第21話『男の勲章の巻』の感想

ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。

目次

本編

白銀聖闘士が浜辺に勝手にお墓を立てて,自分たちが討ち取った聖闘士を埋めてしまっています。

許可なく死体を埋めることは犯罪です。死体遺棄罪であること間違いなしです。そのような法律があることなんて,この人達は知らないでしょうし,関係ないのでしょうけどね。

星矢たちが聖域から命を狙われるのは,このときの白銀聖闘士たちの言葉からわかります。

星矢…,紫龍…,瞬…,氷河…,以上四名,みだりに私闘をくりひろげ,聖闘士の掟を破った。よって,女神の名のもとに,青銅聖闘士の称号を剥奪し,ここに葬るとする。

文庫版『聖闘士星矢(3)』P176,177

白銀聖闘士たちは,教皇からの命令で青銅聖闘士たちを討伐に来たに過ぎないです。後のストーリーを知っているものからすれば,教皇に騙されていたにすぎません。

1名足りないことに気が付きますが,鳳凰星座は富士の地底深くに埋まっているということになっています。でも,一輝は鳳凰星座だけあって,どんな状態になっても復活してくる男ですよね。

でも,ミスティはなにかに気がついている様子……。ミスティって,なかなかの実力者なのかもしれません。

他の白銀聖闘士たちが聖域へと戻ろうとしている時に,気になることがあると言って残ります。

幻惑

ミスティは,魔鈴の空拳に騙されてはいませんでした。ムウの幻惑には気づいていないようですけどね。

同じ階級の白銀聖闘士である魔鈴にはだまされないけど,黄金聖闘士のムウの幻惑を見破ることはさすがに実力差がありすぎてできなかったということでしょう。

ミスティが星矢の墓を叩くと同時に,星矢が墓から飛び出してきます。生き埋めにされると,自力で脱出することは難しいと言うか,不可能なんですけど,そこはさすがの聖闘士ですね。

しかもミスティからの衝撃が自分のダメージになる前に砂の中から飛び出してきています。小宇宙で気配を感じて,飛び出したのでしょう。

砂の中から出てきた星矢に,魔鈴が与えたダメージはありません。魔鈴はその場にいる全員に,幻惑をかけたんでしょう。ムウには効かなかったけど,貴鬼には効いてしまっていたから,貴鬼はまだまだ修行不足ですね。

それはそうと,ムウ様と貴鬼は,いつの間に崖の上に移動したんでしょう?

痛みなど知らない

ミスティは指一本で星矢を吹き飛ばした後,星矢を醜いと吐き捨てます。

本当の強さとは,敵の攻撃など一度もくわずに倒すことをいうのだ。自らは一滴も血を流さずに勝利を収める。それが真の勝者だ。その証拠に,このミスティは痛みというものを知らない。一度も敵の拳を受けたことがないからだ。

文庫版『聖闘士星矢(3)』P186

ミスティは,血を流すことなく,拳を受けることなく,どうやって聖闘士の修行をしたんでしょうか。拳を受けたことがないといっても,受け身の練習はするでしょうし,最初の頃は失敗ばかりしているはずだと思います。

相手との実力差が大きければ,相手の攻撃を受けることなく先に倒すことは可能なのでしょうけど,ミスティは弱っちい相手としか戦ったことがないのでしょう。

それにしても,ミスティの修行時代が気になります

防御壁

星矢の流星拳を,ミスティは防御壁を張って防ぎます。防御壁を最初から身につけていたのなら,相手の拳を受けることはないのでしょうけど,それでもやはり最初は失敗していたと思うのですけどね。

黄金聖衣…?フッ,お前らはあれが本当に黄金聖衣だと思って戦っていたのか

文庫版『聖闘士星矢(3)』P198

そういえば忘れていましたけど,黄金聖衣はどこに行ったのでしょう?ムウ様のことだから,黄金聖衣も一緒にテレポートさせたとは思いますけど,どのコマにも描かれておりません。

きっとそのうちひょっこり出てくるのでしょう。

そして星矢としては,師匠の魔鈴のことが気になります。

教皇の名に背いたことにより,制裁を受けるだろう。聖域の制裁は死に決まっているがな……。

文庫版『聖闘士星矢(3)』P199

こんな組織は嫌だ,命令に背いただけで死刑だなんて。

私は美しい

ミスティは星矢を必殺技のマーブルトリパーでふっ飛ばします。そのさい,返り血を浴びます。

返り血が…汚らわしい………。海の水で洗い流そう…。このミスティの体には,ホコリ一つついてはならん。

神よ,私は美しい

ミスティは聖衣を脱ぎ捨てて,海に入ります。浜辺には,海に向かって聖衣が転がっていますが,アンダーシャツが転がっていません。下着はどこに脱ぎ捨てたんでしょう?海に入った姿はスッポンポンですし。

脱ぎ捨ててある聖衣の下に,目立たないようにこっそりとパンツとか隠してあるんでしょうか。

リアルタイムで星矢を呼んでいた時は,思春期真っ只中でした。友人とネタにしつつも目のやり場に困った記憶があります。

夜が明けて,朝日の光で局部が隠されているという形にはなっていますけどね。

自分の美に酔いしれる,なかなかのナルシストキャラですね。

ミスティの体には,ホコリ一つ付いてはならんと言っていますが,このあたりの海は,そんなにきれいではありません。排水処理施設が発達してきた現在は,昔よりはきれいですけど……。

それに,海で体を洗ったところで,塩でベタベタになって気持ち悪いです。ミスティは海を知らなかったのか?

