ツッコミ,感想,ネタバレありです。ネタバレO.K.の方のみ御覧ください。古い作品なので,ネタバレも何もないかもしれませんが,一応忠告しておきます。漫画の話とわかっていても,科学的に突っ込みたくなることってありますよね。
本編
アンドロメダ瞬が暗黒アンドロメダを倒したところを暗黒ドラゴンが見届けています。
星矢が持っていた腰と右脚,暗黒アンドロメダが持っていた腹,瞬が持っている左脚に暗黒ドラゴンが持っている胸が加わり,これらをかけて暗黒ドラゴンと瞬が戦うことになります。しかしそこに,紫龍が右腕を持って登場します。
遅れて登場する紫龍に喜ぶ瞬です。
貴鬼がペガサス聖衣を運んできた時間と,紫龍がムウとともにやってきた時間にそれほど差はないように思います。紫龍が目覚めてから運んでも良かったのかもしれません。
しかし戦いが始まる時間が迫っていたために,ムウは貴鬼を先に行かせたのでしょう。ムウが決戦の場所と時刻をどこで知ったのかは謎ですけどね。
一輝からの知らせが来たのは紫龍が日本を発った後です。紫龍もどこで決戦の場所と日時を知ったのでしょうか。
伏竜に気をつけろ
紫龍は暗黒ドラゴンは自分に任せろといいます。瞬は崖下に落ちた星矢を助けに行くといいます。
そのちょっとしたやり取りの間に,鎖が異常な動きを示します。暗黒ドラゴンのいる方角ではなく,明後日の方向に防御の陣を張って危険を知らせています。
ただひとつ,伏竜に気をつけて!!
文庫版『聖闘士星矢(2)』P308
普段は龍の字を使っているのに,ここはなぜか竜の字を使っています。特に意味はないとは思いますが,どうせなら龍に統一してほしかった。
瞬はそう言い残して星矢を助けに崖下へ降りていきました。紫龍は伏竜の意味を考えます。
6年間も日本を離れていた瞬が,伏竜なんて言う言葉をよく知っていましたね。中1で伏竜という言葉や意味を知っている子なんて,そんなにいないと思います。
暗黒ドラゴンは星矢を助けに行く瞬の気持ちが理解できません。
ムダなことと分かっていてもせずにはいられない……それが友情というものだとは思わんか
文庫版『聖闘士星矢(2)』P310
暗黒ドラゴンは闇に同化します。紫龍もそれに合わせて闇に同化します。
同化するって,どういう意味ですか?ただ気配を消すだけではないんですか?!?
聖闘士は小宇宙の燃焼したら存在がバレるし,小宇宙を消したら攻撃できないじゃん。同化って,どういうことなんだろう?
闇からの攻撃
紫龍は闇の中から攻撃を受けます。攻撃者は闇の中のままですが,紫龍は闇の中から姿を現しています。闇に同化するのは,集中力がいるのでしょう。
紫龍は闇の中でも正確に攻撃を仕掛けてくる暗黒ドラゴンを不思議に思います,なにか仕掛けがあるはずです。注意深く観察します。
攻撃してくる中に,右,左と何かを支持する声が聞こえます。
こ…これではまるで目の見えるものと見えない者の戦い…相手の姿が見えない以上勝負にならぬ…
文庫版『聖闘士星矢(2)』P313
紫龍はふとここで瞬の残した伏竜という言葉の意味に気づいたようです。声のする方向と攻撃を仕掛けてくる方向が微妙に違います。
瞬も伏竜なんていう難しい言葉を使わずに,もっとわかりやすい言葉を選べば紫龍はもっと早く気付けたのではないかと思います。
攻撃を受ける中でも頭が回るのは,さすがは聖闘士です。
伏竜の存在に気づいた紫龍は,伏竜を先に倒します。
伏流は暗黒ドラゴンの兄でした。目の見えない兄が暗闇では目となって相手の位置を弟に教えていました。
瞬の鎖の防御本能に助けられたと紫龍は言っています。瞬のアドバイスが無ければ,紫龍は伏竜の存在に気づけず,苦労していたかもしれません。
かすり傷一つで死する今の俺にとって,なんとありがたいことか。今更ながらムウに感謝するぞ!
