第11話『死闘!恐怖の黒死拳』の感想

昔のアニメなので今更ネタバレもなにもないのですが,一応ネタバレO.K.の方のみご覧ください。リアルタイムでTVアニメを見ていました。今再び原作と映像を見直して,感想を述べたいと思います。

当時はアニメが原作に追いついてしまったがゆえに,アニメオリジナルのエピソードが挿入され,それがまた原作との矛盾を生み出し,原作以上にツッコミどころ満載の作品となりました。ツッコミを入れながら楽しめるのも,この作品の良いところでもあります。

目次

本編

決戦場へは,グラード財団のヘリコプターで向かいます。沙織と辰巳も同乗しています。

「殺生谷とは,地図にもない谷です。」by沙織

「調べたところ,土地のものでも恐れて近づかない,文字通り,人や動物を自然に死に至らしめる魔の谷と言われている」by辰巳

そんな場所を,幼少期から6年も日本から離れていた一輝が何故知っていたのか,相変わらず謎です。そのような情報を,聖闘士たちはどこから仕入れるのでしょうか。

暗黒聖闘士なりの闇ルートがあるとしか思えません。

黄金聖衣と星矢たちの命,どっちが大切なのかと問いただす星矢に,両方ですと答える沙織。驚きの顔をする一同。幼少期からの沙織の態度を考えると,あまりにも意外すぎて驚いてしまった様子です。

今まで聖闘士を始めとする下々の者たちに対し,どれだけ冷淡に扱っていたのかが分かります。

星矢たちは辰巳から黄金聖衣のパーツをそれぞれ預かり,ヘリコプターを飛び降ります。

瞬や氷河は聖衣を纏っていますが,星矢は私服です。私服(赤いTシャツにGパン)姿で,雪山を滑り落ちていきます。見るだけでお尻が冷たくなってきます。

殺生谷

殺生谷は,火山の噴気が湧き上がっているところなので,生き物にとっては危険な場所となっているようですね。二酸化炭素や二酸化硫黄が充満していそうです。

そんなところに行ったら,聖闘士だって生身の人間なので無事ではすまされないと思うのですが,聖闘士は特殊体質だとアニメスタッフには思われていたようですね。

星矢たちが近くの洞穴に入ろうとすると,姿はないのに一輝の声が鳴り響きます。スピーカーもないのに鳴り響きます。星矢たちが来る前に声が鳴り響くポイントを探していたのかもしれませんが,配下の暗黒聖闘士たちとともにポイントを探していた姿を想像すると笑えます。

この先のししかばが岩で待つ

道案内もないところで,場所の指定ですか!

未台ヶ原とか呼ばれているところにある,獅子の形をした岩のことだ。かなり前のことだが,父と母に連れてきてもらったことがある。

未就学児にはまだ長期記憶は発達していません。よくそんなところを覚えているものです。しかも「父」と「母」って。原作を知っているものからしたら,「父」って,城戸光政のことだよね。

たとえ城戸光政ではなくても,幼い子供をつれて毒ガスが立ち込めるこんな危険な場所に連れて行く両親なんて,一体に何を考えているのでしょうか。一家心中でも考えていたのでしょうか

どんなところで戦うことになるかもしれない。お互い居場所を確認し,同士討ちを防ぐためにもつけておこう

鈴なんてつけなくても,聖闘士はお互いの小宇宙の存在で居場所も分かりますし,生死の確認もできますけど。まぁ,この頃は小宇宙の定義も曖昧だったので,この話の流れは仕方がないことかもしれませんけどね。

暗黒聖闘士の姿を確認し,それぞれ瞬と氷河は移動を始めます。瞬は,鎖の導くままに行動します。暗黒聖闘士を追随できていた氷河は,すでに目標が定まっているのでしょう。

星矢のもとに,ペガサス聖衣を担いだ紫龍が駆け寄ってきます。しかしそれは幻です。紫龍の姿は消え,ペガサスの聖衣だけが残ります。

勝手に聖衣箱が秋,ペガサスの聖衣が現れます。星矢は,修復された聖衣を早速纏ってみます。一週間も見続けた悪夢が頭をよぎります。

聖衣箱はなおも動きます。原作では瞬が貴鬼を見つけますが,TVアニメ版では星矢が姿の見えない貴鬼の存在に気づき,攻撃します。

貴鬼に紫龍はどうなったのか問い詰めるところは原作と何ら変わっていません。2つの聖衣を甦らせるために紫龍の命が必要だと聞いて,動揺するところも変わっていません。

それにしても,暗黒聖闘士との決戦場所をどうして貴鬼は知っていたのでしょうか。反教皇派として,ムウと沙織が通じていたとしか思えません。ムウが沙織から決戦場所を聞き,貴鬼を送り出したのでしょう。

一週間前

星矢に聞かれて,貴鬼は紫龍がジャミールに訪れたときのことを話します。

原作では紫龍が富士山麓の十風穴にムウに連れられて戻ったときに回想される内容ですが,TVアニメでは順番が入れ替えられています。この順番を入れ替える演出は良いと思います。