[rakuten id=”goodlifestore:10056536″ kw=”聖闘士聖衣神話APPENDIX リザドミスティ”]

痛み

ミスティが海で裸で体を洗っているところを,星矢が海から這い上がってきます。星矢にとって,海の中はさぞかし痛かったに違いありません。何しろ,暗黒聖闘士との戦いからぶっ続けで戦い続けていますから,全身傷だらけのはずです。

全身の傷から塩がしみてきて,痛いことこの上ないと思います。雑菌も入ってきそうで,怖い。

海から上がったミスティは,上半身は裸に聖衣です。海に入る前は上半身はシャツを着ていました。海に入った後,シャツをタオル代わりに使ってしまったのかもしれません。だから,着ていないのかも。

聖闘士に同じ技は二度通用しないにもかかわらず,星矢は馬鹿の一つ覚えのごとく流星拳を繰り出します。でも,一発だけミスティにあたって,ミスティは血を吐きます。そしてたった一発で,ヒビが入る白銀聖衣。

男にとって体の傷は勇気の証。いわば男の勲章だ!傷の痛みをひとつも知らないお前なんかに,勝利はありえないぜ!!

文庫版『聖闘士星矢(3)』p201

傷は確かに勇気の証かもしれませんが,なにか勝算があっての行動ならという前提が会っての話ですよね。何も考えずに突っ込んでいくのは,ただの馬鹿です。

奇跡を起こす

崖の上に移動したムウ様と貴鬼が,ミスティと星矢の戦いを見守ります。

ムウ様は,貴鬼にミスティの防御技について冷静に解説をしています。このような実践を見る機会は多くないはずなので,貴鬼にとっては貴重な体験になっていることでしょう。ムウ様の解説は,貴鬼への教育の一貫ですね。

ジェット気流のようなものを起こして攻撃を跳ね返しているそうですが,攻撃を跳ね返すほどの空気の流れができていたら,天候に変化を与えて嵐が起こっていてもおかしくなさそうですが……。

貴鬼は手に汗握る感じで観ていますが,ムウ様は冷静です。アテナの聖闘士として,星矢の力量を見極めているのでしょう。

さらには星矢が流星拳を応用して彗星拳を生み出したときも,冷静に貴鬼に解説していますね。黄金聖闘士だけに,白銀と青銅の戦いを解説するのは,造作も無いことでしょう。

ミスティは驚きながらもさらにマーブルトリパーを星矢に放ちますが,星矢は両手でマーブルトリパーを押し返そとします。避けません。普通は避けるだろ。

避けるほどの体力が残っていないのか,両手で技を受けて防御しようと考えたのか。聖闘士の優劣はまとっている聖衣で決まるものではありません。星矢の小宇宙がミスティを超えればいいだけのこと。

星矢の小宇宙はミスティを超え,マーブルトリパーを跳ね返します。

星矢の小宇宙に驚いているうちに,ミスティは星矢に背後を取られ,そのままペガサスローリングクラッシュへ。

ミスティ,呆然としすぎ!そんなんじゃ,冥王軍となんて戦えないぞ。

二度も海に落とされて俺は知った。お前を倒すには海の底以外にはないとな…

文庫版『聖闘士星矢(3)』P215

この後,海にかなりの血が流れます。描かれてはいませんが,海の中でも戦いが続いていたのですかね。

ムウと貴鬼が崖から降りて,戦いの決着を見に来ました。

星矢のいうとおり,私は戦いに傷つくのを恐れていたのかもしれない。しかし星矢は傷どころか命と引き換えにしても勝利を求めた。フッ,それが星矢の勝利に繋がったのか……。

文庫版『聖闘士星矢(3)』P217

こんな言い訳を,誰かに伝えたかったのでしょうね。戦いの一部始終を見ていたムウになら,こんな言い訳じみた事を言って許されるとでも思っていたのでしょうか。気持ちはわからなくもないですけどね。

命と引き換えにしても勝利を求めるほどでなければ,アテナの聖闘士を名乗る資格はありませんな。ハーデスとの戦いの前に,そのような聖闘士は淘汰されて然るべきだったのでしょうな。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次