文庫版『聖闘士星矢(2)』P318
ムウが修復した新生聖衣に感動するのは構いませんが,今の自分の体調を敵にばらしてどうするんですか!
暗黒龍星座対紫龍
伏竜を倒したことで,正真正銘の1対1の龍星座対決になります。
きみと私の実力差がどれほどあるか,この指一本できみをふっとばしてみせよう
文庫版『聖闘士星矢(2)』P321
相当な自信です。その根拠のない自信はどこから来るんでしょうか。現実社会にもこういう人はいますけどね(えっ?私のこと?)。
この地上に信じられるものなど何もありはしないからな。何かを信じたためにいつも人は傷つき,葬り去られてゆくのだ
文庫版『聖闘士星矢(2)』P322
この暗黒ドラゴン,相当辛い人生を歩んできたのでしょうね,裏切りの連続だったのでしょう。血を分けた兄すらも信じ切ることができないようです。愛情も感じられないようです。
ネグレクトに合ったり,虐待にあったり,人を信じようとしても裏切られ続けてきたのでしょうね。友達だと思っていた人にも裏切られ続けたのでしょう。
それゆえ暗黒聖闘士に堕ちていってしまったのかもしれません。なんとも悲しい人生です。
紫龍の攻撃を軽々と交わす一方で,紫龍の攻撃は暗黒龍星座になかなか当たりません。
暗黒ドラゴンの攻撃で傷一つつかない聖衣を見て,暗黒ドラゴンは気づきます。
一度破壊され,死に絶えた聖衣を再び蘇らせるには,大量の聖闘士の血を必要だと聞いたことがある。ま…まさか紫龍は…
文庫版『聖闘士星矢(2)』P327
暗黒ドラゴンは聖衣を甦らせるために大量の血が必要だということを知っていました。しかし紫龍は,ムウの元を訪れるまでそのことを知りませんでした。
暗黒聖闘士が知っていて,正規の青銅聖闘士が知らないなんて,どういうこと?しかも暗黒ドラゴンは修復師ムウのことを知っている口ぶりです。
ムウ様と暗黒聖闘士が繋がっていたなんて,考えにくいことですが,反教皇派として実はどこかで繋がっていたりして……。
すべては友情のために
体を流れる血が足りない状態で戦いの場に来ている紫龍を,暗黒ドラゴンは理解できません。血が足りない紫龍はフラフラ状態です。
すべては友情のためだと…
文庫版『聖闘士星矢(2)』P327
義理堅い男です。
暗黒ドラゴンを倒すためには廬山昇龍覇を打つしかありませんが,今の紫龍の体で昇龍覇を放つのは,生命の危険を伴います。
小宇宙を爆発させるということは,おまえの血を沸騰させ,逆流させる。(中略)体力の低下が著しいときにそれを行えば,全身の血の沸騰と逆流に細胞が耐えきれず,すべての毛細血管が破れ,お前の体は全身から血を吹き出すだろう。
文庫版『聖闘士星矢(2)』P330
体力の低下いかんにかかわらず,血が沸騰した段階で死んでしまいますし,血液が逆流なんてしたら,それこそ体が持ちません。普通に死んでます。
父の愛も母の愛も知らぬ俺達にとって,友だけが心の拠り所なのだから……すくなくともこの紫龍だけは信じることのために死にたいのだ……!!
文庫版『聖闘士星矢(2)』P333
暗黒ドラゴンと紫龍の違いは,裏切らない友がいるのかどうかの違いに過ぎなかったのかもしれません。暗黒ドラゴンは,学習性無気力症候群ならぬ,学習性無信用症候群だったのかもしれません。誰も信じることができなかったのですものね。
紫龍は最後の力を振り絞って,聖衣を脱ぎ,廬山昇龍覇を暗黒ドラゴンに食らわします。
安定の露出狂です。聖衣をわざわざ脱ぎ捨てる意味が分かりません。
技を放った後の紫龍は,死を覚悟をしてその場に座り込みます。暗黒ドラゴンも,最後の力を振り絞って立ち上がります。
紫龍は技が通用しなかったのかと思ってショックを受けます。本当に自分がやられると思って覚悟します。
暗黒ドラゴンは血止めの真央点を突いて出血を止め,絶命します。
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