたり,ガラスをダイヤモンドと錯覚させたりする技だが…,どうやらおまえたちはそれにかけられたらしいな。by 氷河
文庫版『聖闘士星矢(3)』P228
はい,ムウ様の仕業ですね。何しろ,黄金聖闘士ですからね。
それにしても,そんなことで白銀聖闘士ともあろうお方が動揺してはいけませんぜ。動揺しまくりのバベルと,冷静な氷河がなかなかの好対照になってしまっているではありませんか。
怒りのままに氷河に炎の攻撃を仕掛け始めます。最初は,まぁ,お約束どおりジャブのような攻撃から始まり,技の解説をした上で,必殺技に入ります。
バベルの技は,空気の摩擦で炎を生み出しているようです。
どこかに油でも隠し持っているとしか思えません。そのようなことをしないと,炎なんて生まれませんから。空気中のどこに炭化水素があるんじゃい!
そんなバベルの必殺技を,たかが青銅聖闘士の氷河が炎を凍らせてしまいます。
炎を凍らせるということも,なかなか謎な現象です。炎は燃焼反応です。気体です。それがどうやって炎の形のまま凍るのか。温度が下がれば燃焼反応が起きなくはなりますが……。
一瞬で燃焼反応がストップし,気体が固体に変わってダイヤモンドダスト状態になるのなら,まぁ,理解できなくもないかもしれないです。
ち…ちがう,こいつ,この間とどめを刺した白鳥星座とはまるでちがう…by バベル
文庫版『聖闘士星矢(3)』P235
白銀聖闘士と青銅聖闘士ではその実力に神と虫けらほどの違いがあるはずですが,これは一体どういうことなんでしょう。白銀聖闘士とはいえ,その実力は大したことがないのか,それとも星矢たち青銅聖闘士一軍の力がすごいのか……。
対して激しい戦闘をしていないのに,この勝負,あっさりしすぎです。
最後は氷河の必殺技一発で,勝負がついてしまっています。
たしかに聖域から逃げ切るなんてことは不可能だろう。だから逃げるつもりなどないさ。敵が来るならどこまでも戦い抜くだけだ…。心の小宇宙が燃え尽きるまで。by 氷河
文庫版『聖闘士星矢(3)』P237
氷河の覚悟を決めた感が半端ないです。
氷河はまた,仲間を探しに砂浜を歩いてどこかへ立ち去っていきます。多分,そこかで休憩するつもりなんでしょう。
戻ってきた白銀聖闘士たち
戻ってこない仲間を不審に思って戻ってみると。自分たちがとどめを刺したのは青銅聖闘士ではなく暗黒聖闘士であることを知った白銀聖闘士たち。
流星の後を追ったのは魔鈴の指示であるし,ペガサスに止めを刺したのも魔鈴であるので,魔鈴に疑いの目が向くことになります。魔鈴に説明を求める白銀聖闘士たちです。
説明を求めるまでもなく,人の心を読む猟犬星座アステリオンが魔鈴の代わりに説明してくれちゃっています。親切な方ですね。それにしても,天下の黄金聖闘士をムウ様と呼ばずに呼び捨てとは,あとで怒られやしませんかね。
アステリオンが魔鈴の心を読んではモーゼスに伝えてしまうため,魔鈴の攻撃がモーゼスに当たりません。当然,アステリオンにも当たりません。ことごとく阻止されます。
白銀聖闘士は音速を超える動きを持っているのに,次の攻撃を声に出して伝えるなんて,矛盾してますね。魔鈴の動きを超える伝達手段を持っていなければ,攻撃を食らった後に次の攻撃が伝えられることに成ってしまいます。
魔鈴の攻撃がことごとく阻止されて,結局モーゼスの必殺技を食らってしまうわけなんですが。
モーゼスの脊髄損傷レベルの攻撃を背中にまともに食らっているんですけど……
このような攻撃を食らっても脊髄損傷しないのは,さすがは聖闘士です。聖衣に守られていないところに食らっても大丈夫なのも,さすがは聖闘士です。
魔鈴の小宇宙が大きく弾けて小さくなったのに気づいて飛び起きてしまった星矢。
爆睡していても,小宇宙は常に周囲を探知しているのですね。
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