あなたの,つまり聖闘士の大量の血を必要とするでしょう。少なくともあなたの体の半分は必要でしょう。(中略)聖闘士も生身の人間,それでもよろしいか。

原作では冷たい感じがするだけでしたけれど,TVアニメでは絵柄と声優さんの演技もあってか,温かみのある優しい物言いになっています。

紫龍は一度死んで星矢にもらった命だと覚悟を決めて,なぜかわざわざバク宙して手刀で両手首を切って血を流します。手首を切るのに,バク宙する必要はないだろう。

バク宙して手首を切った紫龍を見て,尻餅をつく貴鬼も意味が分かりません。

この紫龍の赤い血によって聖衣が修復できるのなら,喜んで差し上げよう

紫龍は聖衣に血をかけ流しますが,どう見ても地面に落ちているだけで聖衣にかかっていませんよ!どう見ても聖衣の上に血が滴り落ちていないのに,聖衣には上から血がかかっています

紫龍が血を流す様子を,目を閉じてじっと見守っているムウです。目を閉じて,小宇宙で感じているのでしょうね,黄金聖闘士ですし。

紫龍の血の気が無くなって,倒れかけているところでようやく助けるムウ様です。

この紫龍は友情を信じられる男。殺すには惜しい。貴鬼,道具を用意しなさい。

修復した聖衣を纏うだけの資格があるのかどうか,ムウはきっと試していたんでしょうね。出血多量で意識を失うまで耐えないと合格できないとは,なかなか厳しい試練です。

で,紫龍はどうなったんだ!

再び貴鬼の肩を握りつぶそうとする星矢です。気持ちが高ぶっているのは分かりますが,少しは手加減しなさい!

とにかく,紫龍の心意気に感激する星矢です。貴鬼に紫龍の分の鈴を渡して,星矢は決戦の地へと向かいます。

暗黒ペガサス

原作と違って,洞窟の中ではありません。星矢の背後の岩場から暗黒ペガサスが声高らかに名乗りを上げて登場します。

原作の暗黒ペガサスはイスラエル出身の黒人でしたが,TVアニメは東洋人風の顔立ちで星矢と瓜二つです。原作のほうが,聖闘士に人種は関係ないということが現れてて好きです。

原作では暗黒ペガサスが先制攻撃を仕掛けますが,TVアニメでは星矢がいきなり猛攻を仕掛けます。かなり劣勢な態勢に追い込まれる暗黒ペガサスですが,その中で必殺技の暗黒流星拳を放ちます。

星矢は勢いにのって猛攻を仕掛ける中での暗黒流星拳なので,すべてを交わしきれずに5,6発食らいます。原作と違うこの演出は,星矢のほうが実力が上であることを表現していますね。

攻撃を受けてもなお,聖衣が傷を受けていないことに感動する星矢です。紫龍の魂がこもっていると,感動する星矢です。

そしてペガサス流星拳と暗黒竜政権の打ち合いです。原作とは違って,同時に打ち合うというのは良いですね。

暗黒ペガサスは最期に黒い死の恐怖をほのめかして絶命します。思わせぶりです。

黒い死

聖衣にはひび一つはいっていないのに,暗黒流星拳を受けたところに黒い斑点ができます。星矢は熱にうなされます。

TVアニメになっても,やはりどういう原理の技なのか分かりません。体が熱を発生するためには,傷を負ったり,細菌が感染することが必要です。聖衣を通り抜けて,目に見えない細かい損傷を体に与えているのでしょうか。

しかも斑点が広がっていきます。星矢の体の中では,きっと免疫細胞たちが頑張っていることでしょう。

星矢はあまりの苦しさに,足を踏み外し,黄金聖衣とともに崖から転落してしまいます。

白鳥星座対決

次は氷河が暗黒スワンと対戦します。白鳥星座に関しては,前哨戦でほぼ決着がついています。それでも強気の暗黒スワンです。

暗黒スワンの攻撃に,周りの景色は凍りつきますが,氷河は平然としています。

原作のカリツォーが,TVアニメでは氷結リングに技名が変わっています。ロシア語ではわかりにくいから日本語にしたのでしょうけど,言葉の響きとしてはカリツォーの方が好きです。

なぜ技名を変えた!

暗黒スワン,台詞の棒読み感ハンパない!

同様にホーロドニースメルチがオーロラサンダーアタックに技名が変更。オーロラサンダーアタックなんて技名,ダサいんですけど……。分かりやすくしたつもりなんでしょうけど。

暗黒スワンよ,本来なら…(中略)…貴様も聖闘士なら,どうにかそこから抜け出せるだろう!

暗黒聖闘士は正規の聖闘士ではありませんから!聖闘士の出来損ないですから!落ちこぼれですから!そんなことを要求してはいけません。

原作では右目をくり抜いて一輝野本へテレポートさせますが,TVアニメでは流石にグロいので,暗黒聖衣の頭のおまる部分,もとい,黒鳥の首の部分だけテレポートさせます。

テレポートさせるのに全身全霊で小宇宙を燃焼させて,やっとテレポートさせることができるレベルです。しかも体が小宇宙に耐えきれなくなって爆発すらします。

暗黒聖闘士って,どんだけ能力が低いんだよ!

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